第5話 ~始~
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7月14日
ピーンポーンパーンポーン♪
「ん?」
放送の音で目を覚まし周りを見渡す。皆もこの音で目覚めた様だ。
『2年4組の皆さん。おはようございます』
「校長先生じゃね?」
『校長の"神崎"神戸です。現在6時30分です。あと30分後にゲームが始まります』
「まだ6時半かよ、眠いな」
教室ではあくびが連鎖する。
『まずは歩数を測るために歩数計と食糧を入れるバックを作りました。まずはそれを腕に巻きつけてください』
教室の前半分に詰め込んだ机の上に1つ1つ小さなカバンが載っていた。
「これを腕にか?」
ガチャン。紐の先の金属を重ね合わせると音を立てて固定された。
「皆付けたか?」
「あぁ。付けた」
『全員付けましたか?ではかくれんぼの詳しいルールを御教えします』
「詳しいルール!?昨日のじゃないのか?」
皆がざわめき始める。
『今付けた物の中にはウイルスAKが入っている。鬼に見つかるとそのウイルスを液体化した物が入り君たちの頭の思考回路が活性化する。それもかなりの活性化だ。君たちの脳は考えることを止めず延々と意味の無いこと有ること全てを考えつくす。すると人間はある真理にたどり着く。それは"死"だ。AKが完全に回る時自らの手で自らを殺めるだろう』
教室は静まり返った。そして又しても安藤が口を開いた。
「鬼に見つかったら死ぬのか!?どうしたら治るんだよ!」
その声が聞こえたかのように答える。
『解毒するにウイルスAKに対抗するウイルスASを体内に注入すれば治る。だがその時は鬼化、鬼と化すだろう。AKが完全に回り自らを害するまではせいぜい10分程度だ』
プチッ…ツ――――――
放送が切れた。クラスが沈黙した。
「え…なんだよ俺ら死ぬのか?いやでも見つからなかったら100万円…か」
「いやいや100万なんかいらんわ」
「もう帰ろうや」
「多分…無理だよ」
答えたのは神崎だった。
「なんでだよ!?」
「なんでかって?昨日お前らサインしただろ?紙に。多分それに書いてたんだよ」
「何をや」
「止めれば100万の3倍300万を支払う。ルールが変わってもゲームを続行するってな」
「書いていた!?じゃあなんでお前はサインしたんだよ!」
「100万が欲しい。金が欲しかった。それ以上の理由もそれ以下の理由もない。ただ純粋に金が欲しかった」
「てめっ」
安藤が殴りかかろうとする。
「やめとけ」
神崎がつぶやく。
「なんだと!?俺が負けるとでも言うのか!?」
「そんなことは言っていない。時間を見ろ。俺は鬼化したくないから、30歩までしか歩けないし」
神崎が言うと皆の視線が時計に集まった。6時…55分!?
「やべっ!中瀬、雄策行くぞ!」
俺は中瀬と羽野と共に教室を出た。次々とクラスメイトが出てきた。
「おい!どこに隠れんだよ!もう時間ないぞ!」
「大丈夫やって、俺に考えがあるから」
俺の問いに中瀬が笑顔で答えた。
「とりあえず。黙って俺について来い!」
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「…考えってここか?」
中瀬が向かった先は2階の会議室だった。
「てゆうかここ、入っていいのか?」
「良いって。かくれんぼだぞ?しかも校長主催の」
「やな。じゃあここでじーっとしとこ」
「これ、時計もの機能もあるぞ、これ」
中瀬が腕に付けたこれの上についたモニターを見て言う。
「ああ、これだろ。俺もさっき気が付いた」
「てゆうかこれって言いにくくないか?」
雄策が話に入ってきた。
「たしかに…これ、なんだ?これ腕輪?歩数計?食糧入れ?鞄?」
中瀬が急にほざき始めた。
「ウイルスAKだったか?これは、そうだ!死の鞄にしよう」
雄大が大きな声で言った。
「死の鞄!?だせぇ。まぁいいや。今はそれでいいよ」
「決定な。てかもう始まるぞ。あと10秒や」
死の鞄を見るとすでに10秒をカウントしていた。
7、6、5、4、3、
「始まる…」
2、1、急に画面が切り替わる。
1男 安藤隆弘 19男 竹田明弘
2女 笛吹春 20男 土肥料介
3男 大西渡 21女 中川美月
4男 奥谷敦也 22男 中瀬洸希
5男 小薄秀太 23女 仲谷美穂
6女 岳保美 24男 中原秀也
7女 加藤泉美 25女 西逧紗彩
8男 亀川博昭 26女 西園虹
9女 河路香恵 27女 軒原千晴
10男 神崎風牙 28女 橋口英子
11男 工藤柊 29男 羽野勇作
12女 小路桃 30男 日野武信
13男 小林竜之介 31男 町田直樹
14女 小山明 32女 松井桜
15女 佐藤莉桜 33男 山田織戸
16女 白瀧柚 34女 山路由真
17女 曽川美咲
18男 平良勇太郎
~ゲーム開始~
「始まった…んだよな?」
「ああ。今から2時間…ここにいるんだ」
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校長室
「やっと始まりましたね。クックックッ」
校長は笑みを浮かべ学校内についたカメラを通しモニターを眺めていた。