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36.ブライアン団長視点

団長のブライアンは、部下のルーカスから最近この騎士団に通っているリナがある令嬢に傷つけられたと聞いて憤怒していた。


リナは子供をあやすのが上手で、騎士団の子供を持つ親達が自分達の子供と嫁さんを連れてきて遊んで貰うこともしばしばだった。


団長のブライアンは娘がいたが、もう大人で子供もいる。可愛い孫がいる年齢だった…


そしてその娘が子供の世話に疲れて元気が無いことをずっと気にしていた。


何となくリナの事を話すと一度孫を連れていきたいと言い、リナは孫のセーラとすんなりと仲良くなっていた。


セーラは一人娘で、中々同じ歳の子と仲良くなれないことを母親の娘は気にしていた。


家のお世話係にも懐かず、娘もセーラにかかりっきりで自分の時間を取れずに塞ぎ込む日が続いていたのだ。


それをあっさりとリナは解決してくれた。


セーラはそれからアリスとも仲良くなり、リナ達と遊ぶ事でお茶会などでも他の令嬢達と関わる事を恐れなくなっていた。


娘もリナにセーラを預けて旦那との時間を過ごす事ができ、スッキリとしてその顔にも笑顔が戻っていた。


リナはただのルーカスの家政婦ではない…私達家族の恩人でもあるのだ。


そんな子を傷つけられた、黙ってる訳にはいかなかった。


急ぐ気持ちを落ち着けながら馬に乗ると門番に目的地を伝え、馬を蹴った。






「これは!これは!ブライアン騎士団長!我が家になんの御用でしょうか!?」


目的地に着くと、お目当ての男は笑顔を浮かべて駆け寄ってきた。


「突然すまないな、ロズワール伯爵。今日はちょっと聞きたいことがあってな…」


「はいはい!なんでしょうか?もしや娘の縁談の事ですか?いい返事が聞けることを楽しみに待っておりました!」


ロズワール伯爵はニヤニヤと笑いながら手を前で擦り合わせる。


「まぁ近いかな、その娘の…名前はなんだったかな?」


「はい!サフランですね」


「ああそうそう、確かそんな名前だった…その娘に言いましたよね?鍛錬の邪魔になるから訓練中は来ないようにと…」


「あっ、そ、その節は申し訳ありませんでした。よく言いまして鍛錬が終わってから行くように言い渡してありましたが…」


「そうですか…今日そのサフラン嬢が騎士団の練習場の近くにて騎士団員の家族に手を挙げましてね…この責任は誰が取ってくれるのかと聞きに来たところです」


「え?」


先程まで笑っていた男の顔がサーっと蒼白になる。


「そ、それは本当にサフランでしょうか!?違う似た娘という事は…」


「ロズワール伯爵の紋章の付いた馬車に乗り込んだと騎士団員が見ております。騎士団員が嘘をついてるとでも?」


ブライアンはロズワールを睨みつけた。


「いえ!決してそのような事は…すみません…娘は今出かけておりまして…話を聞いたらすぐに報告に参りますので…」


ロズワール伯爵は変な汗をかいてヘコヘコと頭を下げている。


すると…


「お父様~!!外の馬って騎士団の方ですか!?まさかルーカス様!?」


当の本人が声を弾ませながら駆けつけてきた。


ブライアンはこの娘かと…元凶をじっと冷たい視線で見つめていた。

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[良い点] みんなからの愛され!ありがとうございます!!
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