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「僕もここにいてもいいかな?」と文は言った。
すると美波はあんまり悩まないで、
いいよ。
とスケッチブックに書いてそう言った。
「ありがとう」
と文は言った。
二人で夜を待っている間、文は自分のことを美波に話した。
自分が絵描きであること。
絵が突然描けなくなったこと。
夏休みに海の見える土地に住んでいる親戚の家にお世話になっていること。
それから、
それから?
「美波のことが好きなこと」と文は言った。
その言葉を聞いて、楽しそうに砂浜に白い綺麗な指で文の似顔絵を描いていた美波は動きを止める。
見ると美波はその綺麗な顔を真っ赤にしていた。
少し急すぎたかな? と文は反省する。
でも後悔はしていない。
文はこんなに素直に自分の思いを誰かに伝えられるような性格はしていなかった。
そんな自分がこんなに素直に自分の思いを伝えることができたのは相手が美波だったからだと思った。
「美波は今、好きな人とか付き合っている人とかいるの?」
綺麗な美波に恋人がいても不思議じゃなかった。
でも、それでもいいと思った。
美波はこそこそ描くれるようにして
いないよ。
とスケッチブックに書いて文に見せた。
そして二人は恋人同士になった。