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4話   ニキータのキス

 昼休みの終わりごろに、卓球場からでて、教室にメメは向かった。


 緑の廊下に鈍く映る自分と、駄弁る人たち。



 実習棟から渡り廊下で近道しようと、家庭科室を通る道を行くことにした。


 階段を上ると、人の気配があったが、気にせずに上り家庭科室を通った。


しかしやけに静かで、もう調理部の人たちも弁当を食べ終えて帰ったのかと思っていたのだが、戸が開いている。


通りながら、中を横目で覗くと、そこにはニキータの後ろ姿があった。


 まさか、と思ったが、誰かとキスをしている。


逆光で見えにくかったが、相手もスカートをはいている。


 ちゅっ、と唇が離れる音がして、横目で私の方を見ようと頭の向きが変わるのを気づいて、急いで渡り廊下の曲がり角まで少し大股で早歩きした。


 ことの流れが分からないまま、心臓は高鳴りして、気づいたら教室に着いていた。



 教室の黒板側の一番隅、入り口に自分の席がある。

 しばらく足をのばして座っていると、ニキータが戻ってきた。


 ニキータはメメを一瞥すると、自分の席にまっすぐ歩いて行った。


 途中でほかの机に脚をぶつけて、ガタッと大きな音をたてた。


後ろの席に座ってから左足首を抱えながら一呼吸。

 長い脚にまた一つあざを作るような場面をまざまざと見た。

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