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119.バレバレ

「じゃあもう女装はしなくていいかな?」


シモンさんがヤレヤレとカツラを取った。


「でも…怖がる子もいるかもしれませんよ…」


少し残念に思ってそう言うと…


「いや、もうする意味もないだろ?向こうで化粧落としてくるよ」


シモンさんは何か言われる前にそそくさと洗い場に行ってしまった。


「あーあ残念。すごく綺麗だったのに…でも本人達が嫌みたいだからしょうがないね」


私はみんなにも説明してくるとターニャに声をかけて外に向かった。



「ラキさーん」


「はぁ、はぁ…ん?リナ…ちゃん?」


ラキさんは息を切らせて休んでいたようで顔をあげる。


「大丈夫ですか?」


疲れきった様子に水を手渡す。


「ありがとう、この子達…将来騎士に、なれるんじゃ…ないかな?体力おばけだよ…」


渡した水を一気に飲み干してしまった。


「ラキさん早く鬼してよー」


「早く~」


子供達は動かなくなったラキさんの腕を掴んで引っ張っている。


「ちょ、ちょっと待って…俺…じゃなくて私は少し休憩…」


「あはは!!ラキさん私だって~女みたい!」


「え?みたいじゃなくて私は女よ!」


「「「「え?」」」」


子供達は信じられないと真顔になるとジロジロとラキさんを上から下まで眺めた。


ヒソヒソ…ヒソヒソ…


「あれって本気で言ってるのかな?」


「ラキさん残念男子?話を合わせてあげた方がいいかな?」


「無理あるだろ?どう見ても男の人だよ?」


「せっかくかっこいいのにもったいないね」


子供達はコソコソと集まって話し合っていたが、どうやら結論が出たようだ。


「ラキさん…」


一人の男の子が真剣な顔でラキさんの前に立つと…


「僕達はラキさんがどんなでも味方だよ…だから頑張ってね!」


「へ?」


「私もラキさんどっちでも好きだよ。だって楽しいし!」


「うん!可愛いしかっこいい!」


「え?なになに…みんなどうしたの?」


ラキさんが子供達の言葉にわけがわからずに慌てだすと…


「ラキさん…衣服が乱れて化粧も落ちてますよ」


「え!?」


ラキは慌てて頭を抑えるとカツラが取れて無くなってることに気がついた!


「カ、カツラ!」


「ラキさんここにあるよー落としたから端に避けといたの」


女の子がカツラを取ってきてくれた。


「あ、ありがとう…って言うかみんな気がついてたんだ…そうとは知らずに恥ずかしいなぁ~」


あははと笑いながら髪をぐしゃぐしゃと直した。


「シモンさんの方もバレた…と言うか私が言ってしまって、ターニャ達も大丈夫そうなので女装はやめてますから」


「あっそうなんだ!」


「えー!シモンお姉ちゃんも男の人なの!?」


「そっちは気が付かなかった…あんなに綺麗なのに…」


「みんな騙しててごめんね。男の人が苦手な子もいたから警護する為に女の人の格好をしててもらってたんだよ」


「そうだったんだ…でもどっちでもいいけどね!それよりもほらラキさんもう休んだでしょ?続きしようよ!」


「お、おお!よーし!今度は本気で行くぞー」


「みんなー!逃げろー」


「「「「きゃぁ~!!」」」」


ラキさんが走り出すと子供達は蜘蛛の子を散らすよう走り出した。


「ふふ…取り越し苦労だったかな…」


楽しそうなみんなにもう少しでおやつだと伝えて私は家の中に戻ることにした。

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