表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

18/36

第十七公演 VSゴーレム

 2月19日 投稿

罠から脱出し、俺たちは遺跡の奥へ奥へと足を進めていた。

 「こっちだ。」

 盗賊であるレオンは遺跡の中を探索するのも得意。レオンの直感を信じて俺たちは進んで行った。俺はサラサラと遺跡で起こった事、遺跡の特徴や罠の事、簡単な地図を紙に書いていく。


 「団長さん?何を書いてらっしゃるんです?」

 「依頼では遺跡の調査も含まれてるだろ?だから後で文章に纏められるようにメモしてるんだよ。」

 シエルは興味津々に話を聞いていた。というか前のパーティでもこういう地味な仕事は大概俺任せだったもんな…。はぁ…。


 「ふ!私も書いたぞ!見よ!」

 アリスが自分の書いたメモを見せてきた。

 [静寂なる時止まりし遺物。踏み込みし侵略者を拒みし遺物。我を深淵へと導く。]

…つまり、静かな遺跡に入った人たちをはめる罠がある。んで自分がその罠にはまっちまった。とのことだ。


 俺はそのメモをアリスのオデコに軽くペチッと当てた。

 「アリス。頑張った事は認めよう。だけど、いいのか?自分が罠に嵌ったっていうのバレるけど。」

 「はっ!?かっ書き直す!」

 アリスは気づいたらしくメモを書き直し始めた。他にも言いたい事はあるが言わないでおこう。…深淵とかねぇ…。かっこいいと思ってた時期あったなぁ…。


 「おい!お前らあれ見ろ!」

 レオンの呼び声に俺たち三人は前を向いた。すると前方に石造りの扉とその前に立ちはだかるようにゴーレムが立っていた。


 「あっあれがゴーレム…」

 シエルはゴクっと唾を飲み込んだ。冒険自体初めてなのだ。ゴーレムも初めてなのだろう。

 「ふふふ!血が騒ぐな!我が闇の力で捩じ伏せてやろう!」

 アリスはやる気マンマンの様子。


 「さて…どうするよ?団長?」

 レオンがそう問いかけてくる。俺は皆んなに作戦を伝える。すると全員が頷くのを確認する。そして…



 まずは俺だけゴーレムに突撃した。

 「ファイア!」

 俺はまずゴーレムに炎魔法を連発して放つ。するとゴーレムの視線が俺を捉え、追いかけ始めた。ゴーレムは口を開ける。すると魔力でできた光線のような物を出してきた。

 俺はそれをかわしていく。そしてビームを打つためにゴーレムが立ち止まったのを見計らい。


 「ここだな!」

 物陰に隠れていたレオンがゴーレムにナイフで切付ける。するとゴーレムの動きが鈍った。

 ゴーレムは長年誰もメンテナンスもされてない状態で放置されている。どこかに綻びや崩れた外装があるのではと踏んでいたのだ。

 レオンはその器用さでその綻びにナイフを突き立て、外装を破壊した。


 するとゴーレムはレオンを攻撃しようと拳を振り上げる。

 「ゆけ!我が眷属よ!」

 するとゴーレムに向かってスライムが襲いかかる。スライムはゴーレムの腕に絡まり、攻撃を防ぎ、残りのスライムがゴーレムの口に入りビームを打つための銃口に体を詰め、ビーム攻撃を防いだ。


 そして…

  「いまだ!シエル!」

 その合図にまずアリスが口笛を吹き、ゴーレムに纏わりついてたすべてのスライムを呼び寄せた。ゴーレムがビームを再度撃つその瞬間…

 「"エクスプロード"!」


 ゴーレムの体に巨大な火柱が襲いかかる。外装が崩された事で防御力が低下し、ゴーレムの体はモロに炎のダメージを受けている。

 しかしそこは遺跡のガーディアン。ゴーレムの体は炎が止んだ後、ボコボコと音を立てて膨らんでいく。


 「こい!眷属達!」

 アリスの合図で狼達が集まった。俺たちはすぐに狼に飛び乗り走り出した。そして次の瞬間…

 ボガァァァァン!


 ゴーレムが自爆した。確実に侵入者を殺す機械として作られたのだ。ゴーレムは損傷率が高いと爆発する。これも冒険者達が、ゴーレムを相手にしたくない理由。

 しかも爆発までの時間もまちまち。ボコボコ膨れ上がるという動きがあるから分かりやすいが、巻き込まれたら即死。

 俺やレオンは避けれるかもだが…女性陣が難しいため、素早い狼に乗ってもらったのである。


 そして爆発跡をみるとコロンと赤い玉が落ちていた。ゴーレムの核である。

 俺はその核を拾った。とりあえず依頼の半分は達成である。残るは…


 「この扉の奥か…」

 ゴーレムの守っていた扉の奥の調査。俺やレオン、アリスは緊張の面持ちで扉を見つめる。

 シエルはキラキラと目を輝かせていた。



 一方その頃のルルさん

 「ユーリ君達…まだかなぁ…」

 ルルは護衛のスライムをプニプニ突いたり、クマや狼の魔物をブラッシングしたりして過ごしていた。お陰で毛艶がピカピカである。


 「ユーリ君達帰ってきたら…。ご飯何作ろうかな。ユーリ君…泣いてないかなぁ…。昔は泣き虫だったもんね…。あれ…なんだろう…今のユーリ君の泣き顔想像したらなんか興奮してきた。」

 なにやら目をキラキラさせて不穏な事を言うルルに魔物達はビビっていた。


 ユーリは何故か寒気を覚えた。

 

 

ここまで読んで頂きありがとうございます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ