征服する気がない…?
「メルフィオ様って人間界征服する気あんのかな……。」
私は一旦自分の部屋に戻り、考える。
メルフィオ様は一体この世界をどうしたいのか。全くもって見当つかない。でもさっき、善良な人間達を征服するのはあり得ないとかどうたらこうたら……。
「よし、こりゃ聞いてみるしかないかぁ。」
魔王の秘書になった以上、これはなんかちょっと気になる…! メルフィオ様に聞きに行くか!
「メルフィオ様~。」
「どうしましたか? ショウ。何かありましたか?」
またメルフィオ様は、楽しそうに花壇仕事をしている。
「あ、あの……仕事用の服、露出度高くないですか?」
さっき言えなかった服の事を先に聞く。
「あぁ。え、もしかしてあの服ですか? あの胸元があいている……。」
「そうです。あれ開き過ぎじゃないですか?」
「多分それは私の手違いかもしれませんね…。後でちゃんと秘書用の服を用意しておきますね。」
じゃあ逆にあの服は何用なんだか…。
「ありがとうごさいます、メルフィオ様。で、本題なんですけど。」
話が切れる前に、私はすぐ本題に入る。
「本題とは、何ですか?」
「メルフィオ様はその、……人間界をどうしたいんですか? 征服する気はあるんでか? 魔王サマとしての意見を、秘書として聞きたくて…!」
「……………。」
もしかして、ちょっと変な聞き方だったか?
「なんと言うのでしょうか……。人間の皆さんとは、和解したいですね。魔王は怖いと認識されがちですが、その…。私の夢と言ってはなんですが、人間と魔物の壁を越えて共存していきたいですね……。」
私は考える。
……この魔王、全然人間界征服する気ないだと!? しょうがない、私が意見を提示するしか…?
とにかく私は頭をフル回転させる。
「じゃあメルフィオ様! この人間界の全てをメルフィオ様の世界にして、共存したいという夢を叶えるのはどうですか!? ほら、この世界を闇で包んでくれるわー。みたいに、この世界を魔物と人間が共存する世界にしてやるわー。って! つまり、メルフィオ様がみんなで共存できる世界に作ら変えちゃえばいいんです!」