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90.ヤキモチ

ルーカスはリナの手をにぎりしめると眉を下げながら呟く。


「リナ…もしかしてセドナ副隊長やシモンやラキの事が…いや…いい…」


ルーカスさんが視線を下げて握っていた手を離そうとする。


「ぷっ!」


リナは思わず吹いてルーカスの離れた手を掴んだ。


「リナ?」


いきなり笑いだしたリナにルーカスは顔を上げる。


「ルーカスさん、もしかしてヤキモチを焼きましたか?」


「え?い、いや…違…わない。そうだ俺は皆にヤキモチを焼いたのか…情けないなこんな姿、リナに見せたくなかった」


大きな体でシュンとするルーカスさんが愛おしくなる。


「そんな事ないです…嬉しい…」


ルーカスはリナの言葉に驚き、見つめ合った。


リナは聖母の様なあたたかい微笑みでルーカスを見つめていた。


「好きな人に嫉妬して貰うのがこんなにも嬉しいとは思いませんでした…」


「わかってるんだ。シモンもラキも凄くいい奴らで、気になるのは当たり前だと…セドナ副隊長も素晴らしい方で本当に尊敬している…リナが好きになっても仕方ないと思う反面…どうしても我慢できない。俺はこんなにも弱い男だったとは…」


「ふふ、安心して下さい。確かに皆さん素敵で大好きな人達ですけど…一番はルーカスさんです。ルーカスさんのその真っ直ぐな所も弱い所も…私は好きです」


「リナ…」


ルーカスはリナをそっと抱き寄せて顔を近づけていく…リナもそれを待っていたかの様に目をつぶると…


「おい…何処で何するつもりだ?」


「わっ!シモンさん!今は駄目っスよ!いい所なのに~」


シモンとラキがいつの間にか通路の角でこちらを見ていた。


「シモンさんにラキさん!いつの間に…」


リナは顔を真っ赤にしてルーカスから離れようとするが離してくれない。ガッチリと腰を掴まれていた。


「騎士の癖に盗み聞きとはどうなんだ?」


ルーカスは残念そうに…本当に仕方なくリナの体を離した。


「盗み聞きも何も、こんな人が通るところでそんな事してる方が悪くないか?」


「そ、そうですよね!僕らは悪くないっス」


「すみません!すみません!」


リナは慌てて二人に謝った。


「別に悪い事をしてる訳ではないんだからリナが謝る必要なんてない。そうだろラキ?」


ルーカスがラキに同意を求めるようにじっと見つめる。


「え?ま、まぁリナちゃんが謝る必要はないっスね~」


「リナちゃんはいいがルーカス、お前は謝れ!全く、ここは独身連中が多いんだぞ、そんなの見たら暴走する奴が増えそうだ」


シモンさんがやれやれとため息をついた。


「そうか…それは考えていなかった…すまない。だが止めるのは無理かもしれないな」


「ルーカスさん!駄目です、もう騎士団内での…その…アレは禁止にします」


「え!!」


「それはいいな!」


ルーカスは愕然として、シモンは笑顔を浮かべた。


「じゃあ早速リナちゃんは俺達とお仕事だ。ルーカスはセドナさんが呼んでたぞ~早く行け」


シモンはご機嫌でルーカスを追いやった。


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