20 ベーシスト
新学期が始まった。
今日も朝から起こしに来た優奈と2人、学校へ着こうかという時に康太と出くわす。
「勝也!おはよー!」
「おう、おはよ」
「康太おはよー♪」
「…お…おぉ…優奈。お、おはよ」
優奈の中に康太に対するわだかまりは無くなっていて、声をかけてもらえた康太は驚いていた。
教室に入ると
「おはよー♪明けましておめでとー!」
みんなと新年のあいさつを交わす。
早速4人が集まると
「どうでしたか?この正月は。毎日勝也のアパートに通ってたとか?」
「ずっとじゃないよぉ、たまには実家帰ってたもん」
「…実家?…え?」
「ちょっと待った……アンタ今ドコに住んでんの?」
「え…いやその…実家に決まっ…いや実家じゃなくて…」
「ほっほう…さ、白状してもらおうか」
例によって顔を突き合わせてのヒソヒソ話の後
「はあぁ?!何それー!!」
「信じらんない!!同棲って…」
「だから声が大きいってば!ホントに一緒に住んでるわけじゃないし『つもり』ってだけ!」
「ホンットむかつく…あいつっていちいちやる事カッコ良すぎない?!」
「やっぱあたしに勝也ちょーだい!」
「絶対ダメ♪」
それからそれぞれの正月休みの間の事を色々話していると突然千夏が
「ねぇ、あたしもアンタらの部屋行ってみたい!」
「あたしもー!」
「いや、それはちょっと…さすがにダメでしょ…」
「なんでー?優奈の家でもあるんだったらいいじゃん」
「でも…」
「あたしが聞いてみる!」
突然みさがスッと立ち上がり、寝る準備に入っている勝也の席へ向かっていく。
「ちょ…ダメだって!みさってば!」
後から優奈が追いかけるもののすでにみさは勝也に声をかけてしまっていた。
「ねぇねぇ勝也。一回ぐらい家に呼んでよ」
「…は?」
「もちろん優奈がいる時にだけど…遊びに行っていい?」
「ちょっと!…気にしないで?冗談だから!」
「…バイトが休みン時にしろよ?」
そういうと突っ伏してしまう。
「…えっ?」
「やった♪オッケー貰った!」
みさは早速ありさと千夏に報告しに戻る。
「ちょっと、ねぇ!ホントにいいの?…ねぇってば!」
「なんだようるせぇな!お前の家でもあんだからいちいち聞くなバカ!」
「あ…」
『つもり』ではなかった。勝也は本当に優奈と一緒に住んでいる気でいたのだった。
それを聞いて急に実感がわき始めるとみさ達の所に戻り
「…えへ♪」
「えへ♪じゃねぇよっ!(笑)」
昼休み、勝也が食べ終わった頃に弁当箱を取りに行く。
「今度バイト休みが合うのっていつだっけ」
「…ん?いつだ?俺は金曜日だけど」
「あ、あたしも金曜休みのハズ…。ねぇ、ホントにいいの?」
「いいよ、なんなら康太と陽平も呼んでやれば?あいつら絶対お前の事避けてるし」
「凄い人数になるじゃん…下の部屋の人騒がしくないかなぁ」
「お前のアノ時の声の方がでけぇだろ」
パァン!!
すかさず頭に平手打ちを食らう。
「もぉ!そういうトコ平蔵さんに似てきた!」
「いってぇ……」
優奈の口から言うのはまだ抵抗もあるためみさ達に伝えてもらうと、康太と陽平は大喜びで参加を表明した。
金曜の夕方、優奈は部屋の中を片付けている。
普段から綺麗にしてくれているためそれほど時間はかからなかった。
いつも優奈が掃除をしている間勝也は寝室でベースを弾いていることが多く、みさ達が全員揃って部屋に来たことを聞いてようやくリビングへ出てくる。
「へぇー綺麗にしてんじゃん」
「…っていうか優奈のモノ多くない?」
いつしかこの部屋も化粧品やみんなが見覚えのある服など優奈のモノがかなり増えている。
それをみて色々想像した康太は
「…なんかまたハラ立ってきた」
「まだ言うかお前は(笑)」
夕飯時という事もあり、みんな思い思いにお土産として食べるものを持ち寄ったのだが
「ちょっと康太!ピザと餃子ってどういう食べ合わせなの?」
「だってどっちも食べたかったんだもん…」
みんなが大爆笑している間に勝也も簡単な料理を作る。
その横で食材を用意したりお皿を出したりしている優奈に
「もう完全に妻じゃん」
未成年ではあるが、あまりの嬉しさにテンションが上がりビールを箱で買ってきた康太。
そして陽平までお酒を持ってきていて酒盛りのようになる。
みんな少しはお酒の経験もあるため盛大に盛り上がってきた。
甲斐甲斐しく勝也の飲み物を注ぎ足したり食べるものを取り分けたりする優奈は本当に妻のようだった。
「なぁ勝也。なんでベースやろうと思ったの?」
陽平からのいきなりの質問に一瞬会話が止まる。
そして次から次に
「あたしも聞いてみたい」
「俺たちは素人だからさ、普通に考えたらボーカルとかギターとかの方が目立つのにって思うけどなぁ」
「最初からベースだったの?」
黙って勝也の顔を見る優奈。
よく考えたら自分もそれを聞いたことは無かった。
「えー…ギターより弦が少ないから簡単かなと思って」
完全にウソだとわかる理由を答えるもそれは認めてもらえず
「元々音楽が好きだったの?」
どうやらみんな興味がそこに集中してしまったらしく全員が顔を見てくる。
「なんだよ…別に聞いたって面白くねぇぞ?」
少し酔いも回ってきていたこともあり、今まで話さなかった過去をゆっくり話し出す。
「俺んチ、親が夫婦で小さな居酒屋やっててよ…オープンしたのが俺が小学3年…の時だったかな。
最初の頃は常連とかもいないし両親もお客さん掴むのにそりゃあ必死で頑張ってたよ。でもいきなりから儲かるわけもないだろ?…で、姉貴と俺にはちゃんとメシ食わせてくれてたけど、自分たちは…って感じだよ。俺も子供ながらに「今は大変なんだ」って理解してたつもりだった。
当然その頃流行ってたゲームなんか買ってもらえる訳ねぇしさ…友達同士で「今日集まって一緒にゲームやろう!」ってなった時は、用事あるからとかウソついて行かなかったんだ。そしたらやっぱ友達は減ってくじゃん?いつの間にか学校でも一人になってた。
親父は「欲しいものがあったら言え」って言ってくれたけど…やっぱ言えねぇよな。
そんな時に家でテレビ見てたらさ、外国のロックバンドが出てたんだよ。もう名前も覚えてねぇけど。…そのバンドのベースがすっごくカッコよくてさ、見た瞬間に一目惚れだった。でもゲームも買ってもらえねぇのにベースなんて…だろ?だから家でほうき持って弾くマネとかしてたんだ。そしたら段々楽しくなっちゃって…ほうきの柄のトコに細長い板貼って毛糸で弦作ってよ…一人で部屋で遊んでた。でも…親父たちは気づいてたんだ…」
誰一人話すことなく返事もすることなく話に聞き入っていた。
優奈にとっても初めて聞く勝也のベーシストとしてのルーツ。
それは想像をはるかに超える衝撃だった。
【初めはただ遊びでほうきを改造しているだけだと思っていた両親。
だがその「遊び」は長く続いた。
貼られた板はすり減り、毛糸の弦も何度も張り替えられた。
それが数か月続いたころの正月、父が勝也を連れて外出した。
行き先を聞かされないまま着いて行くと、商店街にある小さな楽器屋さんに入っていく父。
そこは小学生用のリコーダーやピアニカなどを売っているような店で、ギターやベースなどは隅っこの方に数本あるだけだった。
父は「ギターが欲しいんだろ?好きなの選べ」と言った。
子供心にウチにはそんな余裕など無いと分かっていた勝也は「いらない」と答えた。
すると父に怒られた。
「子供がつまらん遠慮なんかするんじゃない!」と。
本当は喉から手が出るほど欲しかった。
目に涙をためながら、それでも一番値段の安いベースを指さした。
それがkillerのランコア。
今でも勝也が使っているあのベースだ。
そこはギター専門店でもない楽器屋で店主はkillerというメーカーも知らず、たまたまついでに入荷したベースだからと安価で売っていたのをさらに安くしてくれた。
それを宝物のように大事に抱きしめての帰り道、父に言われた言葉が勝也の人生を変える。
『夢や目標ってのは諦めたらそこでただの「憧れ」に変わるんだ。下を向いてちゃ前は見えないんだぞ?』と…】
気づくと全員が肩を震わせ泣いていた。
勝也の想いはみんなの想像をはるかに超えていた。
ライブであれだけ大勢の歓声を浴び勝也の代名詞とも呼ばれるほど有名になったkiller。
だがそれは、小学生の時に父に買ってもらった『安物』のベースだったのだ。
勝也が誰にも触らせなかった理由をようやく知った優奈。
自分だけが触る事を許されたと本当の意味も分からず喜んでいたのが恥ずかしくなった。
「なんだよ、だから聞いても面白くねぇって言ったろ?」
「俺、とんでもねぇヤツと張り合おうとしてたんだ…」
「なぁ、さわったりとかしねぇから一回だけそのベース見せてくれないかな」
「え?別にいいけど。優奈持って来て」
「あ…はい」
寝室にいくと一瞬触るのをためらう優奈。
今まで以上にそのkillerが大事なものに見えたからだ。
「…ごめんね?迎えに来たのがあたしで。勝也のトコに連れてってあげるから」
また生きている相手のように語り掛けるとスッとそのベースを手に取りリビングへ戻る。
優奈に抱きしめられてみんなの前に現れたkiller。
それは誰の目にも光り輝いて見えた。
「すげぇな…こんなカッコいいベースなんだ…」
まだライブを見たことのない陽平と康太。
だがそのベースを肩から下げて演奏する勝也の姿は頭の中で想像できた。
あれほど敵対心剥き出しだった康太も
「俺もライブ見に行ってもいい?」
「あぁ」
ベースをまた寝室に戻し、そこからまた楽しい宴会になっていった。
それは結構な時間まで続き、そしてフラフラに泥酔した康太を抱えるように陽平やみさ達も帰っていった。
そこそこの片づけはみんなで終わらせたため洗い物ぐらいで済んだ優奈。
ソファに座ってテレビを見ていた勝也の隣にピタッとくっついて座り
「ありがとね、みんな喜んでた」
「別に…俺の友達でもあるからな」
「うん…そうだね」
優奈の頭の中にはまだ今日の勝也の話がずっと響いていた。
モテたいわけでも騒がれたいわけでもない。
ただ「親父に買ってもらったベースを弾き続けたい」という想いだけでブランカという偉大なバンドのメンバーにまで登り詰めた男。
そしてふと続きが気になり
「ねぇ、何がキッカケでブランカに入ったの?一人だけ地元も歳も違うのに…」
「ん?歳は違うけど精神年齢はほぼ一緒だろ。いや俺の方が年上かな♪」
「そういう事じゃなくて!」
「なんだよ…まだ聞きたいならもうちょっと酒飲ませろ」
続きを聞くためなら…と、2人分のお酒を用意した。
また座りなおすと仕方なく話し始める勝也。
「中学に入ったぐらいからさ、休みのたびにここの大家さんの叔母さんチに泊まりに来るようになったんだ。家の負担をちょっとでも減らすのと…バイトしようと思っても中学生雇ってくれるとこなんてないだろ?ここにくればいろんな手伝いしたり知り合いのトコ連れてってくれたりしてバイトみたいな事させてくれたから。でも毎回ベースは持って来てた。
それである時叔母さんの知り合いがやってる楽器屋に連れてってくれたんだ。いつも大事にしてるベースだから一度メンテナンスしてやってくれって。それがあの島村さんだよ。で、そこから通うようになって…」
【killerというマニアックなベースを持っている中学生には島村も驚いた。
それもかなり使い込んであったため
「中古で買ったんだ?」
「いえ、最初は新品でした」
という事はこの子は相当練習しているのだという事は安易に想像できた。
そして試奏部屋に行き、アンプに繋いで
「弾いてみな」
そう言われて勝也が弾き始める。
生まれて初めてアンプを通してベースを弾いた中学生のテクニックは島村の目を真ん丸にさせた。
「…ホントに独学なのか?」
「誰にも教わったことは無いです」
島村の目に映ったのはそんじょそこらのプロでは太刀打ちできないほどの技術で
「バンドとかには興味ないのかい?」
「…バンド…?」
思えばベースを弾くことだけが楽しくて、人と合わせるという事は考えたことも無かった。
それからよく島村がライブハウスに連れて行ってくれるようになった。
大人と一緒なら安心だと叔母も快く送り出してくれた。
色んなライブハウスを見に行って数々のバンドを見たものの…楽しそうではあるが心を動かされるバンドには出会えなかった。
(やっぱ一人で弾いてる方が楽しいや…)
そう思い始めてライブハウスに行くのをやめようかと考えていた頃、島村に「デカいイベントがあるから見に行こう」と誘われた。
これで最後にしよう…と決意してそのイベントを見に行った。
そのイベントも勝也にとっては今まで見てきたのとさほど変わらずそれほど本気にもならずに淡々と見ていたが、最後にトリとして出てきたバンド…オープニングから爆発音のような音圧で、圧倒的なグルーブと完成度。
そして何より演奏しているメンバーの楽しそうな表情に一瞬にして心を奪われた。
「あの…このバンドって…」
「ん?こいつらは『ブランカ』。まぁちょっと他のとは別格だな」
「ブランカ…」
これが勝也とブランカの出会いだった。
CDやスコア(楽譜)なども買えない勝也にとって自然に身に着いた「耳コピ」。
このライブで聞いた一回で楽曲を覚え、それから一人で何度もブランカの曲を繰り返し弾いた。
ある日、また島村の楽器屋に行くと
「おう勝也。お前の好きなブランカな、ベースが抜けるそうだ」
「え?…なんで?」
「バンドってのはそんなモンだよ。意見が合わないとか仲が悪くなったとかだけですぐメンバーは変わるんだ」
「あんなに楽しそうだったのに…」
「まぁブランカの中でもあのベースはちょっとジャンル的に違う系統だったからな。…で、そこでだ。新しいベースを公募するらしいんだが、お前受けてみないか?」
「…え?…えぇぇ?!…そんな…無理だよっ!俺バンドなんかやった事ないし」
「誰でも最初は初めてだろ?まぁ中学生をメンバーにいれるなんて事はないだろうけど、せっかくあのブランカと一緒に演奏できる機会だ。経験にもなるし、音を合わせるだけでいいから一度やって見ろ」
半ば強引に話を決めてしまった。
メンバーとも面識があった島村の提案で本当にスタジオにベースを持っていく事になった。
その日、緊張した顔でスタジオに入ると本物のブランカがそこにいた。
初めはメンバー達も「島村さんの頼みだから」と、中学生と遊んでやるぐらいの軽い気持ちだった。
「へぇ…killerかよ、めずらしいな」
アンプの設定なども全く分からない勝也にJunが優しくアドバイスしてくれてようやく音を出せる状態になると
「ウチの曲覚えてきたんだって?」
「…あ、はい。…耳コピですけど…」
「よし、んじゃどれでもいいぞ。何やりたい?」
「…じゃあ…WILD SIDEやりたいです…」
「大丈夫かよ、あれはウチでも一番難しいんだぞぉ」
「…一番弾いてた曲だから」
それを聞いてみんなクスッと笑った。
そしてBanのカウントから記念すべき勝也の初演奏が始まる。
その日のスタジオ終了後、ロビーに出たメンバーは大騒ぎだった。
「来年の春で卒業なんだよな?そしたらすぐこっち出て来るんだぞ、必ず!」
「それまでリハとかライブは勝也がこっちに来れる土曜日限定だな」
「俺が作曲した時の音源渡すからそれ聞いて全部覚えろ」
「お前CDデッキも無いの?んじゃ俺の余ってんのやるから持って帰れ」
「…えっと…あの…ホントに俺なんか…」
「あ?今更やっぱりヤメたとか言わせねぇぞ」
「でも俺、まだ中学生だし…」
「あんなえげつねぇ音出しといて何が中学生だよ、そんなモン関係あるか!」
「ウチにはどうしてもお前が必要だ。今日からお前が『ブランカのベーシスト』だよ」
それが一人だけ歳の離れた勝也がブランカに加入した経緯だった】
「…凄ぉ…」
「どこの誰ともわからない中学生のガキをよくメンバーに入れてくれたなぁと思ったよ。そういうとこバカなんだよな、あの人ら」
「それで卒業したらすぐこっちに越してきたんだ?」
「あぁ、もう店も結構常連さんとか定着して昔に比べたら余裕はあったみたいでさ。オヤジは仕送りしてやるって言ってくれたんだけど、そこまで甘えるわけにはいかないからな…自分のワガママだし。だから学費だけは出してもらって後は自分で稼いで生活するって約束してこっち来た」
現在に至るまでのいきさつを聞いてようやく話が全部繋がった。
自分が裕福な家庭で何の心配もなく生きている間にこれほどの苦労をしてこの街に辿り着いた同い年の男がいた事が信じられなかった。
気づけば勝也に抱き着くようにして話を聞いていた。
「その中のどれか一つでも欠けてたらあたしとこうやって付き合ってくれなかったかも知れないんだよね…」
「それはそっちも同じだろ」
「あたしは今と状況が違っても絶対勝也の事見つけてたモン」
「ウソつけ。お前がたまたまブランカのライブに来なかったら今でも会話さえしてねぇよ(笑)」
「あの日から全部変わったんだよね…ライブ行ってよかった♪」
「お前にはハズレだったかもな。俺なんかに捕まっちまって」
「大当たりだよーだ♪ねぇねぇ、それまでってあたしの事知ってはくれてた?」
酔いも回ってきている勝也。
普段なら絶対に口にしない事まで話し始めている事に自分も気づいておらず
「お前は目立つからな。顔は抜群に可愛いしものすげぇ人気もあるし。こんな可愛い顔した奴と付き合えるのってどんな男なんだろうって思ってたけど」
「…顔…だけ?」
「そりゃ中身を知るまでは顔しかわかんねぇだろ?でもそれだけだったらお前には全く興味なかったよ。けどお前が声かけてきてくれて、最初は冷たい態度取ったけどそれでも追いかけてくれて、いつでも一生懸命なトコ見て俺はお前を好きになったんだ。こいつとならずっと一緒にいれるって」
康太とは違い、外見など関係なく中身に惚れたと言ってくれた。
またもや目に涙をいっぱい溜める優奈に
「今年の抱負は泣かない事だったろ?早速かよ」
「…だってぇぇ……」
そういうとグイッと勝也の胸に顔を押し付けて服で涙と鼻水を拭く。
「あー!てめぇ!きったねぇな!」
「ひどー!汚いってなによぉ!」
結局、いい雰囲気はそう長くは続かない2人だった。




