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6.父親

「なんだあいつ!」


私はドシドシと足を踏み鳴らして修道院へと帰っていく。


アリスちゃんにサヨナラの挨拶も出来なかった。


そう思うと徐々に寂しさから足に力がなくなりとぼとぼと歩き出す。


「まぁアリスちゃんがいなくなった事で心配そうにしてたし…別に可愛がっていないわけではない感じだったから大丈夫かな…」


あそこまで拒否されたら何も口出し出来ない、勝手に家の事をしてしまったし警戒されるのは当たり前かも…冷静になり自分のした事に少しだけ後悔するがアリスちゃんと会えたことまでは否定したくなかった。


それに私も自分の事をしないと!


私は気持ちを切り替えて修道院に向かっていた足をクルッと180度変えるとまた街に向かって歩き出した。



街に仕事を探しに行ったはいいが成果は芳しくない…


一人で暮らしていく程の賃金を貰える職につけそうに無かった。


お金が高いものほどやはり危ない仕事が多かった。


どうしよう…


私は再びとぼとぼと修道院に帰っていた。


今日の成果をシスターになんて報告しようかと考えながら歩いていると…


タッタッタッ!


前から軽やかにかけてくる足音が聞こえる。


修道院の子供達かなと顔をあげると…走ってきた子が思いっきり抱きついた!


ギュッ!!


「えっ?アリス…ちゃん?」


そこには先程別れたアリスちゃんがいて私を 離すまいと抱きついている。


「どうしたの?」


一人で来たのかと周りを見ると…


あっ…


あの男の人も一緒だった。


私はとりあえず膝をついてアリスちゃんに顔を近づけて覗き込んだ。


「アリスちゃん、また会えて嬉しいな!私もアリスちゃん抱っこしたいからその顔見せて」


優しく声をかけるとアリスちゃんが埋めていた顔をそっと離した。


「ありがとう。会いに来てくれたの?」


笑ってアリスちゃんの頭を撫でると


こくこくこく!


何度も何度も頷く。


「あの…」


するとあの男がそっと近づいてきた。


「なんですか?」


私はアリスちゃんに話しかける声とは1オクターブ低い声で答える。


「そ、その…先程はすまなかった。アリスと部屋を掃除してご飯まで作ってくれたんだよな…」


「まぁ勝手にやったこっちが悪いですけどね!この際言わせて下さい!あの部屋はなんですか?子供が暮らせる部屋とは思えません!しかもアリスちゃんのご飯は毎日何を食べさせてるんですか?部屋に全然食材ありませんでしたけど!!あとあの服!全然アリスちゃんにサイズがあってません!」


私は仕事が見つからないイライラもたまって思いっきり八つ当たりで思っていた事をぶちまけた!


はぁはぁと息をするとスッキリしている!


しかし唖然としている男の人の顔をみてしまったと口を抑えた。


言いすぎた…


男の人は私を見た後にアリスちゃんの方を見る。


「この人が言ってることはあってるのか?」


アリスちゃんは済まなそうにコクッと頷いた。


すると…


ドサッ!


男はひざを付いて崩れ落ちた。


「我慢させていたんだな…すまない。どうも子供の事はわからなくて…しかもアリスは無口だから…」


「無口?あなた何言ってるんですか?」


私は再び怒りがふつふつと沸いてきた。




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