弐ー① 発表前に・・・
あまり話自体・・・時間的には進んでおりません!←
―大和SIDE―
「もしかして、喋ってくれるかも」
「それは無いだろ」
「無いんですか…」
え?喋れないの?ちょっと意識して喋ってみようかな・・・
「《そこの2人、俺の声が聞こえるか?》」
向こうの自衛官2人に聞こえるよう話かけてみたが、
「おい、良徳。入れ終わったか?」
「はい」
「確認も終わった。基地内に戻るぞ」
「はい」
何も反応無し・・・・。いや、そんな訳無い!何故断言出来るか、なんだろうな本能?いや機能?だろうか・・・分かるんだよな。後で俺の事を知る人に聞いてみよう。って、ん?上司さん?シャッター閉めようとしてない?此処に来たのは燃料入れるためだけですか。そうですか。
とりあえず、人の気配がするまで寝てましょ。
―大和SIDE OUT-
しかし、シャッターを閉めたのは間違い無いが、全部閉め切ったのではなく半開でシャッターは動きを止めた。理由は二つ。一つ目は、F-112である大和が暗闇のままでは可哀想だと上司である彼が思った事。二つ目は、発表までに洗浄しておかなければならないため。
視界をシャットダウンした大和はそんな事を知らない...
―上司SIDE-
綾部司令官に報告し、発表会見の準備をするため会場へ向かった。
会場には沢山の自衛隊員がせわしなく動いている
「あ!石原二等陸尉!お疲れ様です!」
隊員で部下でもある彼が私に気付いたようだ。
「あぁ、平山良徳一等陸曹。終わったか?」
「えぇ、椅子も並べ終わりましたし、マイクテストもしました。照明もバッチリです。あとは大和ですが・・・」
「あぁ、その事だが」
「何かあったのですか?」
「発表する前に洗浄しなくてはならない」
「あぁ~・・・」
「準備が一段落した所だが、行くぞ」
「私達がですか?大和は戦闘機なのでここは航空自衛隊の方々に」
「あぁ、承知している。今の時点で大和を管理しているのは私達、陸上自衛隊だ」
「えぇ・・・あ」
「陸自は、説明するのみ。洗浄を担当するのは空自だ。倉庫へ戻るぞ」
「はっ!」
さぁて、大和がいる倉庫へ戻るとするか。今頃何をしているのだろうか、寝てるのか?いや、機械だからシャットダウンっていうことか?まぁ、いい。私は自他共に認める程の機械音痴だ。そういうことは空自にでも任せておこう。
―石原2尉SIDE OUT―
石原2尉とその部下の平山1曹は大和がいる倉庫へ戻って行った。
その頃、倉庫の前には航空自衛隊であろう隊員数名が洗浄器具や機械や器具を持ち立っていた。
その隊員こそ、大和を洗浄するために集められた者である。
しかし、当の本人である大和はその者が誰なのか、なんのために居るのかは分かっていない。
「F-112大和」の正式完成発表まで残り1時間半.........
テストが迫っておる・・・いやだぁ