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100/124

100.お父様

その日は料理の支度だけ手伝った。

あとはシスターと院の子供達に任せることにして、リナ達は屋敷へと戻ることにした。


「みんな、お疲れ様」


外に出るとブライアン団長が少し離れた場所で待っており、隣には馬車が停まっていた。


「あなた」


フレア様が笑顔で声をかけると、ブライアン団長が男の人の顔になってフレア様のそばに歩みよる。


「今日は助かった、ありがとう」


そしてフレア様を抱きしめて頬にキスをすると、


「愛する旦那様の頼みですからね、それに可愛い子供達の…」


フレア様はにっこりと笑ってこちらをみつめた。


なんだか大人な雰囲気につい見つめてしまった。


「あら?リナさんどうしたの?」


エーデル様は慣れたものなのか二人の様子に何も感じて無いようだ。


「い、いえ…お二人共とても素敵で…見入ってしまいました…」


「あら、嬉しいわ。でもラブラブのルーカスさんとリナさんには負けるけど」


「そ!そんなこと…」


リナはだんだんと声が小さくなり、顔を真っ赤にしながら縮こまった。


するとエーデル様がギュッと抱きしめてきた。


「本当に反応が可愛いわ!ルーカスさんが夢中になるのもわかるわね」


「リナ!かわいい!」


「そうだね、リナはかわいい」


エーデル様を真似してアリスちゃんとセーラ様まで足にしがみついて来た。


「もう~二人まで…」


苦笑して屈むとアリスちゃんとセーラ様を抱きしめた。


「今日は二人ともありがとう…二人のおかげですごく助かっちゃった!またみんなと遊んでくれるかな?」


「あそぶー!アリスあたらしいともだちできたから!」


「わたしも構わないわ!小さい子の面倒は見てあげないとね!」


二人とも次はいつ行くのかと楽しみにしている様子だった。


「リナもありがとう、セドナ副隊長から話は聞いてるよ。今回の事は本当に助かったよ」


ブライアン団長が子供にするように頭を撫でてくれた。


アリスちゃん達と同じような扱いになんだかむず痒くなるが…嫌ではなかった。


「ブライアン団長様、セドナさんにも言ったのですが、彼女達の事…これからも時々見に行っても大丈夫でしょうか?」


「うーん…」


するとブライアン団長が渋い顔をして眉間にシワを寄せる。


やはり口を出しすぎたかと謝ろうかとすると…


「その、ブライアン団長様って言うのはよそよそしくないかい?私は君のお父さんになったんだ、頼む時はどう言うのかわかるかな?」


「え?」


ブライアン団長がニコニコと笑顔で待っている。


「えっと…ブライアンお父…様?」


「よくできました」


ブライアン団長は満足そうに頷くと、


「それで話し合った結果、リナには正式に犯罪の被害にあった子供の援助を頼みたいと思っているんだがどうだろう?」


「援助を?」


「ああ、今回の事で改めて被害にあった子供達の心の配慮が大切だと思い知ったよ。男の私達では限界がある…そこでリナになら任せられると思ったんだが…」


「やりたい…やらせてください!」


リナはすぐに返事を返した!


ルーカスさんに会ってアリスちゃんの世話をしたり、傷ついた子供を目の当たりにして、今自分でやりたかったことが見えた気がした。

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