黄色いサンタクロースと花火
黄色い帽子、黄色いマント、黄色いズボン、黄色いブーツ、これはサンタクロースの見習いの黄色いサンタクロースの姿です。まだトナカイのソリには乗せてもらえないので黄色い自転車に乗っています。世界中に黄色いサンタクロースは、194人います。12月のクリスマスだけでなく1年中働いています。つまり本物のサンタクロースになるために『よいこと』をするのが、黄色いサンタクロースのお仕事です。
たとえば誰かが贈り物をもらったときに「ありがとう」という感謝の言葉と気持ちが自然とわいてくるように…。
または誰かにめいわくをかけたときに「ごめんなさい」とすなおに言えるように…。みんなが、やさしくてあたたかい心をなくさないように…。
そのために『よいこと』をします。
黄色い帽子、黄色いマント、黄色いズボン、黄色いブーツ、これはサンタクロースの見習いの黄色いサンタクロースの姿です。まだトナカイのソリには乗せてもらえないので黄色い自転車に乗っています。世界中に黄色いサンタクロースは、194人います。12月のクリスマスだけでなく1年中働いています。つまり本物のサンタクロースになるために『よいこと』をするのが、黄色いサンタクロースのお仕事です。
たとえば誰かが贈り物をもらったときに「ありがとう」という感謝の言葉と気持ちが自然とわいてくるように…。
または誰かにめいわくをかけたときに「ごめんなさい」とすなおに言えるように…。みんなが、やさしくてあたたかい心をなくさないように…。
そのために『よいこと』をします。
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ある夏のはじめ、ある町では、花火屋さんが、いっしょうけんめいに花火を作っていました。今日の夜は、花火大会があるからです。町のみんなは、とても楽しみにしていました。
ところが、カミナリが落っこちて花火に火がつき、火事がおこりました。せっかく作った花火は、ぜんぶ燃えてしまいました。花火屋さんは、がっくりとうなだれて木の下で泣いていました。
そこへ黄色い自転車に乗った黄色いサンタクロースが通りかかりました。
「花火屋のおじさん、そんなにまっ黒になって、何があったのですか」
「花火が燃えてしまって…。今夜の花火大会ができない。みんなが、とても楽しみにしていたのに…」と言って、大つぶの涙を落としました。
「それでは、ぼくが、手伝いますから、いっしょに花火を作りましょう」
「ありがとう。でも、もう花火に入れる火薬がないんだ」
「そうですか。わかりました。火薬のかわりになるものをさがしてきましょう」
さっそく黄色いサンタクロースは、黄色い自転車のペダルをこいで町中を走りまわりました。いろんな店に行きましたが、火薬のかわりになるものは見つかりませんでした。さがしつかれて、自転車をおりてひいていると、いつしか一番星が出ていました。
「そうだ。よいことを思いついた」
黄色いサンタクロースは、黄色い自転車にまたがると、思いっきりペダルをこいで空へ駆けのぼっていきました。黄色い自転車は空を飛ぶこともできるのです。
夜の空へやってくると、そこには、星がいっぱい光っています。虫とりのアミで星をすくっては、大きなふくろにつめこんでいきます。どんどんふくろは、ふくらんでいきます。すると、だんだん空が暗くなってきました。空ぜんぶの星を集めると、ふくろは、とても重くなりました。
よろよろと自転車をこいで花火屋さんのところへもどってくると、すっかり夜になっていました。
「これで花火を作ってください」
黄色いサンタクロースは、ふくろからキラキラ光る星をとりだしました。花火屋さんは、それを丸い玉につめこんでいきます。次から次へ丸い玉の花火ができ、山になりました。
「ありがとう、黄色いサンタさん、これで今夜の花火大会ができるよ」
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その夜は、町中の人が家から外へ出て夜空を見つめていました。
「あれ、今夜は星が、ひとつもない」
「まっくらだけど花火大会は、できるのかな」
みんな心配して、わいわいがやがやと、しゃべっていました。
そのとき、ひゅるるるるるうんんん、と音がして、まっ黒い空に一本の光りのすじがのびていきました。ぱあかあああんんん、まばゆく光ると昼のように明るくなりました。たくさんの星が夜空にひろがって、美しい花を咲かせています。
次から次へ花火があがって、いままで見たこともないような美しい光りのお花畑が、生まれました。星の花火は、空一面にひろがって、消えることなく、そのまま夜空の星になりました。
やがて楽しい花火が終わると、そこには空いっぱいに星がかがやいていました。星のあかりの下を、みんなは笑顔で家へ帰っていきました。
花火屋さんは、大よろこび。お礼の気持ちを伝えようと黄色いサンタクロースに近づくと、木の下で、すやすやと眠っていました。
おしまい
やがて楽しい花火が終わると、そこには空いっぱいに星がかがやいていました。星のあかりの下を、みんなは笑顔で家へ帰っていきました。
花火屋さんは、大よろこび。お礼の気持ちを伝えようと黄色いサンタクロースに近づくと、木の下で、すやすやと眠っていました。
おしまい