The・魔王城?
「やっと着いた~っ…!」
私は、魔王城を前にしてはしゃいでいる。だって、やっと着いたんだもの……。
「おじいさん、ありがとうごさいます!………って、あれ……?」
振り向くと、おじいさんがいなくなっていた。
てか私、なんの疑いも持たずに頼っちゃったけど大丈夫なのか?これ。
結局、さっきは移転魔法?的なもので連れ行ってもらえた。
何というか、
「移転魔法。キルミスフライ城。」
……って。
この世界、ガッツリとファンタジー要素ありまくりじゃん……。
私は途方に暮れた。
だって、ファンタジー系のゲームとかあんまりやったことないし……。ドラ○エなら……、同僚がやっているのを見たことがあるけど…。まさか今流行りの『転生』ってやつ? あの分厚い本の? にしてはスライムとかお姫様になってないな私…。
……それにしてもこの城って本当禍々しいな……。こんな近くまで来ると禍々しさが増した気もするけど……。
「この城……、入れるの?」
悲報。私、今頃気付く。
しょうがない、今更気づいた所で戻るとこもないし。よし、ここはヤケクソだが進もう。
「…この門、私の背の3倍くらいあるな……。」
とりあえず私は、目の前の重そうな門をゆっくりと押してみる。
すーーっ。
え、……ん? 何これ。
門の重さ……、軽すぎじゃない? 発泡スチロールなの? この門。ガチャンの一音も無かったんだけど……?
とにかく、めっちゃスムーズに開いたんだけど……? 思ってたのとちょっと違うんですが……。
なんというかこう、すっごい重たくて、ギイィィィィみたいな感じじゃないの……?(語彙力)
ちょっと期待したの返してよ〜……。
「………はぁ、次は扉か。」
次は力を入れずに開けてみる。
それでもやっぱり、スムーズ扉が開く。
「うわっ、中すごっ。本当に魔王城なの……?これ。」
扉の隙間から顔を出すと、そこは……。
「なんか、外国の歴史ある美術館の内装みたい……。」
そう、全っ然、魔王城っぽくない。
なんていうか……、すごい神秘的と言うか……。突き抜けるほど高い天井に、ルネサンス紀の女神?みたいな絵が描かれていて、本当に美術館みたいだな……。
こんなところに魔王なんているのか……?