紳士過ぎるよ魔王様。
「ショウさん、今日はもう疲れたでしょう。よくこのお城まで来れましたね。今日はもう休んでください。」
「えっ、私は全然大丈夫ですよ……? あと…、ショウで大丈夫ですよ…??」
優しい。優しすぎる。魔王様紳士だわ。
「そうですか? では一応ですが説明しておきますね。ショウの部屋は、階段を降りたところを右に曲がったところですよ。着替えはベッドの上に置いてあります。仕事用の服は、机の隣のクローゼットにかけてあるので明日から着て来て下さい。何か不便があったら何でも私に言って下さいね……?」
やべぇ、めっちゃ紳士だ。優しい。
えっとこれ本当に魔王で合ってるんだよね………?
「じゃあ……、お言葉に甘えて……。」
私は部屋に向かうことにした。
「うわ、広っ。」
私に用意された部屋は学校の教室並みの広さで、白を基調とした教会風の部屋はパステルカラーの家具が程よく可愛さを出していた。けど魔王のお城の威厳はどこへ……。
私はずーっと持っていたトレンチコートを椅子にかけて、勢い良くベッドにダイブする。
「うお~、もふみ半端ねぇ~!何だこのベッド!」
柔らかい、とにかく柔らかい。めっちゃあったけ~。
「あ、これがパジャマ?」
起き上がって、パジャマらしき物を手に取る。もっふりとしたパーカーと、もっふりとしたズボン。
そのパーカーを広げてみると、灰色の生地に白いひもが垂れていた。やはりもふみがスゴい、良く見るようなパーカー。
「あ、そういや仕事用の服ってどんなのだろ。」
私は机に隣接しているクローゼットの前まで行く。そして、そっとクローゼットを開いてみる。
「………。」
私は少し絶句した。