閑話 ネアとの一日
閑話早くない? と思ったんですけど、まあいいや!
午前6:30
起床。ネアにデコピンで起こされる。めっちゃ痛いので『紅天』を、無意識下でも発動できるようにトレーニングをしているが、成果はまだ上がっていない。
戦場でも生活ができるように40秒で朝の支度させられている。ちなみに食事は焼肉だ。ネアが竜人族の国にいた時にもらった、アイテムボックスに保管されている。美味しくも不味くもない、どっちかというと美味しい寄りの普通だ。何の焼肉かと聞いたら、ドラゴンの魔物らしい。焼肉を食いながら答えてくれた。どんな感情なんだろう。
午前7:30
魔物を倒しに行く。新しい発見があって面白い。例えば、10万ボルトを放電してくる、ピカピカと鳴く黄色いネズミとかがいることだ。〇そうとしたら、どこからとりだしたのかキャップをかぶって
「ピカピカ」
と鳴いてきた。可愛かったので見逃した。
「今回だけだぞ。可愛い……いやいや、次はあると思うな。かわ……」
その黄色いネズミのことをネアに話したら、
「食えるぞ、それ。なかなかに美味だ」
と言われた。あの可愛い生命体を食った、だと……マジか、こいつ。
午前10:00
ネアに訓練を頼んで、その後ボッコボコにされる。ネアの強さどうなってんの。『紅天』の精度も結構上がってきたけど、全然通用しないっていうのは、かなりショック。しかもネアの強さが異次元過ぎて技術とかが全く分からない。あと最近、ネアとの訓練のせいで洞窟が
「へぶっ」
壁に激突。壁破損。壁修理不可能。洞窟凸凹。という悲惨な状態になっている。ちょっとまずいんじゃない? と思っても戦闘狂のネアは止まらない。訓練がひと段落ついて、ネアが一種の賢者タイムに入ると、
「あ……」
とつぶやいて絶望するのが、可笑しくもあり、かわいそうでもある。
正午
昼食タイム。例のごとくドラゴン焼肉。飽きないのか、と聞くと、
「胃の中にぶち込めればなんでもいい」
と答えられた。某「ワイルドだろぉ?」の人よりワイルドである。
午後1:00
とにかく魔力の精度を上げる。魔力を練って練って練って練りまくる。途中、自分の進んでいる道が分からなくなるので、ネアの魔力を見せてもらう。1つだけ不満があって、それは
「ネアー、魔力みせてー」
「ふっ」
という風に、嘲笑してくることだ。なぜかはわからない。
午後2:30
一時間休憩。おやつを食べたり、森の探索に行ったりする。ちなみにネアは、洞窟を必死に修理しようとしているが、ネアには破壊系の能力しか備わっていないので、もっと洞窟を壊してしまう。この前、三角座りになって落ち込んでいた。
「うわっ! どうしたんだよ?」
「……壁が、壁が、壊れていく。どうすればいいんだあ」
壊れた原因はネアで、洞窟をよりひどい有様にしたのもネアなので、何とも言えなかった。面倒だったが背中をさすってあげた。
午後3:30
今日の復習。技術や発見をネアに見てもらい、課題点があれば、その都度どのようにすればいいか、自分なりに考える。合格だったらご褒美として、果物をもらえる。ブドウのような味だ。めちゃくちゃおいしい。
午後5:00
準備を済ませたら、就寝。なんでこんなに早いかというと、今、自分が強くなっているのはあくまでスキルのおかげ。当然、無理やり強化されている肉体は疲労するに決まっているので、こんなに早いのだ。寝ているときに、ネアがうつ伏せの自分の背中を撫でてきて、
「今日はよく頑張ったな、しっかり寝ろよ」
というのが、恥ずかしいが、うれしくもある。
最後までお読みいただきありがとうございます。