表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
邪道も王道もただの道  作者: 眠り人
4/9

人助け (学校外)

5/10(木)夕刻


一匠さんに呼び出された俺は、ダイナストの一室にいる。


「なんですか今日は。今週呼び出しが多いですよ」


「すまんな操也。臨時報酬を出すからひとつ仕事を頼まれてくれないか?」


「めんどくさ」

また仕事ですか?


「逆逆、本音と建前逆になってる」


おっとしまった。今日は精神的に疲れてるから思わず口が滑ってしまった。

何はともあれ、報酬次第だ。

取り合えず聞くポーズだけしといて、めんどそうならバックレよう。


「頼まれて欲しい仕事は、鹿狩りにでた人災級の3人を回収だ。北西地域に行かせたんだが、あそこは原発があったところだ。加えて数が多い」


なら何故人災級だけで行かせた!と言いたいが、口にしたら行かなければならない気がするので、黙って続きを促す。


「言いたいこともわかる。だが外界が危険だからと、常に天災級が着いていくと圧倒的に人手が足りない。だから準天災級が一人いるチームを向かわせたんだが、3日音沙汰がないんだ。私が直に向かいたいが、それは体面的によろしくない」


「だから天災級だけど目立たない俺が呼ばれた、と…」


ったく、神様も面倒なことするよな。動物たちの遺伝子を書き換え環境適応能力を高めるなんて。

加えて、北西地域は数も種類も多く神の魔力地から生き延びた強力な個体が数多くはびこっている。


大方、数の増えた鹿を殺すだけだと、たかをくくった阿呆共だろう。このあたりは比較的強くない動物が多いから、そこから来る油断、驕りが今回の結果を招いた。自業自得だな。


「知っての通り、数が少ない能力者たちだ。強かろうが弱かろうが、非能力者の希望であることに変わりない」


そう、能力者は数が多くない。といってもこの街では2000人程度だ。そこから純戦闘用能力持ちは800人程度、あとは6万人の非能力者。


「たかが鹿狩りと慢心していた奴らなんて、そもそも民衆の上に立つ資格なんて在りませんよ」


厳しいが現実だ。自分と相手の力量すら図れないのなら、今後外界では生きていけないだろう。

そこまで話したところで、予定調和のように一匠さんは肩をすくめた。


「ああ、現実を甘く見すぎている彼らには再教育が必要だろう。従って生きて帰ってきて欲しいんだ。だから、生存者1名につき、30万払おう。もし遺体であるなら、応相談だが」


あーやだやだ、この人でなし。人命を金で買おうとするなんて、最低だな。


二輪魔力駆動車(バイク)を一台。どうせ奴らは四輪魔力駆動車(バギー)で行ってるんでしょ?」


「彼らの狩り場予定がこれだ」


一匠さんから、阿呆共の顔写真と地図を受けとる。

金で動く俺が一番最低かな。

地図を確認。…今夜は徹夜コースかな?


※※※※※※※


この森に来て早3日経つ。順調に鹿を狩り終えて明日の朝に帰ろうと、キャンプ場で夕食を食べていたとき、ソイツは現れた。今日まで狩ってきた鹿とは一線を画する大きさ(サイズ)。速さ(スピード)。


まず、回復、防御担当の美沙がやられた。不意を突かれて蹴り飛ばされた。辛うじて息をしているが、それも長くは続く気配がしない。

格闘家の剛太郎が爆発拳で殴り、俺は聖剣で目の前の大鹿を切りつける。爆発音と輝く軌跡が胴体に向かっていくが、それを大鹿の毛皮が許さない。軽く脚を振るだけで、吹き飛ばされる。


「ぐはっ」「ぐっ」


たかが鹿1匹。されど鹿1匹。全力を持ってしてもまったく傷を追わせることが出来ない現実。現実を舐めすぎた彼らの末路。

悠々と歩み寄る高さ3メートルを越える大鹿は、その大き過ぎる角を振りかぶり、決着を着けようとした。


※※※※※※※


戦闘服に着替え、バイクに乗り早4時間。前世界は道路交通法があったらしいが、あったら確実に法に触れてしまうだろう速度で突っ走る。


「そろそろ何か見えてきて欲しいなぁ」


しばらく走ってると、煙が立ち込めているのを発見。

隊長!煙を発見しました。生存者の可能性あり!

了解!あと、10分ほどで到着する!

悲しすぎる一人軍隊をしながら、3人が生きている可能性を信じて、さらに魔力を込め加速する。




野営地とおぼしき場所に着くとあら不思議。テントはボロボロ、焚き火は蹴散らされ、かなり荒れ放題だった。


更に辺りを見渡すと居ましたわ。ボロッボロッのぼろ雑巾みたいになった3人組が。とりあえず、両の腕から垂らした水を増やし、3人組を1ヶ所に固めて、生きているか確認する。


「生きてる生きてる。90万円っ!」


俺は右の薬指を切って、深緑色の液体を3人に振りかける。

あら不思議。たちまち怪我が癒えていくではありませんか。

全員の呼吸が静かになり、安定したのでもう一度水で包み込む。


「よっこいしょ」


3人を包んだ水を抱えて、バイクに乗り込む。

行き先はダイナスト。安全運転で、大金を運びます。


現在時刻22時を回り始めたところ…





中途半端ですいません。


読みにくい、分からない等ありましたら、ご遠慮なくご指摘よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ