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俺はどういった経路で復讐に手を貸してほしいと頼んだのか、という事と俺が一度殺されていること、そして、時が戻ったこと。
それらの話をしている間魔王はじっとこちらを見ながら静かに聞いていた。
「なるほど。大体理解出来た。勇者の復讐には興味無いが私は勝負に負けている。それは手伝おう。」
とりあえず手を貸してくれるようで安心した。魔王の力と俺がいれば国一つ滅ぼすことができるはずだ。
王や騎士には最大限の絶望を味あわせてあげることが出来る事に喜びを感じる。
「しかし時が戻るか…」
魔王はブツブツと何か考えているようだ。時が戻ることについて何か知っていたりするのだろうか。
「貴様は何故、勇者が魔王を討伐するようになっているか知っているか?」
魔王がそんなこと聞いてくる。勇者が魔王を倒すのは昔からよくある話でそれが当たり前だ。勇者は魔王を倒すために生まれて来るとずっと言われてきた。
「勇者が16になるまで待機するより、王国騎士のような者を復活したばかりの私に送って討伐させる方が効率的だと思わないか?」
魔王の質問について思考を回転させる。魔王を討伐せず、勇者の成長を待つ理由があるとすれば、数で押しても勝てないから?自らを危険に晒したくないから?
いや違う。たとえ数で押せなくても俺の仲間ぐらい強い者なら騎士団の中にも沢山いるはず。
危険に晒したくないとしても、魔王を十数年放っておく方が危険だ。だとすれば、
「勇者にしか倒せないから…」
呟くようにしてそう答える。勇者にしか倒せない、前、仲間と一緒に倒した時は俺じゃなくても魔王にダメージを与えていたはずだから、厳密に言うと勇者でないと魔王にトドメをさせないということになる。
「あぁ、そうだ。勇者にしか魔王は倒せない。逆もまた然り。歴代の勇者は魔王を倒した後、老衰で死んでいるはずだ。」
そう魔王は答えを言う。
あの時王国騎士に殺されたことが時が戻った原因ってことか。
俺がそう言うと、魔王は恐らくそうだろうなと言って肯定する。
勇者や魔王が適切な倒され方をされないと時が戻ってしまうのは分かったが、何故そうなるかは全く分からない。
あるとすれば魔法だが、時を戻すなんて魔法存在するのか?たとえ存在したとしても凄く高難易度のはずだ。そんなものが扱えるのか?
「悩んでも解決しない事は神の所為だと言ってしまえばいい。」
無言で思考を巡らせていた俺に魔王がそんな事を言った。魔王の言葉に少し呆ける。
魔王でも神の所為なんて言うんだな。可笑しくなって笑ってしまう。それもそうだな、と言ってさっきまで考えていた事を思考の隅に移動させる。




