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 荷物を持って剣を腰にかける。大きく息を吸って吐く。次は大丈夫。絶対守りきる。

 たとえ全てを敵に回しても。


「それじゃ、行ってきます。」


 見送るために集まってくれた村の皆の顔をみてそう笑って見せる。両親がそっと俺の肩に手を添えて、気をつけて、と微笑んで言う。ありがとうと言いながら肩に置いてある両親の手を下ろす。


「エリク!絶対無事に帰ってきてね。私ずっと待ってるから!」


 両親が少し俺から離れた後、そう言いながらリラが俺の手を握る。俺はその手を握り返して、もちろんと返事をする。

 手を離して、馬に乗り村を出る。


 さて、前は魔王を討伐するという報告をするために国王の方へと向かったが、今回は国とは逆の方向へと向かう。

 目的の場所は魔王城だ。


 以前、魔王城に足を踏み入れた時、魔王は俺に向かって”待っていた”と言っていた。

 当時は気にならなかったが、魔王は会話することが出来る。魔物との会話は不可能のはずなのに。


 何故魔王が言葉を話せるのかは知らないが、魔王と手を組めれば俺の復讐は完璧なものになる。

 まぁ、本音を言えば俺一人でやりたかったが俺一人で国を潰すのは難しい。


 それに魔王だったら時が巻き戻った理由も知っているかもしれない。


 魔王が手を組んでくれるかも、巻き戻った理由を知っているかも分からないが、その時はその時だ。本来俺一人でやるつもりだったのだから、一人でできないことは無い。


 このまま走り続ければ後数日で魔王城につく。前は凄く長かった道のりだが、障害物を避けず真っ直ぐ進めばすぐだ。


 今思えば、あの長旅は俺の村を襲撃した事を聞かせないようにするためなのかもしれない。

 仲間ただ彼らがずっと俺を欺いていたとは考えたくはないが、彼らは国王に任命された人達だ。可能性はある。


 くそ、腹が立ってきた。今は魔王城へ行くことだけを考えろ。大丈夫だ。次は大丈夫。あの時の俺とは違う。そう自分に言い聞かせる。


 それから2、3日たった頃だろうか。足を止めた先には鬱蒼とした森の中に大きな城が立っている。


 ついた。ここが魔王城だ。体に力が入る。

 魔王と話をしに来た訳だが、話をする前に戦う事になると面倒だ。うまく行くといいんだが。


 深呼吸をした後、魔王城の扉を押す。ギギッと音を立てて城の扉が開いていく。


 中は薄暗く遠くの方が見えずらいが、薄らと人影があるのがわかる。

 その影がゆらりと揺れ、部屋中に声が響く。


「待っていたぞ。勇者。」

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