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60.本当の気持ち

「アリス…」


ルーカスはアリスを見つめていたがそっと目を逸らされた。


まるで自分を見るなと言うように…


「俺はそんなにアリスに辛い思いをさせていたのか…アリスの為ならこうやっていい暮らしをさせてやった方がいいのか?」


「そんなわけ無いじゃないですか!?アリスちゃんはルーカスさん達といる時が一番幸せそうでした!」


ラキが否定するがルーカスは力が抜けていくのを感じる。


ここに来れば、アリスに会えば、きっとアリスが泣いていて自分に駆け寄ってくると思っていた。


助けてと俺を頼ってくれると…


「アリス…リナは?俺はともかくリナのことはどうなんだ…」


ルーカスはボソッと呟くように声を出した。


すると無表情だったアリスの顔に一瞬光が戻った!


「このままリナに会えなくていいのか?もう一緒に料理を作れなくてもいいのか?」


「そんなのいくらでも私がやってあげよう、一流の料理人も一流の家政婦もいくらでも用意してやるぞ…その方があの女の為でもあるんだ…」


バーンズの囁く言葉にアリスはビクッとするとコクリと力なく頷いた。


「あいつ…まさかアリスを脅して!?」


ルーカスはバーンズとアリスの様子に違和感を感じた。


「アリス!お前はどうしたいんだ!?お前の本当の気持ちを言え!」


「ふふ、馬鹿か…この子は喋れないのを忘れたのか?まぁそれも一流の医者を用意して治してあげるよ…」


バーンズはアリスの頬を優しく撫でた…するとアリスはビクッと肩を震わせて下を向く。


「アリスに触るな!」


バーンズのニヤつく顔にルーカスは拳を上げた!


「不味いっす!」


「ルーカス気持ちはわかるが落ち着け!クソ…せめてアリスちゃんが喋れれば…」


騎士達は今にも殴りだそうとするルーカスを止めるので精一杯だった。


誰か…何かきっかけが…


みんながそう思ったその時…


「アリスちゃん!」


するとそこに髪もボロボロに息を荒らげたリナが駆けつけた…


どんだけ走ってきたのか服は汗でドロドロになっていた。


「なんて汚い女だ…」


バーンズはリナを見て顔を顰めた。


「!!」


アリスはリナの声に顔をあげる。


「アリスちゃんごめんね…待たせちゃって…一緒に帰ろう」


リナはアリスに手を伸ばした…その顔はいつもの優しく手を握ってくれる温かい笑顔だった。


アリスは思わず手をあげると…


「いいのか?」


バーンズがボソッとアリスに呟く。


その声にアリスはサッと手を下ろした。


「アリスちゃん…アリスちゃんはどうしたい?私はアリスちゃんとルーカスさんと居たいの。もしそれで私がこれよりも酷い状態になったとしても…だって二人が居ればなんだって我慢できる。怪我だって前みたいに乗り越えられるよ」


「そうだ!アリス、俺が絶対にアリスにもリナにも手は出させない!俺の強さは知ってるだろ!」


アリスはリナとルーカスを見つめた。


「ふん、往生際の悪い奴らだ…アリス解らせてやりなさい。お前は自分の意思でここにいるのだと、そうだろ?」


バーンズは優しくアリスの背中に手を回して撫で付けると声をかけた。


アリスはバーンズをそっと見上げた…

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― 新着の感想 ―
[一言] 登場人物たちの心の揺れは良く伝わりますが、モヤモヤした状況が長すぎです。 悪者には鉄槌を!圧倒的ざまぁを期待します!
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