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70.眠り

「アリスちゃん…ごめんね。起きちゃったかな?」


私は熱くなった頬に手を当てながらアリスちゃんの元に向かうと、膝を突いて顔を覗き込む。


「ん~」


すると、目を閉じたままアリスちゃんは手を伸ばして抱きついてきた。


可愛い仕草にそのまま抱き返すと


「一緒に寝ようか…」


囁くように聞くと、こくりと頷き返す。


「ふふ…」


笑ってアリスちゃんを抱いたまま振り返った。


「ルーカスさん…アリスちゃんを寝かせてきますね…」


するとルーカスさんはなんか前かがみになりながら苦しそうにしていた。


「だ、大丈夫ですか?」


少し心配になって様子を見ようとすると


「だ、大丈夫だ!アリスを見てやってくれ…俺は…少し夜風に当たって冷静になってくる」


「は、はい…?」


ルーカスさんはフラフラと外に出ていった。


大丈夫…かな…


何だか変な様子に気になり、動けずにいると…


「ん~」


アリスちゃんが腕の中で身じろいだ。


今はアリスちゃんが優先だ…ルーカスさんごめんなさい。


私はアリスちゃんとベッドに向かった。


アリスちゃんをベッドに寝かせながらその隣に寝転がる。


アリスちゃんがすりすりと擦り寄ってくる姿に悶えた。


か、可愛い~!


すっかり先程のルーカスさんとのやり取りを忘れて可愛いアリスちゃんの温もりに一緒に眠りに落ちていった。





「ふぅ…」


ルーカスはその頃、家の外に出て扉の前に座り込む。


危なかった…


アリスが来なかったらそのままリナに…


まだきちんと婚約もしてないのに、我慢できずに手を出しそうになってしまった。


でもそれもリナが悪い!


いちいち可愛い反応が人を刺激してくるのだ。


これ以上リナの事を考えると治まるものも収まらなくなりそうなのでアリスの事を考える。


まだアリスもきちんとけじめを付けていない…だからこそ今日みたいな事が起きてしまった。


ルーカスは決意を新たに部屋へと戻った。


「リナ…アリス…」


静かな室内に声を落として二人に歩み寄る…するとベッドの上で同じ形で二人仲良く寝息を立てていた。


「クッ!!」


叫び出しそうになって慌てて口を押さえる。


な、なんだこの可愛い生物達は…


「ん~…」


するとアリスが動いてリナの胸元にスリスリと顔を近づける。


「ふふ…」


するとリナが擽ったそうに笑ってアリスを抱きしめた…


間に入りたい…


思わず本音が漏れる。


一緒に寝たいがこの大きな体で隣に寝たら二人を起こしかねない…


ルーカスは二人のそばに布団を敷くと、同じ空間にいることに満足しながら眠りについた。





リナは小鳥の鳴き声に目を覚ました。


「んっ…」


起き上がって隣を見ると、アリスちゃんがヘラっと笑いながらまだ夢の中にいるようだった。


その可愛い頬をつついて朝の支度をしようとベッドから起き上がろうとすると…


ふにゃ!


何かを踏みつけてしまい倒れ込む。


「きゃ!」


床に倒れ込むと思い目を閉じるが痛くない…


そっと目を開くとルーカスさんの顔が目の前にあった。


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