114.なるように…
修道院に着くと、外では元気に子供達が遊んでいた。
「あっ!リナ姉おはよう!」
「アリスちゃんもいる~!一緒に遊ぼー!」
私達を見ると修道院の子供達が駆け寄ってきた。
「みんなおはよう、早速仲良くなってるね!さすがだよ」
みんなの頭を撫でると、嬉しそうに頬を紅潮させていた。
アリスちゃんはモジモジしながらこちらを見上げる。
仕事に来たと思ってる手前、遊んでいいのか迷ってるようだった。
「アリスちゃんには早速お仕事頼もうかな!」
「えっ?…う、うん…わかった」
お仕事と聞いて遊べないと思い、しゅんと肩を落とした。
「ふふ、アリスちゃんにはみんなの様子を遊びながら見てて欲しいの。元気がない子やけんかする子がいたら知らせに来て欲しいな…」
「え!それがおしごと?」
「そう、大事なお仕事だよ。出来るかな?」
「まかせて!」
ルーカスさんの様に大きく胸を叩いた。
「よろしくね!」
「はーい!みんなあそぼー!」
アリスちゃんは大きく手を上げるとみんなの元にかけて行った!
「じゃあラキは子供達の護衛を。外は任せるよ」
セドナ様がラキさんに指示を出す。
「一緒に遊んでてもいいですよ」
「は、はい…いってきます…わ」
ラキさんはアリスちゃんのあとをついて行った。
幼い子供達はアリスちゃんとラキさんにまかせて私達は修道院の中へと入る。中ではターニャやスジーがシスターとパンを作っていた。
「シスター、おはようございます!」
「あら、リナおはよう。見て見て、この子達本当にいい子なのよ~手先も器用でパン作りもすぐに覚えちゃいそうだわ」
シスターが挨拶をしながら嬉しそうにみんなの肩に手を置く。
「お、おはよう…ございます」
「おはよう」
ターニャ達は気まずげに挨拶をしてきた。
「おはよう!本当にみんなが来てくれて助かりますね」
「本当に…じゃあみんなはさっき教えた通りに生地を作っててくれる?私は少し話して来ますからね」
「はい」
二人はシスターの言う事に素直に頷く。
セドナ様と私、シスターで違う部屋へと向かうことにした。
「シモンは部屋の外で待機しててくれ」
コク…
シモンさんは声を出さないように頷いた。
ターニャ達はそんなシモンさんをじっと見つめている。
そういえば…二人が男の人ってこの子達には言ってしまっていたんだっだ…
少し心配になり様子を見ていたが、ターニャ達がシモンさんに怯えている感じは見受けられなかった。
私達はシスターの部屋に向かうと扉を閉めた。
「セドナ様、言い忘れていたのですが…私ターニャ達にシモンさん達が男の人だと言ってしまっていて…」
セドナ様には伝えておいた方がいいと思い報告する。
「え!?そうなのか…ならシモン達は外して他の者達に変えた方がいいかな…」
「ですけど…さっき見た感じだとターニャ達が怯えてる様子は見えなかったんですよね…」
私は首を傾げた。
「ふーん…それなら少し様子を見てもいいかもしれないな。シスターはどう思われますか?」
「私はあの二人の事すごくいいと思うわ。出来るならあの方達にあのまま任せたいわ」
「シスターがそういうのであれば…こちらは何時でも交代しますので問題があればおっしゃって下さい」
「はい、まぁ大丈夫だと思いますよ」
シスターは意味ありげに笑いながら頷いた。