表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ナノマシンの継承者~ヴァリアントブレイカー~  作者: 雪山 滑男
1章 胎動編
1/19

0話 全ての始まり

がんばって投稿してみました。

矛盾があったりするかもしれませんが読んでいただければ喜びます!

物語がどんどん動き出すのはまだ先になります。

最初は世界観の話や徐々に巻き込まれていく主人公の話がつづきます。

お付き合いください!

周囲には筋肉が異常膨張した人間や狂獣化した動物が死屍累々とした光景が広がっている。

粉塵が舞い上がり、火の手があがる。


俺は、一人その異常な光景の中一人で立っている。


「‥‥君、大丈夫?」

「はい、大丈夫です」


通信をくれた女性が俺を心配してくれたが、ここで俺が倒れるわけにはいかない。


「…そう、わかった。3時の方向からヴァリアントが3体来るわ!気を付けて」

「わかりました、殲滅します」


そう話すと青年は粉塵の中へ消えていった。




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


ある日、そのウィルスはアジアのとある都市から発生し瞬く間に全世界へ拡散した。

各国の大都市閉鎖や入国出国規制、一部地域によっては警察による暴力での外出強制禁止等。

過去に例を見ない程の厳戒態勢に21世紀の世界はウィルスに翻弄された。


ウィルスは収束する見込みさえ見いだせない程に抵抗を見せて人類は既に諦めとウィルスと共に共存していくしか無いのかと考え出していた。

しかし人類は諦めていなかった、各国の製薬会社はウィルスに対抗すべくワクチンの開発に国を含めて躍起になっている。


アイルランド連合、太平洋連邦合衆国、大東亜共和国、そして日本はいち早くワクチンの開発を推進していった。

各国のワクチン開発が功を奏して全世界総ワクチン接種義務をWHOが推奨し国連がそれを承諾した。


強制的ともいえるワクチン接種に反発する人類もいたが、それ以上にウィルスによって自由を奪われた人類が猛反発しワクチン接種が各国で続々と行われた。

それ程までに人類は自由に行動ができることを渇望していた。


ワクチンは功を奏し目に見えて感染者数が激減していき人類に漸く平穏が訪れた。

それも一時のものであった。

ウィルスは国や人種によって性質を変化させ1種のウィルスが何十型にも増加したのである。


製薬会社も国も世界もその事実に降参するしかないのかと、受け入れるしかないのかと諦めていた。

そんな風潮になりそうな時、日本のとあるベンチャー企業が別のアプローチによる対抗策を研究していた。


塩基配列自律変異型ナノマシン 通称:Adam


DNAに手を加えるという禁断の領域に手を出したあまりにも皮肉な名前である。

アダムは人間をDNA変異により、例えば脳の力を100%使用できたり、筋力の超増加をできたりとホモサピエンスの次の段階へ行く為の極秘研究作戦名であった。


日本を取り巻く国が軍拡拡大、国境逸脱、EEZへ挑発ともいえる航行に防衛相は核兵器や軍隊を持つことが許されないジレンマに耐えられなかった狂気とも言える研究開発である。


各大臣・事務次官のみがその企業の研究開発を知っており、現在のウィルス対策に使えるのではないかと、とある料亭で内閣総理大臣の鷹司 勝嘉と防衛大臣と厚生労働大臣、そして開発企業代表の4人で密かに会談を行っていた。


総理が口火を切った、


「実際どうなのかね、アダムはウィルスに効果はあるのかね?」


「かつさん、これはまだ研究開発段階で人体投与もまだしていませんよ」

「そ、そうですね、理論上各個人にあるDNA配列を変異させるってだけでどんな影響もあるかまだわかっていません。そうですよね?」


防衛大臣も厚生労働大臣も投与に対して否定的であったが、質問をされた社長は


「そうですね、人間への投与はまだ行っていませんが生命危機に対する活動結果は良好でした」


「おっ?そういう期待できる回答をまっていたんだよ。具体的にはどんな内容なんだ?」


「癌ウィルスをもつマウスに投与したところステージⅢまではなにも反応がありませんでしたがステージⅣになると生命への危機と判断し癌細胞の死滅へ行動をおこし見事に完治しました」


「!!!!!?それでは命の危険になる病気であった癌が克服できたということですか!!!?」


厚生労働大臣はあまりの出来事に思わず立ち上がってしまった。


「まぁまぁ、落ち着いて座ってくださいよ。そもそもそんなレベルが目標で開発したわけじゃないんですから。軍隊や核兵器が持てない我々が唯一対抗するためには個の能力を今の人間では到底得られない力を手に入れる為なんですから癌治療で満足するには目標が低すぎますよ?」


防衛大臣が落ち着かせるように話す、


「まぁまぁ、各々言いてぇ事はわかるがウィルスには希望があるって認識でいいんだよな?」


「はい総理。しかし現状ウィルスが体内に入った時点では機能しません。入った後生命の危機になって初めてアダムが行動を起こします。その為予防といえばそうなりますが感染を防ぐわけではありません。あくまで死ななくなるということです」


「いいじゃねえか、死なないだけでもありがたいと思ってもらわねえとな。全世界で見ても実際は1500万人以上死んでるみてぇじゃねえか。それに終止符を打てば昨今のユーラシア連邦の暴挙の結果次第も含めて俺らが常任理事国いるする絶好のタイミングともいえる」


ニヤリと口角をあげて人の悪そうな顔で言い放つ総理に


「ですがかつさん、実際効果があったとして今まで莫大な費用を投資しておいて全世界にアダムを配るんですか?下手したら各国に解析されて私たちの本当の目的が露見するリスクがありますよ?」


「お前の言いたいこたぁ分かる、確かにそのまま渡したら日本は損するだけでなく逆に益々弱い立場になる。だからだ!土方君、我らの目的がばれず且つ昨今のウィルスに対抗できるよう効果範囲を限定して作成することは可能かね?」


総理は、開発会社社長である土方 清十郎に問い


「そうだなぁ、今あるモデルをベースとして生命危機に陥った際にウィルスのみを破壊するという行動原理を組み込むだけならDNAを変更するわけじゃないから可能かなぁ」


飄々と軽い口調で土方は答えた

総理はバンッ!と扇子を閉じ


「それは重畳!ではそのように進めてくれ!アダムの情報だけは絶対他国にわたしてはならん!」


この密会を発端に半年後アダムの本来目的を秘匿し機能限定したアインを全世界に発表

ナノマシンという未知の領域接種ということもあり拒否する人が続出したが日本での接種率は60%を超え接種した人は感染するも死亡する人は一人も発生することなく徐々にその情報は世界へ流れ数年後にはウィルスは完全に終息した。

全世界が喜びにあふれている中、一人の男がオフィスで微笑んでいた。


「漸く人類は次の段階へ行ける…長年の夢だった世界を作れる」


その日を境にノーベル賞確定と言われた男、土方 清十郎は姿を消した。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ