表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
3/234

3 発覚

この章はかなり長めです。

 優奈が視線を向けても勝也と目が合うことが無くなってから数日後…大事件が起こる。


視線を落としたままの優奈が学校へ着くとみさとありさが全速力で駆け寄ってきた。


「優奈ヤバい!…バレた!」

「ちょっとこれ見て!」


ありさから押し付けるように手渡された一枚のビラ。そこには…


「有名人発見!あのブランカのベーシストは1年2組の松下 勝也だった!」


目を疑うような言葉と共にはっきりと顔は確認できないもののライブ中の写真やメンバーの名前、そしてライブスケジュールなどが記載されている。


「…え?…何これ…」


そう発するのが精一杯の優奈。


「ダメ!学校中走り回ってきたけどすっごい数貼ってある。それにもうみんな…」


全校中がこのビラを見て大騒ぎになっていた。


「どうしよう…これ、おさまんないよ…」


一体誰が…

みさやありさ、千夏が約束を破るわけがない。

その証拠にみんな焦りの表情を浮かべて心配してくれている。


確かにブランカといえばこの街では超有名なバンドではあるが、そのメンバーがこの学校にいるということはこの4人しか知らないはず。

すると校舎の入り口あたりが騒然とし始める。


何も知らない勝也が学校に来てしまった。

一瞬で取り囲まれると


「ねぇねぇ!ブランカのベースだってホント?」

「すっげぇじゃん!なんで今まで黙ってたんだよ!」

「あたしライブ行った事あるんだよー?!」


何重にも取り囲まれて機関銃のように声を掛けられる。

呆気に取られて視線を前に向けると優奈と目が合った。黙ったままこちらを見ている優奈に急に恐ろしいほどの冷たい視線を向けると、群がる生徒たちには一言も返さずそのまま振り向いて帰っていった。


「ちょっとどうすんの!あの目…優奈が話したと思っちゃってるよ!」


「追いかけなって!ちゃんと説明しないと!」

「取り返しのつかないことになるよ!」


確かにあの目は完全に優奈を疑っている。

みんなが追いかけて説明しろというのもわかる。だが足がすくんで動けないのと、今更説明したところでもう自分とは話してくれないだろうという絶望が入り交じり追いかけることができなかった。

するとそこへ


「いやぁすっげぇよな?まさかあいつがブランカのベースって…。人は見かけによらねぇよな。ひょっとして優奈は知ってたのか?それでこないだまで追いかけてたんだ?なるほどなぁ…」


へらへらと笑った康太が話しかけてきた。


「ちょっと康太!今そんなこと…」


みんながふと優奈の顔をみると、その視線は鬼のような目つきで康太を睨みつけている。


「…あんたの仕業だよね」


「はぁ?俺じゃねぇよ!なんで俺がこんな事しなきゃいけねぇんだよ。けどこの先アイツ大変だろうな、すっげぇ人気者になっちゃってさ」


「ちょっと…いくらなんでもヒド過ぎない?」

「あ?ヒドいのはあいつじゃねぇのか?こんな事みんなに隠して友達にウソついてたってことじゃねぇか。そんなヤツ心配する事ねぇって!」


みさ達と康太が言い争いになりかけた時チャイムが鳴りHRの時間になった。


ただでさえ憔悴し落ち込んでいた優奈だったが今朝の一件でさらに自分の殻に閉じこもってしまう。

休み時間も昼休みもずっと一人で席に座り、ただ机に視線を落としていた。


それから2~3日。


勝也は学校に来なくなり優奈は日に日に弱っていっているように見える。

みさ達が支えるように付き添って歩いていた帰り道、またもや康太が現れ


「優奈。俺が家まで送っていくよ、心配だから」

「ウチらが送ってくからいいよ」


「でも俺だって優奈の事が心配なんだよ。言ったろ?ずっと好きだったって。もう隠さないことにしたんだ、だから俺に送らせてくれよ」


完全に弱みに付け込み自分の存在をアピールしようとしているのがわかる。

ありさ達は凄い形相で康太を睨みつけているが、突然優奈が囁くような小さな声で口を開く。


「…どうすればいいの?…あたしが康太と付き合えばいい?そしたら…あたしのお願い何でも聞いてくれる?」


まわりが固まってしまうほど驚きの発言だった。


「ちょっと!…あんた自分が何言ってるのかわかってる?」

「何考えてんの?!」


だがそれを聞いた康太は一気に盛り上がり


「え!マジで言ってる?ホントに?すっげぇ!聞く聞く!なんでも言う事聞いてやる!やったぁ!」


急にはしゃぎだし露骨に喜ぶ康太。そしてみさ達が取り囲む中


「…康太の彼女でもなんでもなる。…だからお願い……あのビラは嘘だったって…間違いだったって…みんなに説明して?…騒ぎを収めて?…お願いだから…もうあの人を苦しめないで…」


糸が切れたように泣き崩れる優奈。もうみさ達の支えなしでは立っていられないほどだった。


さすがにはしゃぐのをやめ突っ立っている康太に


「あのビラあんたが撒いたんでしょ?だったら責任とりなよ。でもそれと引き換えに優奈と付き合うって男としてどうなの?」


「それは…」


言い返せない時点で自分の仕業だと白状してしまっていることに気づいていない康太。

すると泣きじゃくったままの優奈が


「…あたしはいいの、もうどうなっても。けど…話してもらえなくても…横を歩かせてもらえなくても…でもそれでも…これが最後でもいいからあの人が一番大事にしてた事だけはあたしが守ってあげたい。だからお願い……お願いします…」


最後は言葉にならなかった。


これほどまでに一途に勝也のことを想っていた優奈。

そしてその想いを踏みにじった相手に自分を売ってまでも勝也を守りたいと言うその健気さに、みさ達の目からは涙があふれだした。


「とりあえず今は目の前から消えてくれない?」


康太にそう言い放つと優奈を支えたまま駅へ向かって歩き始める。


しばらくして


「ごめん、優奈の事頼んでいい?」


それだけ言うと返事も待たずに振り返って学校へ向かって走っていくみさ。


「ちょ、ちょっとぉ!どこ行くのぉ?」


優奈を放っていくわけにもいかず、みさを追いかけることはできなかったありさと千夏。


学校へ向かう途中で隣の1組の生徒らしき人物を見つけると片っ端から


「ねぇ、桐川ってもう帰った?まだ学校にいた?」


何人もの生徒に聞きまわっていると


「なに?あたしの事探してんの?」


本人がそこにいた。


「いきなりごめん!ウチのクラスの…松下の家とか連絡先とかなんでもいいからわかんない?」


 桐川 蘭(きりかわ らん)

とてつもない美人顔で普段はおとなしそうな風貌であまり友達とはしゃいだりするようなタイプではないが、萬壽釈迦(まんじゅしゃか)というガールズバンドでキーボードを担当しているバリバリのハードロッカーであることは一部で知られていた。


「あぁ、例のビラ?…あんたも急に手の平返してアイツに群がってんだ。悪いけどあたしは同じ世界にいるヤツを売ったりはしない。それにあいつはそこら辺のミュージシャンとは訳が違うんだ、ウチらだってそう簡単に声掛けれるようなレベルのヤツじゃないんだよ。悪いけど他を当たって?」


「違うの!バンドとかそういうことじゃないの!優奈が…優奈が可哀想で…」


蘭の前で泣き崩れるみさ。

ただ事ではないという事は伝わっては来たが


「どういう理由か知らないけどあたしだって直接連絡とかは取れないよ。アイツがいつも行ってる楽器屋とかぐらいならわかるけど。…でもそれでも教えられない。あたしの他にもこの学校には外バンやってるヤツは何人かいるけど、みんなKATSUYAがなんであんなに学校で目立たないようにしてるかはわかってるつもりだから」


そういうと蘭は帰っていった。


だが蘭はかすかにヒントをくれた。

楽器屋…この街にギターやベース、ドラムなどバンド系の楽器を扱う店は数件しかない。

そしてあのブランカのメンバーともなれば楽器屋の店員もさすがに気づいているはず。


急いでスマホを取り出すと楽器屋を検索する。

そしてヒットした数件の店の場所を確認すると、ありさと千夏にLINEを送る。


『お願い!優奈送り届けたら○○駅まで来てくれない?ちょっと手伝ってほしい事あるの!』


そのまま駅に直行するみさ。

電車を降りると検索した楽器屋に片っ端から飛び込む。


「すいません!あの…ここにブランカのKATSUYAさんって来ますか?」

「ん?何度かは来てくれたことあるけどウチは彼の使ってるベースは扱ってないからねぇ。ごめんね」


「そうですか…すみません」


やはり名前だけで通じる程の有名人ではあるがどの店もこういったやり取りばかりだった。


蘭の言う『勝也が通う楽器屋』とはどこの事なのだろう。

そうしているうちにありさと千夏が駅に着いたと連絡がありいったん落ち合う。


「なんなの?理由も言わずに手伝えって。どーしたの?」


「あのね?今片っ端から楽器屋廻ってんの。どっかに松下が通ってる楽器屋があるはずだって…桐川 蘭が教えてくれたの」


「桐川って…1組の?あぁ、確かあの子もバンドやってたんだっけ」


「で、その楽器屋探してどーすんの?」

「松下の家とか連絡先とか、それがだめならいつ来れば会えるとか聞こうと思って」


「それ聞いてどうすんのよ」


「…動いてもらう。くやしいけどもう何とか出来んのはアイツしかいないよ。けどあれ以来学校にも来ないし…だったら探すしかないでしょ」


「なるほどね。でもあいつ動くかなぁ…」


「考えてる暇ないよ、可能性があるなら全部やってみよ!」


千夏の言葉でまた楽器屋めぐりが始まるがどの店も結果は同じ。

走り疲れ心も折れそうになり、そしてあたりも暗くなり始めたころ…


「ねぇ、もう楽器屋ってほとんど廻ったんじゃない?」

「やっぱり個人情報とかで教えてくれないだけで実はもうその店過ぎてたり…」


「くっそぉ…どこにいんのよアイツ…」


足取りも重くなりトボトボと歩く3人がふと目を向けた細い路地。


その奥に古ぼけた小さな店がある。

ギターの形をした看板がかかっているがここに入っていく客などいるとは思えないような古い店だった。


「…まさか…ねぇ?」

「無いでしょ、あのブランカのKATSUYAだよ?」


「…だよねぇ」


そのまま通り過ぎようとした3人。

だが何も言葉を交わしたわけでもないのに同時に立ち止まり、同時にクルッと回れ右をするとその路地へと入っていった。


ドアを開けるのも躊躇するような完全に場違いな店。

ソローっとドアを開け


「…あのぉ…すいませーん。…誰か…いらっしゃいますかぁ?」


シーンとした店内で客も一人もいない。小さな声で呼びかけてみるも誰も返事をしない。


「やっぱ営業してないんじゃないの?」

「…す…すいませーん!」


今度はなかなかの大声を張り上げたみさ。すると奥から声が返ってくる。


「あいよー。開いてるから適当に見てなー」


「…あの…そうじゃなくて…ちょっとお聞きしたい事あるんですけどー!」


少しすると奥から出てきたのは髪は半分以上白髪でひげを蓄えた年配の男性。


「はい?…おっと、珍しいお客さんだね。ここ何屋さんか知ってて来てくれたの?」


「あの…突然すいません。えっと…ここにブランカのKATSUYAさんって来たりしますか?」


「ブランカのKATSUYA?…お嬢ちゃんたちはそのKATSUYAのファンかな?」


一瞬目つきが変わったように見えながらも応対してくれる店主。


「いえ、同級生なんです。今ちょっと彼学校休んでて…でも彼じゃないとどうにもならないことが起きちゃって。で探してるんです。あたしたち連絡先も何も知らないから。ブランカのKATSUYAじゃなくて松下 勝也を探してるんです」


「あいつここ来たりしますか?連絡先とかわからないですか?」


しばらく黙って3人を見つめる店長の島村(しまむら)

少しだけ微笑むと


「10分だけ時間あるかな?そうだ、コーヒーでも淹れてあげよう」


 そういうとコーヒーを淹れ始めた。


「あの…来るか来ないかだけでいいんです。時間もないし早く探さないと…」

「いいからいいから、10分だけ」


そしてカウンターにコーヒーを3つ置いた。


意味も分からずただ足止めされたみさ達は小声で


「ちょっと…こんな事してる場合じゃ…」

「ダッシュで出てく?なんかヤバそうな気もするし」


ヒソヒソ話していると島村がニヤッと笑い


「お、10分経ったね。おーい勝也ぁ!お前にお客さんだぞー」


店の奥に向かって叫ぶ。



「…えっ?」



すると奥から出てきたのはボサボサ頭でもヨレヨレ制服でもない。

胸元まで開けたYシャツにクラッシュジーンズ、ブーツまで全身黒で統一され胸元にはチョーカーが光り、無造作に後ろで縛られたワイルドな髪型をした勝也だった。


「…客?」


出てきたところでみさ達の顔を見るとポカンと口を開ける。


「…ウ…ウソでしょ…」

「ヤバ……」


「おい、どうだった?」


「…え?…あ、あぁ…やっぱピックアップはダンカンに戻した方がいいよ」

「そっかぁ、じゃあ早速やってくるわ。お前話あんならここ使っていいぞ」


店主の島村は奥に消えていった。


4人だけが残った店内で


「なんだお前ら。最近は人の後つけ回すのが流行ってんのか?」


呆然とこちらを見ている3人に話し始める。


「あのな、こんなトコまで追いかけてくんのはさすがに迷惑だ、この店にもな。俺のことはほっといてくれって言ったはずだぞ…帰れ!」


そういってまた店の奥に入っていこうとするも、ハッと我に返ったみさが口を開く。


「違うの!優奈が…優奈が大変なことになってもうアンタに頼るしかないの!お願い、優奈を助けて!」


それを聞くと立ち止まった勝也。

また3人の方を振り返ると


「俺には関係ない…とも言えねぇのか。何があった?」


カウンターを挟んで涙交じりの3人からの怒涛の説明。

今日あったことを聞き終わると最後に


「嘘でもなんでもいいから優奈に声かけてあげて?…でないとあの子ホントに取り返しのつかないことになりそうで…」


「話は分かった。けど…ま、とにかく今日は帰れ。それとここにはもう来るな。いいな」


半ば強引に追い返されるように店から出された3人。しばらくその前で


「なんとかしてくれるかなぁ」

「…わかんない…でも、もう後はアイツを信じるしかないよ」



 翌日、学校へ着くと昨日までよりさらに弱々しくなった優奈もなんとか登校してきた。

その優奈を取り囲み心配そうに声をかけるみさ達。そしてそこにまたもや康太が近寄ってきて話しかけようとしたその時、急に校舎の外が騒然となる。


その騒ぎは校舎の中へと入ってきた。女子生徒の黄色い歓声も入り交じったその騒ぎ声が教室へ近づいてきて、扉がガラッと開く。

そこに立っていたのは…


制服を見事に着崩し、Yシャツは出したままでその裾からはウォレットチェーンが揺れている。

そして髪型は昨日3人が見た後ろに束ねた状態の勝也だ。


クラスの女子からは悲鳴にも似た歓声が上がる。


「うっそぉぉ!!…だ、誰?…あれ…え?…松下?」

「ヤッバー!!めちゃくちゃカッコいー!!」

「…あんな顔だったぁ?」


男子たちは完全に度肝を抜かれた表情で康太にいたっては完全に固まっている。

そんな周りの反応には目もくれずに教室へ入ってくると、そのままみさ達に囲まれた優奈の所にやってきた。


「なんだお前その顔。さては朝飯食ってねぇな?」


目を真ん丸にした驚きの表情の優奈に声をかける。


「…え?…た、食べたよ…」

「ホントか?」


「…ごめん…食べてない…」


久しぶりの会話だった。

するとその優奈の机の上にドン!と無造作に普通より少し大きめのおにぎりが2個置かれた。

ラップに包まれた明らかに手作りのおにぎりだ。


「……?」


「食え」

「え?…で、でも……」


「俺の言う事が聞けねぇのか?」


半ば強制的におにぎりを食べろと言われる。

さすがにこの言い方は優奈もカチンと来るだろうと周りが心配するほどのキツい言い方だが


「……食べる…」


素直におにぎりに手を伸ばした。


周りが驚く中でおにぎりを食べ始め…そして泣き始める優奈。

ポロポロと涙をこぼしながら口いっぱいに頬張る。


食べ物を口にするのはいつ振りだろう。そして明らかにこのおにぎりは手作りだ…。

胸がいっぱいになり何度ものどに詰まらせそうになっていると、またしてもドン!と無造作にペットボトルのお茶が目の前に置かれた。

頑張って1つ目のおにぎりを食べていると、


「帰るまでにもう一個食いきれよ~」


それだけ言うと背を向けて自分の席へ向かっていった勝也。


教室の外には女子生徒がまだ群がって騒いでいるが、そんなことには見向きもしない。

すれ違いざまに目にいっぱい涙をためたみさが口パクで「ありがと」と伝えるも返事も返さず自分の席に着く。


もう一つのおにぎりを両手で胸に当て抱きしめるようにして泣いている優奈。

だがもうすでにそのころには机に突っ伏して眠りにつき始めている勝也だった。


休み時間…昼休み…事あるごとに2組の前の廊下に人だかりができ教室の中をのぞいてくる。

だが何故か団結心の生まれた2組の女子は勝也から少し距離を置いた席の周りに群がり壁を作って見えないようにガードしていた。

朝のやり取りを見て、優奈のためにと自然に取っていた行動のようだ。


放課後になるとさすがに教室の外ではガードも出来ず一瞬にして周りを囲まれる。

めんどくさそうにその人垣をかき分けて出ていくも、ゾロゾロと厚かましい女子連中を連れて歩くような状況になってしまった。


その頃、椅子に座ったまま友人達に囲まれていた優奈のもとに康太がやってくる。


「ゆ、優奈…今日一緒に帰ろうよ」


「…あんたまだよくそんなこと言えるね」

「だって優奈は俺の彼女だし…」


「は?それはあんたが自分で蒔いた騒ぎを収められたらって話でしょ?それに…今日の松下見た?あいつはあのカッコで来ることで自分がブランカのKATSUYAだって事をみんなに認めて見せたんだよ!そうすればあのビラには意味が無くなって『自分の為に優奈が辛い思いしなくて済む』からね!」


「……えっ?!」


ハッとした表情でありさを見上げた優奈はようやく理解した。


なぜいきなり今までの陰気なカッコからいつもの普段通りの着こなしに変えたのか。

なぜわざわざ一番隠したかった事を自ら認めるようなことをしたのか。


おそらくこの親友たちが勝也に伝えたのだろう…全ては優奈を守るためだ。

優奈を守るために自分を犠牲にしたのは勝也の方だった。


急いでカバンを持つとまだしっかりとはしていない足取りながら必死に勝也を追いかける。みさ達もそれに続く。

キャーキャー騒ぐギャル集団を見つけるとそれに追いついた。


息を切らせた4人に気づいた女子が


「あれー優奈じゃん。何急いでんの?」


その言葉には耳も貸さず、周りを囲まれて不機嫌そうな勝也に向かって


「あ、あの…えっと……あ!今朝はありがとう…おいしかった。…で…えっと…」


「ほら、頑張って」(小声)


みさに付き添われてモジモジとした優奈を見て少しだけ口元が緩んだ勝也。


「なんなのー?KATSUYAはウチらと帰るトコなんだよー」


その言葉を聞いてみさ達がイラっとした瞬間


「俺、今からちょっと行かなきゃいけないトコあんだけど…」


それは優奈と話しているヒマはないとも受け取れる。


「…え?あ、あぁ…そうなんだ…ごめんね、じゃあ…」


ガッカリとした表情に変わった優奈を見て


「ヒマなら付き合え、安東」


「………えっ?!」


そこにいる全員が驚いて言葉もなかった。


「えー!何それー!ウチらが先だったじゃん!」


「俺は一言もしゃべってねぇぞ。っていうかお前ら…誰?」


ブーブー文句を言いだす女子達。だがそんな集団には目もくれずに


「早く来ねぇと置いてくぞ」


「…え…ホ、ホントに…?」

「ホラ、行きなって!」


ありさに背中を押されそのまま勝也の近くに押し出された。


「じゃーね!ウチの優奈頼んだよー『勝也ぁ』!」

「おー」


大騒ぎする女子たちを尻目に二人がいつ振りかわからないほど久しぶりに歩き出した。


「…ホンットに世話の焼ける女」



2人になってしばらくすると


「ねぇ…さっきみさが「勝也」って…」


「別に名前は間違ってねぇけど」

「あたしも…そう呼んでいい?」

「好きにすれば?」


「じゃああたしの事も「優奈」って…」

「俺がそう呼びたくなったらな」


なかなか思い通りにいかない。だがこうして二人でまた歩くことが出来た事だけでも今は力いっぱい幸せを感じている。

そしてまた少しの沈黙のあと


「いいの?そんなカッコで学校来たらブランカの事認めたことに…」

「別に。いい加減あの陰キャ作るの疲れてたし」


決して優奈を守るためだったとは言わない勝也。

それをわかっている優奈も敢えてそれ以上は深追いしなかった。


以前2人で帰っていた時、いつもバイトだからと言って別れていた曲がり角。そこに近づくにつれ優奈は少し不安を感じていた。


ついてこいというのはウソでただ前みたいに一緒に帰ってくれただけなのでは…あの曲がり角が来ればまた前みたいに「じゃあな」と言って一人で曲がっていってしまうのでは…そんな不安を抱えたまま曲がり角についてしまう。


いつも通り角を曲がる勝也。だが優奈はそこから先にはついて行ったことがない。

一人立ち止まり動けないでいると、優奈の方を振り返り…


「なんか用事あんのか?」

「…う、ううん…なんにもないけど…」

「なら何回言わせんだよ、早く来ねぇと置いてくぞ」


やはり本当についていってもいいのだと改めて確認し


「うん!行く!」


ようやく優奈に笑顔が戻った。自分でも気づかないほど自然に出た笑顔。


「俺の用事についてくるだけなのに何嬉しそうな顔してんだよ、変なヤツ」


「いーじゃん別に。ねぇドコ行くの?」

「楽器屋、ちょっと頼まれてることあるから。退屈だったら帰ってもいーぞ」


「ぜーったい帰らない」


デートでも何でもない、ただ用事の為に街に出るだけ。


だがそれは2人で同じ電車に乗り2人で同じ方向を向いて歩き2人で同じ目的地を目指すという事で、優奈にとっては天にも昇るほど嬉しい時間だった。


それほど多くないものの他愛もない会話を交わしながら電車を降りる。

優奈もよく来るこの街一番の繁華街ではあるがまるで景色が違って見えた。


2人並んで歩いていると、今まで孤立していた男とは思えないほど色々なところの店先で知り合いに声を掛けられる。


「おう勝也!…うわ…女連れかよ?ついに彼女作ったんだ?!」

「違うよ、同級生だよ。」


「あー!勝也ぁ!何彼女連れて歩いてんのよぉ!あたしとは絶対遊んでくれないくせに!」

「だから同級生だっての!彼女じゃねぇよ、うるせぇなぁ!」


(そこまで本気で否定されると多少ヘコむんですけど…)


だがこんなにも顔の広い男だったとは…

勝也が声を掛けられるたびにその相手に向かって会釈する優奈。自分を連れている勝也が恥をかかないように一生懸命だった。


そのまま歩き、とある細い路地に入っていく勝也の後をついて歩きながら


「へぇ…こんな道あったっけ。ねぇ、ここに楽器屋さんがあるの?」

「こんなトコ入った事ねぇだろ。ほらそこだよ」


そこは昨日みさ達3人が捜索して突き止めた島村の店。

そのままドアを開けて勝也が入ると後に続いてキョロキョロした優奈が入る。


「いらっしゃ…おう勝也か。彼女連れかよ、珍しい」


「だから彼女じゃねぇっつーの!ったく島村さんまで…」


そういうと慣れたようにソファにカバンを放り投げ、優奈に向かって


「そこ座ってな、すぐに済むと思うから。島村さん昨日の組めた?」

「あぁ、試奏部屋に置いてある」

「わかった。あ、こいつにコーヒー飲ませといて」


そういうと奥に消えていった勝也。


一人取り残された優奈はきょろきょろと店内を見渡す。

かなりの数のギターやベースが所狭しと置いてあるその店内で、スッとソファから立ち上がりブラブラとその楽器たちを眺めていると島村がコーヒーを淹れてくれた。


「あ…すいません、ありがとうございます」


「珍しいね、勝也が女の子連れてくるなんて初めてだよ」


「そうなんですか?…あの…ベースってどれですか?」

「勝也のやってるベースかい?(笑)そっちの右側の弦が4本のヤツが全部ベースだよ」


「…はぁ…なんか色々種類あるんですね」


弦が4本の楽器ばかりを探しているとボディが真っ黒のベースを見つけた。

勝也のに似ている気がして


「あ!これって松下君のと同じヤツですか?」

「ん?あぁこれは違うよ。似てるけどこれはFenderっていうメーカーのベース。あいつのは『killer』っていうんだ」


「…キラー…」


初めて知った勝也のベースの名前。

それを聞くとヘッド部分に書いてあるロゴを片っ端から探してみる…が、どこにも無かった。


「killerは今ここには置いてないよ。あんなの使うマニアックなヤツは勝也ぐらいのもんだ(笑)」

「そうなんですか…」

「あいつの音へのこだわりはもうマニアの部類だからね。だから今日みたいにたまに俺が改造したベースを試奏しに来てもらってるんだよ」

「…へぇ~…」


自分の知らない勝也の話を聞けるのが嬉しくてたまらなかった。

筋金入りの人見知りで初対面の人が得意ではない優奈だが、勝也をよく知る人となれば言葉がスラスラ出てくる。


「あの…killerのベースって手に入りますか?」

「そりゃあ取り寄せることは出来るよ。一応楽器屋さんだからね」


「あたしでも買えますか?」

「アイツと同じベースを…かい」

「はい」


「そりゃあ買うって言うならもちろん用意は出来るけど…でもアイツに黙ってそんな事して怒られたりしない?あの頑固坊主に」

「あ…確かに」


「そうだ、これあげるから持っていきな」


島村が手渡したのはkillerのベースカタログで、簡単なパンフレット程度のモノではなくちゃんとした本だ。


「初めはそれ読んで少しベースに詳しくなってみたらどうだい。勝也はベースの話になると止まらなくなるから」


「え!いいんですか?ありがとうございます!」


早速ペラペラとめくり始める。するとベースが何本も載っているページがあり


「えっと…あの…」


「はいはい(笑)勝也のはね…えーっと、これだ。あいつはこのボディに大きくkillerって後からペイント入れてあるんだよ。だからどこにも載ってないんだ」

「これが…KATSUYAのベース」


数多く載っているページの中でこの勝也のベースが優奈には一番輝いて見えた。

そしてそれが欲しくてたまらなくなった。


ベースの話をすればもっとたくさん話してくれる。その島村の言葉を信じ、勝也が出てくるまでの間コーヒーを飲むのも忘れてその本を熟読し始める。


小一時間ほど経った頃


「うん、俺はあれで大丈夫だと思うよ」


試奏部屋から出てきた勝也が優奈のいるソファへ向かってきた。

声が聞こえた途端に慌てて本を隠したためベースの勉強をしていたのはバレなかった。


「お疲れ様」

「おう。ん?コーヒー飲んでねぇじゃん、やっぱ島村さんのはマズかったか」


そう言いながら隣にドカッと座る。


「あ!違う!そうじゃないの。ちょっと本読んでたから…いただきまーす!」


優奈が冷え切ったコーヒーを飲もうとカップに口をつけた瞬間に、


「あ、そっち俺にくれ。島村さん、こいつに新しいの淹れてやって?」

「えー!あたしがこっち飲むよぉ!」

「俺冷たい方が好きなんだ」


そういうと優奈からカップを取り上げそのまま飲み始めた。


新しくホットコーヒーを淹れて持ってきた島村。


「はいどうぞ。えっと…何ちゃんだっけ」

「あ!挨拶遅れてすいません。安東 優奈です。よろしくお願いします。コーヒー頂きます!」


立ち上がってペコッと頭を下げる。

それからしばらく島村と勝也のベース談義があり、優奈は黙ってそれを聞いているフリをしながら一生懸命頭に叩き込んでいる。


「さて、そろそろ行くか」

「おう今回は続けてだったけど悪かったな。はい、バイト代」

「やったサンキュー。じゃあまた来るね」


「あ、あの…お邪魔しました!」

「うん、優奈ちゃんもまたおいで」


「え?…は、はい!」


2人で店を出ると並んで歩きだす。もう空は暗くなり始めていて


「悪かったな、少し遅くなった。退屈だったろ」

「ううん、さっきお母さんにLINEしといたから大丈夫だよ。それに楽しかった!ベースってあんなに種類あるんだね、びっくりした」


「ベースの種類なんてもっとたくさんあるぞ、あの店に置いてあるのなんてホンの一握りだし。でも島村さんとこはその辺の楽器屋には無いのとか置いてるから好きなんだ。それにあの人も元ベーシストだしな」


「そぉなんだぁ」


やはり島村の言う通りベースの話を振ると急によくしゃべるようになった。


この後の行動は何も決まっていないことに寂しさを感じ


「…ねぇ…か…勝也」


「ん~?」


緊張しながらも初めて下の名前で呼んでみるとこっちを向きはしないもののあまりにもスムーズに返事が返ってきた。

途端に嬉しくなり


「あのね…おなか減った」


勇気を振り絞った誘いだった。


確かに今朝おにぎりを貰うまでの数日間はほとんど何も食べていなかった。だが今日からまた会話を交わせるようになり、そして帰りにこうして自分の用事に連れてきてくれた。そのせいか心の中は爽快感に溢れ体にも力が入るようになっていた。空腹感も事実である。


「これからバイトとか入ってる?」

「いや、入ってない。んじゃその辺でなんか食ってくか」

「うん!」


今朝までのどん底の毎日とは真逆…

初めて用事に連れてきてもらい、そしてこれから初めて2人でご飯を食べる。


夢じゃないだろうかと不安になるほどに幸せを感じ


「じゃあ、あたしが奢ったげる」

「んじゃ行かない」


「…え…なんで」


「お前バイトかなんかしてんの?」

「してないけどお小遣いあるもん」


「その小遣いはお前のお父さんやお母さんが一生懸命働いてその中からお前にくれた金だ。人に奢るための金じゃない。それに女に奢られるのなんてイヤだし。俺はさっき島村さんにバイト代貰ったからよ、ちゃんと自分で働いて貰った金だから俺が払う。それがイヤなら行かない」


「でも…生活費とかは全部自分で働いて稼がなきゃいけないって言ってたじゃん。だったらさっき貰ったバイト代も必要な事に使った方が…」


「口答えすんのか?」


「…しないけど」


「んじゃやっぱこのまま帰るか」

「ヤだ!」


「今度はワガママ言い出しやがる…」

「じゃあさ、もしあたしがバイト始めるって言ったら?それで貰ったバイト代でご飯連れてってあげるって言ったら?」


「…最近カレー食ってないなぁ」


「わかった!バイト見つけよ…じゃあ今日は奢って?」


2人とも気づかないうちに会話がカップルのようになってきている。


今日はたまたま通りがかったパスタの店に入ることになった。

通り側の窓際の席に向かい合わせで案内され、ド緊張の中メニューを見て注文を済ませるとさっそく…


「ねぇ、勝也のベースってクリミナルなの?」

「ん?ランコアだよ。でもピックアップはダンカンとバルトリーニ入れてるし音は気に入っ…………お前なんでクリミナルとか知ってんの」


驚いた表情で見つめる。だがそれには答えず立て続けに


「そっか。クリミナルのブレスホールってあるじゃん?7本だっけ。あれがあるとどうなるの?」


「あ…あぁ…クリミナルの中でもフェニックスとカモフラにしか無いんだけどな。あれがあるとボディの中に音が反響して中高音域のサスティーンが伸びるんだよ。アコギの原理と似て……って、だから何でそんなマニアックな事知ってんだよ!」


「内緒ー」

「ほっほう…いい度胸だ」


2人で笑い合う。

面と向かって優奈に笑顔を向けたのは初めてだろう。そしてこんなに2人っきりで長く居るのも、優奈がこんなに楽しそうなのも。


そこからは優奈が知る限りのベース関連の質問が続き、それに丁寧に詳しく身振り手振りも加えながら楽しそうに答える勝也。

やはりこの内容の会話では別人のように明るく楽しそうに話してくれた。


気づかないウチにパスタは食べ終わりセットのコーヒーまで飲み終わっている。


「あ…いい加減そろそろ帰らないと。出よっか」

「え~!まだまだ聞きたい事いっぱいあったのにー!」

「それはまた次回な」


「…次回…うん!次回ね!」


いつとは決まっていないものの「次回」という言葉が嬉しかった。


最初の約束通り勝也がお金を払うと店の外で


「御馳走様でした!」


ペコッと頭を下げる。

派手な風貌でとんでもなく可愛い顔をしながら礼儀はちゃんとしている。初めて2人でご飯を食べたこの店は優奈にとって特別な店になった。


「おう。さて…お前どこまで?とりあえず電車だよな」

「…うん…あたし〇〇駅…」


「え、マジで言ってる?俺もなんだけど…」

「ホントに?じゃあ、そこまではまだ一緒にいてもいいんだよね」


帰り道の話を始めると急にスネた表情になったものの、降りる駅が一緒だと聞くとまた笑顔になった。

駅までの道のり、電車を待つホーム、そして電車の中…行きとは違いずっと会話が途切れることはなく二人とも本当に楽しそうな顔になっていた。


二人が降りる駅に到着する。ホームに降りて改札を抜けると


「どっち?」

「…あっち」


「マジか…まだ方向一緒だ」

「ホントに?!」


少しでも長く一緒にいたいという優奈の思いが叶ったのか、驚くことに二人の家の方向はここまで来てもまだ同じだった。普段なら駅からバスに乗る優奈だがそこは時間を稼ぐために内緒である。

しばらく歩くとついにここで曲がる方向が違ってしまった。


「なんかすっげぇ近くに住んでたんだな」

「うん!ホントに近いね」


「今日は遅くなって悪かったな。じゃあな」


そういって帰ろうとする勝也を呼び止める優奈。


「ねぇ勝也…」


「んー」

「どうして今日連れてってくれたの?」


優奈からの質問に少し沈黙があり


「お前を誘う時は理由がいんの?」

「いらないけど…どうして急に誘ってくれたのかなぁって。初めてだったし」


「別に…たまたま目の前にいたからだよ」


「…あ…そっか…」


急にショボンとした顔で視線を落とす優奈。その顔を見て少し笑い


「冗談だよバカ(笑)…お前は俺が思ってたような部類の女じゃなかった。バンドやってるのを見たうえでブランカのKATSUYAとしてじゃなくて松下 勝也として接してくれた。それに…」


昨日みさ達が楽器屋を探し当てて伝えに来た内容を言いかけてやめる。


「…それに?」


「…俺が連れていきたいって思ったからだよ。そんな理由じゃダメなのかよ」


落としていた視線が満面の笑顔と共にまた勝也の方を向く。


「ぜんっぜんダメじゃない!」

「だったらいちいち聞くな、メンドくせぇな」


「また連れてって」

「あぁ、そのうちな」


「あともう一つお願いがあるんだけど…」

「なんだよ」


「…携帯…教えてほしい」


「携帯?」

「うん…ダメ?」


「ダメっていうか…俺持ってねぇし」


「……え?…ええぇぇ!ホントに?」

「うん」


「どうして?色々不便じゃない?」

「携帯代まで払ってらんねぇもん。…高いんだろ?そんなのに使ってるほど余裕はねぇよ」


「あ、そっか。…あ!じゃあやっぱりご飯とか言わなきゃよかった…ごめんなさい」


「あのな、別に何もかもケチって極貧生活送ってるわけじゃねぇぞ。必要なトコには使うし必要じゃないトコには使いたくないだけ。それだけ俺にとって携帯は優先順位が低いって意味だ。今日メシ食いに行ったのは俺にとって必要な事だったからいいんだよ」


「…うん、わかった」

「じゃあな」


「うん、今日は色々全部ありがと。また明日ね」

「あぁ」


優奈にとってはあまりにも色々なことが変化した怒涛の一日がようやく終わった。


ここ数日間の優奈を見て心配していた家族が言葉を失うほど明るい表情と声で帰宅し、鼻歌まで歌いながら風呂に入り、そして布団に入る…

が、すぐに寝つけるわけもなく、島村に貰ったkillerの雑誌を遅くまで熟読し、ここ数日とは違う意味でまたもや寝不足な朝を迎える。



長文読んでいただきありがとうございました。


☆やリアクション、コメントなど頂けると励みになります♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ