応援
翌朝、染衣は驚愕する事になった。
染衣「嘘・・どうして?」 自宅でシャワーを浴び終えた。
弁護士事務所のウォシュレットを使って洗い、ノーパンで帰宅していた。
朝になれば窓ガラスで大騒ぎだろう、そうなれば、恥をかく。
彼女にとって、危険より、恥を晒す方が死に近かった。
アナウンサー〈ヤクザ花菱会と、そのお抱え弁護士と噂されていた田渕明弁護士が共に事務所で、共謀していたという証拠と共に死体で発見されたと、警察の発表がありました、警察はこの事件を一連のヤクザ同士の抗争と見ているとの事です、なお、この事件での一般人への被害は無かったとの事です・・この事件は花菱会会長、花菱鉄男の息子、花菱銀次容疑者の明後日行われる裁判を利用し、引き受けなければ殺す等と、数多くの弁護士に圧力をかけていたと分かっています、警察の調べでは・・〉
染衣「・・何で?・・どうして?」 茫然自失。
しかし、これでもう襲われる心配はないのだと思うと、安心したのか急に眠くなった。
染衣「・・」 着替え、部屋を出て、ベッドに倒れた。
朝10時。
〈ピンポーン、ピンポーン〉
染井の有人マンションのチャイムが鳴らされる。
染井は起きた。
警察と、田中だった。
玄関解除し、中に入れた。
部屋の玄関を開けるなり〈ガバ〉いきなり抱きついてきた。
田中「先生~良かった!本当に良かった~!」
染衣「よしよし、ごめんね?心配かけたね?」
菅野警部「ごっほん、少しお話宜しいですか」
女性刑事「同行しますので」
染衣「はい・・、でも・・田中さんは外で待ってて」
田中「え~!どうしてですか?」
菅野「ごおっほん!、関係者以外に事件の詳細はー」
田中「はいはーい」 玄関から出て行った。
菅野「・・あ~まあいい・・お話聞かせて貰いますよ?上がっても?」
染衣「どうぞ」
一部始終を余すことなく話した。
菅野「なる程~・・では2人いた訳ですね?」
染衣「はい、でも声は一人しか聞いてないです」
菅野「どんな声でした?その・・落とされた方は」」
染衣「しゃがれた高い声でした、品の良い声とは程遠い感じの」
菅野「もう一人は状況から察するに、あなたを助けた、そう感じられるのですが如何ですか?」
染衣「・・確かにそう感じました」
菅野「匂い等はしませんでした?例えば油、煙草、何かの料理、香水、カビ、辛い、甘い等」
染衣「・・・・いいえ、しませんでした」
菅野「・・そうですか・・では、この事を誰かに相談とかされました?」
染衣「相談?まさか!しませんよ、誰にーハ!」 思い出したような仕草。
女刑事と顔を見合わせる菅野。
菅野「どうしました?」
女刑事「どんな些細な事でもいいんです、教えてください」
染衣「いえ・・でも・・そんなたいした事ではないんですが・・」
マンションのエレベーターを降りる。
菅野「・・また、あいつか・・」
女刑事「また?とは?」
菅野「・・」
女刑事「ちょっと、気になるじゃないですか!?その船場っていう男はこの件には無関係だと思いますが?」
菅野「・・」
女刑事「菅野さんってば!」
菅野「お前先帰れ」
女刑事「はあ?菅野さんは?」
菅野「おらあ、ちょっくら用事だ」
女刑事「知りませんよ?部長から怒られますよ?」
菅野「それからな・・」
女刑事「はい?」
菅野「船場には近づくな」
女刑事「・・はあ?・・ふふ何ですかそれ、ドラマの見過ぎですって」
菅野「はあ・・そうだな・・お前、結婚願望あるか?」
女刑事「え?そ、そりゃまあ・・人並みに?」 赤らめる。
菅野「早死にしたくなかったら絶対に船場絡みの事件は追うな、命令されても適当にサボれ」
女刑事「・・まじですか?」
菅野「ああ、大真面目だ、いいか、絶対に追うな、良い嫁さんになるんだろ?じゃあな」
別れた。
染衣「・・」 刑事の反応からして、船場は相当事件に巻き込まれているようだった。
染衣「あの人が助けてくれたの?」 状況を思い返す。
染衣「絶対に無理、あんなヒョロイ体で、ヤクザの殺し屋を抱えて、窓ガラスを割ってトラックの上に着地するなんて・・無理・・とは・・思う・・思うけれど・・何なの?どうしても無関係とは思えない・・ヤクザはその日の晩にやってきた、つまり関係者は絞られる、その中で頼りになるのはー」
〈トントン〉 チェスの駒を指差す指、片手で隠した顔、うっすら笑う口元。
染衣「あの人だ、絶対にあの人だ、私を助けてくれた・・知り合って間もないあたしなんかの為に・・」
状況は確かに不可能。
しかし、女の直感が囁く。絶対に間違いないと。
スマホを取り出し、康介に電話。
暫く出なかったが・・。
康介〈はい?〉
染衣「あの・・染衣ですが・・」
康介〈はあ・・〉
染衣「今日会えないでしょうか?」
康介〈はあ・・いいですけど・・どうしたんですか突然?昨日は忘れろって〉
染衣「・・駄目でしょうか?」
康介〈・・分かりました・・いいですよ〉
染衣「ああ、ありがとうございます、じゃ、今会社ですよね?」
康介〈はい〉
染衣「駅前の高級の方のフレンチありますよね?そこで今晩20時にどうですか?」
康介〈え・・その・・お恥ずかしい話、そういう場所には縁がなくて・・マナーも何も・・〉
染衣「大丈夫です、初心者用のテーブルがありますから、箸が使えます」
康介〈ああ、そうなんですか・・じゃあ・・行きます〉
染衣「待ってます、では失礼します」
〈ソワソワ〉
染衣「よ、ようし!うんとお洒落して行かなくっちゃ!ええっと、大変!エステ予約終わっちゃう!」
康介「・・」
菅野「こんばんは」
会社の玄関で待っていた。
康介「・・(後ろのベンチの女・・男だな・・あの記者か・・はあ・・)」
菅野「少し宜しいですかな?」
康介「はあ、少しだけなら・・」
菅野「おや・・誰かと待ち合わせでも?」
康介「ええまあ・・」
菅野「奥さん・・いらっしゃいますよね?」
康介「いいえ?いませんが?」
菅野「おやあ?おかしいですね?新田って男知ってますよね?その男に奥さんの話しましたよね?」
康介「いいえ?何の事でしょうか?」
菅野「ペンダント」
康介「・・」
菅野「見せましたよね?あの犯人達にも・・数多くの証言が得られてるんですが・・」
康介「ではその証言とやらのボイスレコーダーか本人達を連れて来て、防犯カメラの映像と比較させてください」
菅野「・・どっちなんですか?見せたのか?見せなかったのか?」
康介「ああ・・もしかしてこれの事ですか?」 ロケットペンダントを取り出す。
菅野、新田『!!?』
菅野「それちょっと見せて貰えませんかね?」
康介「ええ・いいですが・・」 渡す。
菅野「・・」開く、押す、閉じる、特に変わった事はない。
菅野「これを奥さんだと言った理由は?」
康介「・・お恥ずかしい・・話しになりますが、長年女気がないと、妄想的な奥さんと申しますか・・」
菅野「ああ~・・」 上手い言い訳だった。また逃げられるそう思った叫びだった。
新田「・・(負けんな!頑張れ菅野!)」
菅野「・・では・・奥さんってのは嘘だとお認めになるんですね?」
康介「だって言えますか?この人誰と聞かれて、妄想の人だなんて」
菅野「まあ・・確かに・・」
新田「(おおいい・・)」
康介「・・もういいですか?返してください」
菅野「あ、いや、こりゃ失礼」 返した。
康介「じゃあ・・失礼します」
菅野「最後に二つだけ!」
康介「はあ・・なんでしょう?」
菅野「あなた・・あんまり事件に巻き込まれ過ぎじゃないですか?今回だって」
康介「あの銀行強盗は偶然ですし、その前の駐車場もたまたま友人が巻き込まれただけですが?」
菅野「(ちい)」 今回だって、そう言えば何か口を滑らせる、そう思ったが、上手い。
菅野「じゃあ・・後一つだけ・・」
康介「はあ・・何ですか?」
菅野「・・てめえ・・一体何モンだ?」
〈ヒュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ・・〉
新田「〈ゴクリ〉」
康介「何モンって・・ただのサラリーマンですが?」
菅野「それにしちゃあ、金持ってるじゃねえか、ええ?」
康介「信じられない・・そんな事勝手に調べて良いんですか?」
菅野「いいんだよ!怪しい奴はな」
康介「酷い・・僕は・・巻き込まれているだけなのに・・そんな・・うう・・ううう」
菅野「・・ちょ・・おいおい・・悪かった・・おい・・泣くな、ちょ」
新田「・・」
少し離れたベンチ。
菅野「悪かった、どうやら、俺の思い違いだったようだ、しかし、何であんなに稼いでるのに、あんな安アパートで?・・いや・・ただの世間話だ、な?」
康介「はあ・・株というのは一気に大金を失うリスクがありますので、念の為という事と、僕あのアパート気に入ってるんです、コンビニ、スーパー、会社からも近いし・・」
菅野「そうか・・いや、色々悪かったな、そうだ、待ち合わせなんだろ?早く行ってやんな」
康介「はあ・・では、失礼します」
菅野「おう!悪かったな!」 別れた。
新田「ちょっと菅野警部!騙されちゃうんですか?あの男はー」
菅野「本当に見たのか?ペンダント押し込む所」
新田「ええ!間違いありませんよ!俺視力両目2.0ですよ?」
菅野「・・たいしたモンだ」
新田「え?」
菅野「お前の話が本当だとするなら・・あいつはわざわざ偽のペンダントを用意し、持ち歩いてる事になる、それに・・言い訳も完璧ときたもんだ」 〈ジュボ〉煙草。
新田「手を引けって言いたいんですか?」
菅野「お前にそんな事言ったんじゃ火に油だ」
新田「だったらあいつの事もっと入念に調べてくださいよ~」
菅野「調べた」
新田「え?」
菅野「調べてこの様だ」
新田「そ、そんな・・天下の警視庁が?コロンボが?負けるんですか?」
菅野「ああ・・完敗だ、ここまではな・・」
新田「おお?じゃあ・・」
菅野「ただし、こっちからは仕掛けない」
新田「ええ?じゃあ、ミスが出るまで待ってろと?」
菅野「その通り」
新田「そんなあ・・」
菅野「あいつらと悪者達のドンパチに巻き込まれたいのか?ハッキリ言って、SATレベルじゃ歯が立たんぞ」
新田「(ゴクリ〉は!逆に燃えるってモンです」
菅野「ば~か、こういう時はな、蛇になるんだよ・・じ~っと待つのさ、じ~っとな」
新田「・・本気になってくれるって事ですか?」
菅野「ああ・・あいつはまかしとけ、だからお前は手を引けとは言わんが、無茶する時は必ず俺に連絡入れろ、分かったな?」
新田「は、はい!分っかりました!へへ」
菅野「・・」〈フウウ・・〉 煙が横に流れる。
菅野「(とんでもない化物かもしれん・・俺も年貢の収めどき・・なのかい?)」 空を見上げる。
フレンチ店内。
染衣「今日は来ていただきありがとうございます」
康介「いえ・・本当にいいんですか?奢りだなんて、ここ高いんでは?」
染衣「あはは、気にしないでくださいこれはお礼なんですから」
康介「お礼?何の事ですか?」
染衣「・・」頬を赤らめる。
染衣「さ!まずは前菜から、お箸でどうぞ」
康介「じゃあ・・いただきます」 食べた。
染衣「・・どうですか?」
康介「うん、美味しいです、こんな美味しいサラダ食べたの初めてです」 食べる。食べる。
染衣「そうですかあ、良かったあ」 優しく微笑む。
康介「・・」 見とれる。
染衣「?何か?」
康介「あ・・あ、いえ・・何でも・・」 食べる、食べる。
染衣「ふふまだまだ料理が運ばれて来ますから、あんまり全部食べない方が良いですよ?飾りっぽいものは残していいんです」
康介「あ、そうなんですか・・しかし・・残すのも忍びないです」
染衣「まあ、食べ物を粗末に出来ない方なんですね、でもここでは、世間のマナーよりも、料理人へのマナーの方が大事なんですよ?」
康介「あ、そうか、一通りの皿を食べないと失礼なんですよね?」
染衣「ふふそうですね」
康介「あ、はは、そ、そうですよね、はは」
染衣「ふふふ・・船場さんって面白い方ですね」
康介「そ、そうですか?はは、それは良かった」
染衣「はい、良かったです、さ、食べましょう」
康介「は、はい」
お酒も進み、チェスの話で盛り上がる席。
楽しいひと時はあっという間に終わった。
〈カラン、リンリン〉 レストランを出た。
康介「すいません奢ってもらちゃって」
染衣「もう、いいんですってばしつこいですよ?ふふ」
康介「す、すいません」
染衣「・・」
康介「・・」
染衣「あの・・」
康介「あ、はい?」
染衣「もし・・宜しかったら・・少し歩きません?」
康介「あ・・はい、喜んで・・」
まだ肌寒い中、お互いコートを来て、ライトアップされた街を歩く。
染衣「・・」
康介「・・」
無言で歩く。
だんだん口数が多くなっていく。
歩道橋。
康介「・・ですね、囲碁は配置は修正が効きますが、チェスはミスがー・・どうしました?」
染井は立ち止まった。
染衣「どうして・・」 。
康介「は、はい?」
染衣「どうしてあたしを助けてくれたんですか?」
康介「・・」
染衣「あの人と貴方は無関係じゃないんでしょう?」
康介「・・」 無表情で染衣を見る。
染衣「どうしてあんなに頭がいいのに、今だに課長補佐なんですか?どうしてそんなに強いんですか?どうしてそんなに優しいんですか?どうして・・うう・・」
康介「・・」
染衣「どうして・・貴方は何と戦ってるの?」
《ヴオオオオオオオオオオ・・パパアアアア・・》 下で行き交う車達。
康介「・・・・あの・・すいません・・一体何のお話でしょうか?いえ・・あの・・全く分かりません、すいません・・」
染衣「・・」 泣いていた。
康介「・・あの・・どうかしたんですか?」
染衣「・・はあ・・分かりました・・もう・・何も訊きません、今日はありがとうございましたでは、さよなら」 引き返し、素早く歩いて行く。
康介「あ・・」 黙ってその場で見送った後、トボトボ帰路に着いた。
翌朝5時。
スーツに着替えている最中。
康介の電話が鳴った。
康介「はい・・船場」
染衣〈あの・・染衣ですが〉
康介「おはようございます」
染衣〈おはようございます、朝早くすいません、でも昨日朝は早いって仰ってたから〉
康介「はい、早いですよ」
染衣〈あの・・昨日は・・本当にごめんなさい!私、酔ってて〉
康介「気にしてませんよ」
染衣〈ほ・・そうですか・・良かったあ・・〉
康介「・・」
染衣〈あの・・〉
康介「はい?」
染衣〈今日も会えませんか?居酒屋とかで・・〉
康介「・・いいですよ、じゃあ、割り勘ではどうですか?、なんだか染井さん、奢られるの好きじゃなさそうだから・・」
染衣〈ふふ・・そうです・・良く分かりましたね?〉
康介「え?ええ・・まあ、はい」
染衣〈じゃあ・・今日は、はっとんで20時に〉
康介「分かりました」
染衣〈・・じゃあ・・〉
康介「はい・・では・・」 切った。
〈ヴー、ヴー〉 康介へメール。
???〈マイクロチップ、受、港、特定、D?〉
康介「・・」〈 R 準備、完、確、殺〉
???〈 R 〉
康介「ふう・・」
その夜19時50分。
長崎の港に漁師達。
一部の漁師達が仲間。
事前の情報によれば北朝鮮へのマイクロチップの不正輸出。
そのマイクロチップはミサイルの誘導装置であった。
本来の価格の4分の1。
その条件とし、多額のレアメタルを受け取っていた。
これは大企業が絡む輸出プロジェクトだった。
船に次々運び込まれる荷物。今から取引現場まで向かうのだろう。
〈コポコポ・・〉 部隊のダイバー。船底に発信器を装着。
漁師犯人1「おい!気いつけろ!絶対落とすな!落としたら俺達お陀仏だぞ!」
漁師犯人他『へい』
部隊ダイバー「(!?落としたら?お陀仏?どういう事だ?)」
漁師犯人1「天然痘だからな・・まじ慎重にな」
部隊ダイバー「(・・まずいな・・指示を仰がないと・・この船はあと3時間後にドローンによって爆破されちまう!もし・・海に流れたら・・海流だと・・まずいな・・報告によれば3隻の漁船に乗せて運ぶから・・この量だしな・・本当にまずいぞ・・爆破できないじゃねえか)」
緊急ボタンを押した。
同時刻。
はっとん玄関前。
康介「さあて・・今日もチェス持ってきてくれてるかなあ?」 開けようとした。〈ヴー、ヴー〉
康介「おっとっと?」 メール確認。
康介「・・」 爆破中止、命令送信。〈ベータ班、最善、最短距離で石川沖合西方集合、手段は問わない、石川県に日本海側の大規模潜水艦を向かわせた、それに乗り、ステルス小型輸送に乗り、現着せよ〉
警察や軍隊が動けば戦争に発展しかねない。
康介「面倒だなあもう!」 走り出した。
染衣「そうですか・・」
康介「はい、すいません、急な用事が出来てしまって」 走り、タクシーに飛び乗る。
染衣「いえ・・お気になさらず・・あの・・」
康介「はい?」
染衣「信じてます、ですから、・・頑張って」
康介「〈にや〉・・まあ・・出来るだけなら・・では〈ブッ〉出してくれ」
〈ブオオオオ〉
康介「・・」
タクシー運転手「お客さん何かいい事あったの?嬉しそうだねえ?へへ」
康介「いやいや、まあ、山有り、谷有りですよ、もうね、参っちゃいます」
タクシー運転手「へえ?その割には嬉しそうにニヤついてたけど?」
康介「え?そう?」
タクシー運転手「そうそう」
康介「・・そう・・俺が・・こんな電話で・・くっくっくっく」
タクシー運転手「なになに?ええ?」
康介「いやね?人間ってすぐにボロが出るって思ってさ」 急ぎ、東京湾に向かうタクシー。
東京湾、深海。
ひげもじゃ「さあってえ・・ボスのお出迎えと行きますかあ!」《ピピピ》
《ボボボ・・ゴウウウン・・イイイイイイイイイイイイイイイ・・》
高周波エンジンが始動、移動開始、浮上近くに留まり、《ゴゴンゴボボボ・・》小型艇射出。
タクシー運転手「こんな所で本当にいいのかい?」
康介「はい、いいです、いいです、じゃ」 別れた。
人気のない場所に行き、靴の踵のスイッチを入れる。
《カカシュ》 ローラーが飛び出す。
《キュイイイイイイイイ・・》 電動。 早く、コンテナ置き場の先へ。
康介「・・」《ピコーン、ピコーン》特殊なスマホ時計を見る。
先が見えてきた。その先は完全な暗い海。
〈シュガアア!・・〉海へ構わず飛んだ。
《ザパアアアア》水面から大きい機械?が出てきた。《・・ガパ》口が開き、ナイスタイミングで康介を収容。《カシュザブウウウン》再び消えた。
ひげもじゃ〈久しいですな・・〉 通信が入る。
康介「状況は?」
ひげもじゃ〈悪いです、現在、スピード違反によりパトカーに追跡されてる部隊が5名〉
康介「・・上に圧力は?」
ひげもじゃ〈さっきC11を送ったです〉
康介「よし、何としても現場圧殺しなければならん、急がせろ」
ひげもじゃ〈アイサー〉
漁師と北が取引合流まで、残り2時間34分ー。