第2話 ~臨~
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7月2日
ピピッピピピッピピッ―――――――――――――――――――
熱い……。いつもの様に目覚ましを止める。現在7時と。
「ファ~ァ」
あくびをし布団をたたみ始める。
「柊~起きや~」
1階から母がいつもの様に起こしてくる。
そして俺はいつもの様に朝ごはんを食べいつもの様に歯を磨きいつもの様に学校に行く用意をする。
「そんじゃ、行ってきます」
「行ってらしゃい」
母にいつもの様に見送られ家を出た。そういつもの様に――――……
ガララとドアを開けいつもの教室に入る。え?
毎日続いていた黒板の『おはようさん――』が無い。いつもと…違う。
「なぁ雄大。黒板に書いてたやつなんで今日無いん?」
俺は羽野の席の前の小林竜之介の席に座り後ろを向く。
「知らんわ。先生忙しかったんちゃん?」
「でも毎日書いててんで?」
「知らんって。先生行方不明とか?」
「それはな」
ガラン、ドン!
ドアが強く開かれた音がした。が、振り向かなかった。
「皆!先生全員行方不明だって!」
は?何言ってんだ?しかも全員って。誰だよ。
俺はその言葉を聞いて振り返る。そこには神崎風牙の姿が。
「嘘つけや!もしそうやってもなんでお前が知ってんねん!」
俺は少し離れていたのと混乱で大声で言った
「今校長先生が言ってた。だから帰っていいって、親には後で連絡するって言ってた」
クラスがざわめき始める。
「じゃぁ帰る?」
「そうするか」
俺は自分の席に戻り今入れたばかりの教科書やノートを机からカバンに入れ替える。
「帰って遊ぶか?」
「うん。俺が雄策の家いくから待ってて」
約束を交わし学校を出た。
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7月13日
先生が行方不明になって10日が過ぎた。
リンリンリンリンリン――……
2階建の家に電話の呼び出し音が鳴り響く。お母さん…は今日仕事だったな。
「はい、工藤です」
受話器を取って不自然な敬語で話し始める。
「あっ柊か?今日学校あるらしいで、んじゃ連絡網回しとけよ」
ガチャ、ツーツー。
言うことだけ言って切りやがって。
先生見つかったのか?それとも――――――――――――
連絡網を回して学校に行く準備を整える。
「ファ~ァ」
眠い……
俺は学校に向かった。普通から不通になる瞬間があるとも知らずに…