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第十四公演 四人と愉快な魔物達

2月16日 投稿

 次の日、

 俺たちは依頼に書いてあった「ドラゴナ遺跡」へ向かう事にした。ドラゴナ遺跡は今現在いる俺らがいる町「リューグラ」の近くにある深い森の中にある。


 俺たちは取り敢えず町を出て森の中に入っていった。

 「ルル?危ないから町で待っててもよかったんだぞ?」

 「うーん…確かにそうなんだけど…こういう依頼を達成するのって一日以上掛かる時あるでしょ?別行動ってなると色々面倒かなぁって」

 

 というのも金欠なのもあり何処かへ泊まるのもなんか忍びない。だからと言って馬車を街に置いて寝泊まりするとしても、ルルは戦う力がない。戦う力のない女の子が一人で寝泊まりは危険なのである。とルル談。


 それに加えて馬車の方が俺たちの体力の温存に良いのでは?とのことだった。


 「まぁ何かあったら守るけど…無理すんなよ?」

 「うん!ありがと!ユーリ君…」

 おっふ…笑顔が眩しいぜ…。ちくしょー!


 「おい…まさかユーリという男は二股してるのか?」

 「いやいやしてねーよ?まぁ…なんか天然タラシっつーか…。タチ悪いよなあいつ…」

 何やらアリスとレオンがコソコソ話している。仲が良いのは良い事だ!。


 そして俺達が森を歩くと、前方からスライムと狼型の魔物が現れた。

 「魔物だ!全員武器をとれ!」

 俺とシエルとレオンは戦闘体制にはいる。

 しかし…


 「よさぬか!お前達!こやつらは私の手下だ!攻撃を止めい!」

 アリスが魔物に指示を出すと、魔物達の動きがピタッと止まった。アリスはスライムを抱き抱え、狼から頬を舐められている。


 「へ?もしかしてこの魔物って?」

 「ふふ!見たか!これぞ我が力だ!ひれ伏すがいいわ!」

 「わ〜スライムさんってよく見ると可愛いですね〜♡」

 「ほんとだ〜♡ぷにぷに〜♡」

 どうやら魔物達はアリスの使役してる奴ららしい。アリスがドヤ顔で偉そうにしているが、それをスルーして他の女子たちはスライムに夢中。指でツンツンつついている。


 「ふふふ!こいつの名前は"イビルフレイム"そう最弱と言われるスライムに敢えて"悪の炎"と名付けたのだ!どうだ!我が眷属に相応しいであろう!」

 ………なんだそのネーミングセンス。


 「わ〜略して"イムちゃん"ですね♡可愛いです!」

 「えへへ♡イムちゃん♡」

 「違うのぉ…イビルフレイムだもん!」

 そしてやはりスルーして勝手に名を略されてるイムちゃん。そして元の名前に自信があったのかアリスは涙目である。

 あれ?意外とメンタル弱い?俺と同レベルだったりする?


 「いや…つーか早く行こーぜ?」

 「…そだな…」

 レオンのその言葉に俺は頷いて並んで歩く。

 女子達はスライムのイムちゃんを中心に盛り上がっている。温度差に風邪引きそう。

 因みに狼達は馬車を取り囲みながら着いてきた。


 「…深いですねぇ…。この森…。迷いそうですね?」

 「いや…方向は合ってるぞ。このまま進めば、遺跡に着く。」

 レオンは盗賊だ。盗賊は物を盗むというイメージばかり先行するが、その鍵開け能力や、お宝を探しあてる直感。そして空間把握能力はピカイチ。それを利用してトレジャーハンターのような事をしている者もいる。


 特に遺跡のような古代の遺物などのお宝が眠る場所に関する方向感覚は信用できる。

 というか周りは木だらけなのだ。レオンの感覚と意味を成してるかもはや不明の地図しか当てにできる物がない。


 そしてレオンの先導の元、着いていくと、

 「…あった………」

 そこには苔むした石造りの神殿のような建物があった。中からは冷たい空気が流れ込んでくる。

 

 「これが…ドラゴナ遺跡…」

 「アリス?魔物をもっと呼べるか?」

 「ふ!私を誰だと思っておる!まかせろ!」

 俺はアリスに魔物をもっと呼ぶ様に指示を出す。するとアリスは頷き、ピューっと口笛を吹いた。

 

 すると続々と狼の他にスライムやクマ型魔物などが現れた。

 「取り敢えず、今呼んだ魔物の半数を馬車の周りに配置してくれ。ルルはここで待ってろ。」

 「え?でっでも私も!」

 「お前は戦えないだろ?これから先にはゴーレムや下手したらもっと強い魔物も現れるかもしれないんだ。」


 ゴーレム…古代の人々が大切な場所を守るために作ったガーディアン。登録者以外を無差別に攻撃する殺人マシーンだ。(登録者とはいったが既にこの世にいない人がほとんど)。

 そして一応魔物として扱われるが、厳密には魔物ではなく機械なので魔物使いでも使役は不可能である。


 それに避けたくても依頼にはゴーレムの核の回収が入っている。リスクが大きい。


 「…分かったよ…。ここで待ってる。足手纏いになるよりマシだしね?」

 「ごめんな?ありがとうルル…」

 「安心しろ!我が眷属は忠実だからな!しっかり守ってくれるだろう!」

 分かってくれたルルに感謝する俺。するとアリスは胸を張って無事に守ってくれると保証してくれた。


 「遺跡探検ですか!楽しみですね!私遺跡に入るの初めてなんです!」

 「へぇ?意外だな?俺は遺跡は入り慣れてっけど。ゴーレムは戦ったことねーな…。基本避けてたし…」

 何やらワクワクしているシエル。そしてレオンはそれにキョトンとしている。

 まぁゴーレムの相手なんてしたくないわな…


 「よし!者ども!私に続くのだ!」

 「はいはい…」

 「む?子供扱いするでない!」

 そう言って先陣をきるアリス。なんとなくさっきから微笑ましくて頭を撫でる俺。

 …ロリコンじゃないよ?町中じゃないんだから良いでしょ別に?


 そして俺たちはルルを抜いた四人+愉快な魔物達十数匹で遺跡に入って行った。


 …え?待って?魔物入れると多くね?

 

読んで頂きありがとうございます

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