部隊
分離小型艇収容完了。
ひげもじゃ「かつての戦場にようこそ」
康介「ビコーズ、戻りたくて戻ったんじゃない」
《ピピピ》
ビコーズ「・・ベータチームを追っていたパトカーが追跡を中止」
康介「よし、アルファからベータへ、聞こえるか?」
ベータリーダー〈ああ・・あんたか・・戻ってきたのか〉 渋い男の野太い声。
康介「無駄口はよそう、ウルフ、潜水小型艇が5台、お前らを迎えに行ってる、それに乗りメシア (巨大潜水艦) と合流したら最速でお前達を北と漁師の合流地点へ運んでくれる」
ウルフ〈了解・・なあ?・・〉
康介「ん?」
ウルフ〈何故今更現場に?〉
康介「・・ビコーズを通していたんじゃ間に合わない事案が発生したからだ、以下でも以上もない、タイムラグ無しで命令出来る環境はここしかないからな」
ウルフ〈・・ああ・・分かった、恋人か?〉
康介「な!?」
ウルフ〈ふ、仕事に逃げたくなる気質変わってないな、そんなんじゃいつまでも〉
康介「・・口を慎めよクズ」
ウルフ〈おっと、すいませんボス〉
ビコーズ「港に入った」
ベータ班達《ははは・・〈見えてきました〉〈お迎えだ〉》
康介「・・急げ、いつものようにトラブルだ、いつものように効率効率効率だ」
ベータ班《了解》
ウルフ〈・・了解〉
ベータ班はバイクを止め、降り、港の端に行く。
時計型スマホを操作。
《ザバアアアアアアアア・・ビチャビチャ・・》 5台の小型艇が浮上、現れた。
《プシュウウウ、ガチャコン、カチャカチャ・・》 それぞれ扉が開き、ハシゴがかかる。
康介「天然痘は恐るべきウイルスだ、絶対に海にもどこにも放出させてはならん、現在監視ドローンを向かわせている、その情報を元に、速やかに圧殺し、ウイルス確保、できれば漁師達にも話を訊きたい」
ベータ班《了解》 《ザブン、ボコボコ・・シュイイイイイイイイ・・》 沖合に移動。
康介「・・後は随時の情報次第か・・」
ビコーズ「・・ボス」
康介「ん?」
ビコーズ「その・・恋人の件ですが・・」
康介「何だお前まで」
ビコーズ「いえいえ!そういうんじゃなくてですね・・その・・いい事だと思って、へへ」
康介「・・そうか・・」
ビコーズ「私は生涯ネットオタクでありましたから、その・・ボスには幸せにへへなって貰いたくて」
康介「お前がそのオタクだからこそ救えてる命が沢山ある、それこそ戦争並の人数をな、お前は英雄だ」
ビコーズ「あの日、貴方が私を誘ってくれたあの日、この人となら、英雄になれる・・そう思ったんです」
康介「お前はもう英雄だ、ビコーズ、年老いてなお・・な」
ビコーズ「はい、貴方のお陰ですボス」
康介「さって・・コーヒーあるか?」
ビコーズ「へへ・・たんまりありますよ・・どれがいいですか?豆から?インスタント?」
康介「インスタントでいいよ、豆からのは濃すぎて腹を下す」
ビコーズ「普段から飲んでないからですよ、お金持ちなんだし、もう少し生活にゆとりを持たせたらどうです?」」
〈コポコポ・・〉 お湯注ぐ。
ビコーズ「どうぞ・・」
康介「早いな・・ありがとう」 受け取る。
ビコーズ「私はインスタントが好きなんで、配合はお手のモンでさ」
康介「はは・・そうか〈ズズ〉うん美味しい」
ビコーズ「へへ・・後1分でメシアと合流」
2人とも画面を睨む。
《チャプチャプ・・》
静かな夜の海。
石川県沖合。
一般漁船が漁をしている。
漁師1「おーいどうだあ?」 《ドッドッドッド・・》エンジンを響かせ隣の漁船に無線で話しかける。
漁師2「駄目だなあ!全くいねえ!」
漁師1「うーん、ここ最近好調だったんになあ!」
漁師2「拠点変えてみっかあ?」
漁師1「おう!そうすっかあ!」
漁師2「な!?なんじゃこりゃあ!?」
漁師1「ん~?どうしたあ?」
漁師2「センサーさ見てみい!センサー!」
漁師1「ん~?」 見ると、魚の大群が一斉に沖合から逃げてきていた。
漁師2「こりゃあ、たまげたあ!大群じゃあ!」
漁師1「なしてこんな・・」 そうまるで・・。
漁師2「でっかい鯨でもでたんかのお!」
漁師1「そんでこんなに?今まで鯨の捕鯨にも何度か立ち会ったがこんな事は・・それに何も見えんし、センサーにも追ってる影はおらんぞお?」
漁師2「そんな事知るかい!とにかく網投げえ!」
《ザザアアアア・・》
漁師1「・・何かおる・・下に・・何かおるぞ・・」
漁師2「・・」 驚いている。
2つの漁船は大型漁船。
1つの漁船には10人程乗っていた。
部下達も騒ぎ出す。
漁師2「・・」 センサーには何も映らない、が・・、確かに人間のセンサーが反応する。
漁師1「全員動くな!黙ってろ!」
大人しくなる部下達。
《ザザザアアアアアアアアア・・》 巨大過ぎる何かが漁船の下を沖合から通り過ぎていく。
漁船達『・・』
ビコーズ「収容します・・完了・・海流に乗り、一番効率、検索、特定、十分間に合います」
康介「ベータ班、その潜水艦ではデカすぎる、小型輸送飛行機で空から現着、降下し、特殊ダイバースーツで漁船に接近、圧殺せよ、後はその艦長に指示するからそれに従え」
ベータ班《了解》
メシアが沖に引き返す。
《ザザアアアアアアアア》
漁師達『おおおお?ざわざわざわ』 揺れる漁船。渦が巻き、回る漁船。
《ザザアアアアアアアア・・・・・・チャプチャプ・・》 静かになった。
漁師1「これが伝説の・・海坊主・・」
漁師2「海坊主・・間違いねえ・・海坊主だ・・潜水艦ならレーダーに映る筈だ」
部下達『《ゴクリ》』
その夜の事はいつまでも漁師達の間で語り継がれたという。
康介「艦長・・お久しく」
AI〈おお・・康介くん・・久しいのお・・元気しとったか?〉
康介「はい、お陰様で」
AI〈どうして現場復帰を?あの事件以来君はー〉
康介「今は現場を優先です艦長、ルート確認と、輸送機の準備と、特殊ダイバースーツを人数分お願いします」
AI〈はいはい、分かっている、しかし、それくらい朝飯前だ、これくらいの会話、いいじゃないか?〉
康介「・・それについては話したくありません」
AI〈女かな?〉
康介「・・艦長・・」
AI〈当たった!ははは・・そうかそうか・・しかし・・君もいい大人なんだ、そろそろ結婚してもいい歳じゃないか〉
康介「・・」
AI〈人間の一生はあまりにも短い、短すぎる・・だからこそ尊いのだがな〉
康介「・・はい」
AI〈時間の有限を思い知ったとき、人は絶望する、しかし大切なのはその後だ、君はとっくに有限に絶望し学んだ〉
康介「・・はい」
AI〈大切にしなさい、その人との時間を、君はその時間の貴重さが分かる筈だ、そうだろう?〉
康介「・・はい、博士」
AI〈ははは・・懐かしい響きだ・・しかし、今はただの艦長だよ〉
康介「・・はい、艦長」
AI〈それでは輸送機発艦と同時に信号を送る、宜しいかな?〉
康介「宜しくお願いします」
AI〈では、AIに戻すとしよう、さらばだ〉
康介「はい、おやすみなさい艦長」
AI〈おはようございますボス〉 優しい事務的な男の声。
康介「ああ、おはようモニカ〉
モニカ〈早速、準備に入ります、この調子ですと・・あと1時間46分後に輸送機を発艦します〉
康介「宜しい、では皆に休憩だと伝えてくれ俺も寝る」
モニカ〈了解〉
康介「うーん、うーん・・」
夢を見ていた。
若い頃の康介。
小さい頃から洞察力が優れすぎていた。
幼稚園の時に、友達の家に遊びに行った時に、友人の母親の浮気を皆の前で無邪気に暴露。
悪気はなかった。
その夜、友達の家で殺人事件が起こった。
人間の感情を考慮に入れなければならい事を痛感した事件だった。
小学校入学。
授業初日にして、高校の数学を理解していた。
授業がたまらなく退屈だった。
当然、周囲から孤立。
いじめられた。
小学3年生。
特別に図書室で一人学習していい許可が出た。
皆が授業している時に、大学の問題を図書室で解いていた時、ある大人が図書室に入って来た。
大人は言った。
???「君にぴったりな学校があるんだけど・・行ってみないか?」
日本の長野県だった。
川をボートで渡り、山の中を歩いた。
山奥。
小さな村の集落だった。
そこに場違いな大きな宮殿が建っていた。
???「今日からここが君の家だよ」
そこには色々な子供がいた。
黙ってる奴。
何かぶつぶつ言ってる奴。
腕をくねくねし続ける奴。
まともな奴は珍しいと言われた。
康介は特別扱いされた。
他の子供は外出は出来ないが、康介は近くまでなら散歩出来た。
他の子供はそれぞれ特別な能力を持っていた。
ある子供は計算が。
ある子供は記憶力が。
ある子供は洞察力が。
康介はどの子供より優れていた。
脳科学者が現れ、康介の脳波、MRI等を研究して行った。
普通の脳よりもニューロンやシナプスの値が多い事以外は分からなかった。
しかし、ある日、やはり、他の子供達と同じように代償が見つかる。
小学4年。
サッカーを施設の大人とやってる時だった。
あまり全力で走ろうとすると必ずこけるのだ。
不審に思った大人達は詳しい検査をした。
運動神経発達障害。
三半規管が普通とは異なっていた。
脊髄から伸びる神経もあまり広がりを見せない。
康介はあまり激しい運動が出来ない体である事が判明したのだ。
しかし、普通に歩く、走る等は出来、生活に支障はないレベルだった。
小学5年。
物理学、生物学、生理学、神経学、脳科学、帝王学、、風水学、等など、幅が広がっていった。
それぞれの分野で教える教師達と同レベルになるまでにあと4年あれば可能だろうと言われていた。
3年で達成した。
中学2年生であるべき歳。
勉強にも熱が入り、どんどん加速していった。が、ある日机で倒れた。
頭が発熱し、鼻血が出た。
脳のオーバーヒートだった。
大人達はこれからは休憩するだろうと思ったが、康介は療養中に注意されながらこっそり何かを作り始めた。
PC冷却ファンを改造した、頭冷却ファンだった。
月日が立ち、康介は突然立ち上がる。
大人達はいつもの事だと思った。
茫然とし、自然を見る。そんな振る舞いが多くなった。
ある日の食事が終わった午後。
庭で一人木を見上げてる康介。
気になった女性が訊いてみた。
大人1「何を見てるの?」
康介「葉っぱ」
大人1「葉っぱがどうかしたの?」
康介「葉っぱって何でこんな仕組みに進化したんだろう?」
大人1「・・さ、さあ・・」
康介「何で自然って循環してるの?」
大人1「・・ん~~~」
康介「まるで魔法みたいに全ては一つだよね」 目をキラキラ輝かせる。
大人1「・・」
康介「この広い宇宙で、こんなに生物がいて、こんなに弱肉強食なのに、広い視野で見ると、弱肉強食の仕組み自体が、協力関係だなんて、凄くない?」
大人1「・・」
康介「全部、全部、一つなんだ・・とても敵わないや・・」
大人1「敵わない?誰に?」
康介「神様」〈ニコ〉 庭から建物に走って戻ってしまった。
大人1「・・」
人は行き着く。
康介は着いてしまった。中学2年の歳で。
凡人も行き着く。
しかし、それはスピリチュアル観点を磨いていった哲学である。
天才は違う。
科学的観点から悟る。
神様には敵わない。
この言葉の重みは、同じ天才しか分からない。
大人1「・・凄い・・この子は世界を変えるかも知れない・・」
大人達はその夜から、社会勉強を康介に教え始めた。
SEX、恋愛、赤ん坊、育て方、遊び、喧嘩、法律、戦争。
康介は時々泣きながら講義を受けた。
中学3年終わり、経済学に着手。
てっとり早く教育出来るシステム、それが、株だった。
為替、株、これらの仕組みを実際に大人達と一緒に学んだ。
その夜から康介から大人達に提案があった。
作業に入りたいから暫く一人で学びたい、と。
許可を得て、康介は一人、広い体育館の広さの建物を使い、何かしていた。
大人達にPCの機材をとにかく何でも欲しがった。
時には培養液、でんぷん粉、Ph攪拌計測機、等。
食事は扉の前に置かれ、一日一食しか食べなかった。
2年が過ぎた。
最期の日の夜、体育館は溶接の光が漏れていた。
翌朝。
大人達は体育館の中に招待された。
大人達『「これは・・」「なんなんだこれは」「信じられない」』
体育館いっぱいに並べられた機材の数々、その中央にバスケットボール並みの箱があった。
それは全て金属でできており、所々溶接されていた。
隙間から中が見えた、チップの塊?に見える。
大人1「この・・キューブは何?」
康介「ロボット」
大人達『「ロボット?」「まさかAI?」「まさか・・」「AIなのか?」』
康介「電気がなくても成長出来る、納豆菌で出来たAI回路だよ、常温であれば保管可能だよ」
大人達『ざわざわ・・』
康介「微弱な電気を流すと動くんだ、見てて・・」キューブを四角い枠に入れる。 〈パチ、パチ〉〈ウウウ・・〉 スイッチを入れたら、キューブの中がうっすら光る。
康介「まだ言語は話せないけど、音声は拾ってるから聞こえてる筈だよ、おはよう、・・モニカ」
〈ウウ、ウウウ、ウ、ウ〉キューブの中が点滅。
大人達『ざわざわ・・』
大人1「これを使って・・何するの?」
康介「株!」
ビコーズ「時間です、ボス、ボス・・時間ですボス」 揺り起こす。
康介「お・・おお・・そうか・・」 起きる。
ビコーズ「まだ5分時間あります、どうぞ」 コーヒー。
康介「ありがとう・・〈ズズ〉苦い・・」
ビコーズ「ははは、わざとですよ、良い眠気払いでしょう?」
康介「ああ・・〈ズズ〉」
モニカ〈発艦1分前〉
康介「全員輸送機に乗ったか?」
ベータ班《乗った》
康介「よし、全て順調だ、ドローンの情報も予定と変わらん、このままいくぞ」
ベータ班《了解》
モニカ〈9、8、7、6、5、4、〉
浮上したメシアの後部が開き、その中から巨大な大砲が2本起き上がる。
モニカ〈発艦〉
〈ボオオン、ボオオン〉 撃った。
〈ヒュウウウウウウン・・〉2機の小型輸送機が弾丸の格好になっている。
〈ピピピ〉高度2キロに達した。
〈ウイイイイイイイイイイン、カシャン、カシュ!〉 飛行機の格好に変形。
〈イイイイイイイイイイイ、ボシュウウ・・〉 エンジン始動。
3人と2人に別れ、それぞれ乗っている。
康介「たった今北と漁師が合流、真上まで30秒前、エンジン停止、滑空モード起動」
《シュン、ボボ・・》 エンジン停止。 《カチカチ》翼が少し変形。《ヒョオオオオ》無音飛行。
現場から100m。到着、高度2m。
康介「降下」
《パ》席の部分の下に穴が開き、《ボジャン》小石並の音で降下。
《フワア》 降ろした後、輸送機は暫くふわふわ滑空した後、《パシャシャシャアアアアアア・・》静かに着水。
康介「特殊ダイバースーツ起動、現着し、圧殺せよ、現場の敵配置は今送る」
ビコーズ「ほいよ」《カチャカチャ・・タタン》
《ウウウウ》特殊ダイバースーツ起動。
肘、膝、足裏に小型、背中に大型のスクリューがついている。
ヘルメットは海水から酸素だけを取り込める素材を使用。
よって酸素ボンベは要らない。
以前の任務ではもし、地元の人間に見つかった時に、言い訳出来るようにしておく為だった。
漁師「これでこっちのは全部だ、後1船だな」
北「早く終わらそう」
漁師「へ~い・・」
北「ああ!なんだ、その態度は?」 言い争う。
漁師「・・まあまあ・・はは・・」
漁師側。〈チャポ〉部隊が到着。
北側。〈チャポ〉
康介「今夜は満月に近い、慎重になリアルタイムで空から映像を送ってる参考にしろ、取引が終わった漁師船からだ、では開始」
北の船6隻。
漁師船3隻。
〈コンコン〉 船首の方から何か音がする。
漁師2「?」 銃を構え見に行く。
覗くが何もいない。
漁師2「・・」〈プシュ〉 少し離れた場所から針を打ち出す。水中銃。
漁師2「う!?」〈グラアア・・〉海に倒れ、水面に落ちる瞬間 《ザパ》 もう一人がキャッチ〈チャポ〉静かに片付けた。
そして見張りが空いた場所から上がり、潜入。
注射器で次々仕留めて行く。
漁師側2船目・・完了。
康介「漁師側3船目は今取り引き中だから放っとけ、北の西にいるあのあくび野郎の船からいけ」
北船、〈プシュ〉〈ポシャ〉見張り空き完了。潜入。
皆せっせと運んでいる。
ベータ班〈こちら北の船制圧完了荷物無し、2つ目に移る〉
康介「了解」
漁師側「これで全部だ」
北「ごくろさん、また、たのむ」
漁師1「はいはいお疲れ」
漁師1「ん?どした?」
漁師2「あの、他の船との連絡が取れないんです」
漁師1「ああ?何で?」
漁師2「知りませんよ!無線にも出ないし、見張りがいないみたいなんです」
漁師1「そんな馬鹿な」
ベータ班〈北側制圧完了、荷物はこの1雙に詰め込まれていた〉
康介「数は間違いないか?」
ベータ班〈今数えてる・・・・ああ間違いない〉
康介「ご苦労・・後は全員を拘束、海上保安に証拠ありで引き渡す」
ベータ班〈最期の漁師の船は?〉
康介「なあに、抵抗する気など起こらんさ」
漁師達『ざわざわ』
漁師1「近づけろ、何であんなに離れてんだ?」
漁師達「あ!あれ!」
漁師1「あん?・・あ!?」 見ると北側の船、取り引きした船に5人の黒い影。
漁師1「そうか・・てめえらかあ!取り引きを台無しにしたのはあ!」〈ジャギ〉 構える。
《グラグラ・・》
漁師1「ああ?」海が、船が揺れる。
《ザバアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア・・ボチャボチャ・・》
漁師達『ひいいいいいいいいいいいいい!!?』
氷山の一角の巨大な潜水艦が5人の後ろ側に現れ《ウウウウウウウウウガゴン》砲台を漁師達に向ける。
モニカ〈抵抗しないでください、抵抗すれば撃ちます〉 アナウンス。
漁師達は武器を放り投げ、座り込んだ。
康介「残党を拘束後、速やかに離脱、残り16分で海上保安庁の偵察ヘリが現着する」
ベータ班《了解》
翌朝。
5時。
眠い目を無理やり起こしながら着替えていた。
〈ピロン〉
染衣からメール。
染衣〈今晩もお仕事ですか?〉
康介〈・・いいえ、今の所は〉
染衣〈じゃあ20時にはっとんでどうですか?〉
康介「(ええ・・面倒臭いなあ・・今日は休みたい・・)」とは思ったものの・・。
{艦長「君は知ってるだろう?その時間の貴重さを」}
康介「・・」〈分かりました、いいですね〉
染衣〈じゃあ、楽しみにしています、あ!ちゃんとチェス持ってきますよ、では〉
康介「・・はあ・・」 靴を履き、玄関鏡を覗き込み、覇気がない目を作る。
康介「今日は平和でありますように」〈ガチャ・・パタン〉