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0 #私と美月
「どうして…、」
愕然とうなだれながら呟く私。
「なんでだと思う?」
反対に美月は上から見下したように嘲笑う。
前なら絶対に出来なかったであろう、悪に染まった憎しみの表情をうかべながら…。
彼女はこう言ったんだ。
「私はね?ずーっとずーっと、志歩のことが嫌いだったんだよ」
嗚呼…。
何故こうなったのだろう。
美月が変わってしまったのも。
私がクラスメイトに殺されかけたのも。
両親が昏睡状態なのも。
すべて、あの日の私が悪いのだろうか?
―――――――…
―――――…
―――…
私こと桜井志歩と、美月こと桃井美月はかつて親友だった。
いや、私はいまでも親友だって信じてる。
だけどあの日の出来事を境に、美月は変わってしまったんだ。
そして私はそんな美月から逃げ続けた。
その報いがきたんだね、きっと。
―――――…
――――…
―――…