第3話 ~遊~
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ガララ……
少し早かったか?教室には誰も…いや、1人いる。
「早いな、神崎風牙」
神崎が自分の席に座っていた。
「やぁ、柊。風牙でいいよ。それと話があるんだ…いや、これは皆揃ってからにするよ」
神崎が話を終えるといつもの様に来るのが早い
大西渡が教室のドアを開けた。
大西は黙って自分の席に座り授業の用意をしている。
「神ざ…風牙話は後で聞くから」
俺も自分の席へ着きバックから机へ教科書などを移す。
ふと黒板に視線を移す。やはりそこにはメッセージが無い。
気が付くといつの間にか教室には大半の人数は揃っていた。
「…風牙、さきの続き聞かせろや」
「話?なにそれ、俺にも教えて」
雄大が神崎の席に近づいてきた。
「あぁ。伝えるよ。てか、そんなにシリアスな話じゃないよ」
そう言うと神崎は一呼吸置いて言った。
「みんな!ちょっとここに集まってくれ」
クラスの皆が文句を言いながら集まり、やがて神崎の席の周りに大きな輪ができた。
「話ってなんやねん」「はよ言えや」「ほんまそれ」
皆が喋り始め神崎がヤレヤレとでも言いたそうな顔をしている。
「ちょっと静かにしてくれ、次喋ったら言わないから」
皆が口を塞いだ。
「俺ら2年4組は"かくれんぼ"に参加するらしい」
「かくれんぼ?なんでだよ」
喋りだした安藤隆弘を神崎が睨んだ。
「あっ、ごめ」
それに気が付いた安藤はすぐさま謝罪する。
「これは強制参加らしい。先生に説明とか書いてるの渡されたから今配るわ」
神崎が自分の机からコピー用紙の束を取り出した。そして1人1人に配り始めた。
――かくれんぼ――
神崎中学校2年4組 生徒は強制出場。
日時
7月14日(土)~7月16日(日)まで
場所
神崎中学校校舎内。
ルール
初めは教師が鬼。生徒が子である
子は鬼から隠れ鬼は子を探す。
子が鬼に見つかり『見つけた』と言われると鬼になる。
かくれんぼは午前7時から2時間やり1時間休みを
繰り返し午後7時まで4セット行う。
1セットにつき歩けるのは30歩まで
賞金
残った子で100万円を分ける
「100万!?マジで?絶対やるし!」
「俺もやる!かくれんぼで100万とかやばいなぁ」
「私もやる!皆やるでしょ?100万だよ!」
皆が賛成した。
キーンコーンカーンコーン――
チャイムがなりドアが開く、
川田先生今まで――
「どこいってたんですか?」
「はい?」
返ってきた声は太く低い声だった。それに驚き皆も前を向いた。
「川田先生はまだ行方不明なので私がレクレーションをしようと思ってね」
そこにいたのは校長先生…
「もうかくれんぼのルールは見てくれたかな?」
校長先生がニコッと笑いながら皆の机を見回す。
「校長先生!100万って本当ですか?」
安藤が1番後ろの事もあって大声で言った。
「えぇ本当ですよ。ゲームは賞金があれば本気になれるでしょう?」
「はい!流石校長先生です!」
「まぁゲームは明日からだ明日まではここにいてくれ。ここからでたら参加できないからね。食べ物は買ってきたから。それと親御さんには私から連絡しておくから」
校長先生はパンパンなビニールを2つ置いて教室を出た。
「んじゃどうするか。一応クーラーも効いてるしここでUNOでもやっとこ」
俺達はトランプやUNOなどで時間を潰し校長先生が持ってきてくれたインスタント食品を食べすぐに日が暮れていた。