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1 君が笑っている。それだけで世界は、本当に美しかった。

 あなたの声を聞かせて。


 君が笑っている。

 それだけで世界は、本当に美しかった。

 

 海を見たい。

「海が見たいの?」

 文がそう言うと美波はうんうんとうなずいた。

「わかった。美波がそう言うのなら、海を見に行こう」文は言う。

 すると美波は嬉しそうに笑って、文の腕に抱きついた。

 文は止めていた車に乗り込んだ。美波は助手席に座った。

 それから美波はスケッチブックをめくって真っ白なページに新しい文字を書いた。

 それを文に見せる。

 海までどれくらいかかる?

「うーん。そうだな。二時間くらいじゃないかな?」

 エンジンをかけながら文は言う。

 小さな車はゆっくりと走り出した。

 美波は愛用のスケッチブックを大切そうに太ももの上に置いてじっと前を見つめている。

「美波。寒くない?」

 文は言う。

 大丈夫。寒くない。

 と言う意味を込めて、文を見て、にっこりと美波は笑った。

 季節は冬。

 月は十二月の半ばくらい。

 時間は夜。

 外は凍えるくらいに寒かった。

 車の暖房は入れているけど、まだ車の中は暖かくはなっていない。

「海に行くのは夏いらいだね。懐かしい」と文は言う。

 文は美波と会話をするために美波の顔をミラー越しに見る。

 するといつのまにか美波は助手席で眠っていた。

 そのぐっすりと眠っている美波の顔を見て文は笑顔になると、前を見て運転に集中する。

 夜の街の中を走っている車はとても少ない。さっきまで二人で見ていた冬の星空は本当に綺麗だった。

 運転中は星を見ることができない。

 そのことを文は残念だと思った。

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