あの娘の暴走 (と、あれこれ)
読んでいただいて、ありがとうございます。
この前感想を頂きました。超めっちゃ卍感謝です!
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「うっ」
全身に走る痛みにより、目覚める。
うっすら目を開けると、そこは既視感のある天井。日の入らない分厚そうなカーテンが見える。手も足も体全部が動かない上に、意識がボーッとする。既視感のあるこの場所をなんとかここか思い出すのに数秒を要した。
「…ここは、医務室…?」
「そうだよ、起きたかい?」
まさか返事がかえって来るなんて思わなかったから、とっさに声のする方向へ体を捻った。途端、
「痛っ」
「まだ動いちゃダメだよ。あんたたちの体はボロボロだったんだから。ほら寝た寝た」
全身の痛みを我慢し、顔だけでも向ける。そこには予想通り、医務室のチユ婆がいた。
痛みと共に思い出すのは、大鹿との戦い。それに破れる自分達。美紗と剛太郎は蹴飛ばされ、自分は大角に…
「美紗は!?剛太郎は!?一緒に居なかったですか!?」
「騒ぐんじゃないよ!傷が開くじゃないか!二人も無事だよ。別室で寝てる」
まったく、人様の言うことを聞きゃあしない、チユ婆の小言を耳にし、口を閉じるが脳は激しく動きっぱなしだ。
二人は無事だ。ならなぜ同じ病室じゃあない?大ケガを負っている?体が麻痺して、首から下が全然動く気がしない。そもそも五体満足なのか?何であの状態から生きているんだ?あのとき俺は北西地域にいたはず、ここからどんなに早い車でも、5時間はかかるはず。どうして今ここにいるんだ?
どうして、なぜ、そもそも、疑問が湧いて尽きない。そしてそれらのことについて1つも自力で解決できないもどかしさが彼を包んで、一つ解決策を見逃していた。
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はー、いい仕事した。適当に高純度回復薬をぶっかけて、医務室に放置。運搬時間が思いの外掛かったが、無事90万円を報酬として受け取れた。
現在時間は、明くる朝8:30
遅刻前提で学校に行ってもいいが、どうせ寝不足で授業中寝てしまうのは、目に見えてるので今日は休もう。
自分の家に着いた俺は、秒で寝た。
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同日夕方 某所 (学校)
つまらない学校の授業が終わり、昨日と同じようにあの教室に行くと、鍵がかかっていて開かない。
「これじゃあ教室改造出来ないじゃん!もうしょうがないなぁ♪」
彼女はあろうことか、ごそごそと制服のポケットから出した針金で、鍵を開け始めたではないか!
ガチャっと音がして解錠。そのまま流れる動きで、新たに手にしたドライバーを使い、引き戸錠を分解し始める。
今ここには、彼女一人。止められる人は居ない。
彼女の気の向くままに、空き教室は形を変えていく。
「指紋認証機能付けよっと♪」
彼女の名前は、最上可憐。非能力者。メカニック…ヒロイン?
感想、批評は胸に刺さるけど、お待ちしております。
メカニック可憐ちゃんは、暫定ヒロインです。