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散歩道
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初夏。陽だまりの中を、ぼくは歩いていた。大好きになった向日葵のそばで、ぼくは眠った。
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暑くなってきた。植物にはすごしにくい季節だけど、ぼくの気分は上々だった。夏の暑さは嫌いじゃない。
ある夜に、彼女達はいなくなった。その代わりに、少しの間、大泥棒さんと女の子が、ここで過ごして行った。数日たって、またぼくは独り、向日葵と一緒に眠った。
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また、肌寒い季節がめぐってきた。冬になると、ぼくの毛皮は一層暑くなる。やっと返ってきた彼女たちは、僕の頭を適当に撫でた。
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懐かしい顔が向日葵の傍に会った。彼女は、ぼくの姿を見て笑った。すぐ後に、番人だった彼と、知らない女の子がやってきた。
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「この季節はいいですね、寒いけど、日差しがとっても柔らかいです」
その通りだと、ぼくは思った。優しい手に撫でられながら、向日葵の傍で、ぼくは眠った。
ぼくはこの世界が、大好きだ。
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