勝ち目0の戦い 前日
なぜ…………俺みたいな少年兵と日本人がこの世界に転生したんだ?
その夜、俺はほとんど寝ることが出来なかった、残りのメンバーは転生してきたのか、あの坂部 祐太はどこまで知っているのか、
どちらにせよ、今は情報が足りない、いずれ来るであろう冒険者にも備えなければならない。
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その頃ガンド国おう王城では…
「王よ、アルペン山の主は死んだようです。」
黒いローブに身に纏った男が言う。
「ほう、よくやったな、あやつは幾度と我の覇道を邪魔してきおったからな。」
この辛辣な笑みを浮かべながら喋る男が言う覇道とは、世界征服などではなく、自分の国を広げ 諸外国を経済的に潰すことだ、その上でアルペン山のダンジョンは地政学的にどうしても邪魔なのだ。
「しかし あのダンジョンに居たはずのガキ共が山を降りてきておりません。」
ダンジョンの主が死んだなら、食料を調達出来ず、山を降りてきいるはずなのだ。
「なら調査隊を派遣しろ。」
そうしてアルス達のダンジョンに総勢15名の調査隊が向かい始めた。
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ダンジョンの要塞化は思っていたより難航していた。
森から獣が出てきてそれにいちいち対応しなければならないのと、人員が子供とスケルトン数十体のため元々作業が遅いのだ。
しかしダンジョンに罠と奇襲が出てきるように縦穴を掘ることはできた。
「アルス、悪い知らせだ。 このダンジョンに向かって15名ほどの兵士がきてる。」
もう来たか、早いな、今の状態じゃ勝ち目なんてない、なんとか勝てても大半が死ぬだろう、相手はおそらく正規兵、そんなのを相手にしたらたまったものじゃない。仕方ない、みんなには苦渋の決断をさせることになるが、主との子供達を守るという約束を守るためだ。
「なあ坂部、俺はこのダンジョンを捨てようと思う、今の状態じゃ勝ち目なんてない。」
「アルスもそう思うか?俺も同じだ、戦えるのはアルスぐらいだろう…情けない話だ。」
申し訳無さそうに話す。
「普通は戦えない、だから気にするな。俺がもっと強ければな。」
みんなを集めて話を切り出す。
「なぁみんな、今ここに兵士が迫ってるが逃げ切れると思うか?」
一番の懸念を話す。
「おいちょっと待て、それは聞いてない。それはどういうことだ?。」
坂部が聞き返してくる。
「そのままの意味だよ、どれだけ頑張って逃げても一度見つかればすぐに捕まるだろう。
そうだいいことを思いついた、俺の前世の経歴と経験を使おう、だから俺は残る。」
スケルトンを総動員すれば一日ぐらいは粘れるだろう…そう思いついたのだ。
「待ってよ、それじゃアルスが死んでしまうんじゃ?それに前世って?」
アミヤに突かれたくなかった所を突かれる、アミヤが言わなければみんな気付かずに逃げてくれただろう。
アミヤのせいでみんなが俺を見る、仕方ない今のうちに全てを話しておくか。
「俺は元少年兵だ、だからこそ俺は残る。」
みんなが驚いたようにこっちを見ている。
「エルダ、みんなを頼む。」
坂部が覚悟を決めたように頷く。
(坂部、みんなを頼んだぞ…)
「みんな、俺達は今日の夜中に出発する、食うもん食ってすぐに寝ろ、アルス…すまない。」
「ちょっと待ってよ、みんなはアルスだけを残していっていいの?」
「アミヤ、アルスの覚悟を無駄にする気か?第一この中で誰が兵士相手に戦える?」
アミヤが黙り込む、他のメンバーも何も言わない、みんなわかっていたのだ
獣を一太刀で叩き切れるアルス以外に兵士相手に戦える人間はいないことを。
次回から勝ち目0の戦いが始まります。スケルトンは細かい作業が苦手なんです、手が骨でずっとカタカタと揺れてますからね。




