第4話 ~夜~
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「そろそろ寝る?明日7時やで?」
「そうやな中瀬、てかどこでねるん!?」
「ホンマや!うっわ、俺こんな汚い皆がトイレとか踏んできた汚らしい靴で踏み続けられて掃除って言ってもモップでササッとするだけのこんな教室の床でなんかねたくないで!」
「おぉ…そうか。そこまで言わんでもいいやろ中瀬…」
皆の視線が気になり急いでフォローする。まぁその通りだけどな。
「ここに布団あるぞ」
神崎が戸棚を開けて言った。
「ナイス神崎!」
皆で薄い布団をひいてそこへ寝転がった。
そして雑談がまた始まった。
「ホンマに親に電話してくれたんかな…。校長先生」
「してるやろ。なんの心配やねん」
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親エ
テメぇらの子はモラッた。火曜日の朝に返しテやってヤル。
それマデけーサツに言うナ。言っタら子を殺ス、だから
ダマッテ3日間待つベシ。マジで殺ス。
神様ヨリ
「何…これ」
[中瀬]と書かれた表札の前でポストを開けっ放しで立ち尽くす女性。
そのまま走ってドアを開け靴を乱暴に脱ぎリビングへ走り出した。
「あなた!こんなのがポストに入ってたんだけど!」
「ん?なんや、香弥」
ソファーに座っていた男性が立ち上がる。
「なんだこれは!洸希は!今日は学校じゃなかったのか!」
「朝学校に向かったわよ。とりあえず学校に電話してみろ」
「うん。そうよね」
女性はリビングの端にある電話へと走って向かった。
番号を0、7、2と順に押してゆく。4へと手が伸びた瞬間電話が鳴り始めた。
「え?」
女性は驚きながら受話器を取った。
「もしも」
「中瀬さん!?手紙来ましたか!」
自分が話始める前に大声で返されさらに驚く。
「えと…工藤さん?」
「そうです!さっきポストみたら誘拐したみたいなこと書いてましたよ」
「はい…私も見ました…どうしたらいいんだか」
中瀬の目に涙が溢れる。
「とりあえず警察に言いますか?」
「皆で相談しませんか?」
「そうですね。集められる人だけ集めて後の人はメールで知らせましょ」
「じゃぁ、いつものファミレスで」
そういうと受話器を置きため息を吐いた。
「あなた!私保護者全員で相談してくる!警察には言わないでね。私…洸希に何かあったら…」
また涙が溢れてきた。
「わかってるって。早くいっといで」
そういわれると鞄を急いで持って乱暴に縫いだ靴を素早く履いて出て行った。
妻が出て行ったあと夫は笑みを浮かべ電話の受話器を上げ番号をリズミカルに打っていく。
「はい」
返ってきたのは太く低い声。
「中瀬です。今妻が出て行きました。何やら相談するようです」
「ええ。今私の妻からもメールで知らされました。多分、警察には言わないでしょうね私の妻が行きましたから」
「そうですね。それと、言いにくいのですが約束の……」
「ああ。100万ですね。もちろんお渡ししますよ。あなたはいい仕事をしている」
「ありがとうございます。"神崎さん"」
そういうと受話器を置いてソファーに何事も無かったかの様に座った。
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ファミリーレストラン【サイザリン】
「あとは、小路さんと原さんね」
「2人なら多分こないから話を始めましょう」
「皆紙きた?」
「来たわ…」
「皆このことやっぱり警察には言わないでおこう!もしかしたら本当に3日間立ったら返ってくるかもしれないし」
「そうよね"神崎さん"の言うとおりね。警察には火曜日になって帰ってこなかったら言いましょう」
この意見に全員一致しあとは子供が危ないというのに食事を美味しそうに食べて帰って行った。
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2年4組
「みんなまだ起きてる?」
「あぁ。起きてるぞ」
まだ皆起きてるか、てゆーかこんなに早く寝れないよな。
時計の針は10を指している。
ガララ…
突然ドアが開き廊下の光が教室へ入った。
「みなさんまだ起きてますか?」
その声は太く低い声。校長先生か。
「皆起きてますよ」
誰かがそう答えた。
「明日の事なんですがね大金を使うということでちょっとした契約書を書いてもらいたい。書かなければゲームには出場できません」
そう言うと校長先生が電気をつけた。
「まぶしっ」
皆目を細める。
「ではサインをどうぞ」
渡された紙をまぶしさで見れず回ってきたシャーペンで名前を書いた。
「では回収しますよ」
皆が紙を校長先生に渡してまた布団に寝転がる。
「ではそろそろ寝て下さいね。明日は早いですから」
そう言い残してドアをしめた。
「電気くらい消していけよ」
安藤がそう言いながら布団から出て電気を消した。
「んじゃそろそろ寝るか」
「そだな」
「オヤスミ」
「オヤスミ」
少しすると皆から寝息が聞こえ始めた。