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 聖遺物を手に入れると言ってもまずどこから手をつけようか。そう考えながら地図をじっと見つめる。確保しないといけない聖遺物は槍、斧、弓、杖の四つだ。俺たちが国を滅ぼした事が他の国に伝わる前に一つは回収しておきたい。ここから一番近い国を狙うか最速で遠くまで行くかのどちらを取るか。


「此処にしよう。ここから一番近い。」


 魔王ーーバラムが机に広げた地図の一箇所を指差しながらそう答えた。

 場所は、鉄の国ボーデン。大陸の東側に位置する国で山に囲まれ領土も広く、鉄鋼業が盛んに行われている。目に見えないものより自ら努力し力を得る主義の人が多く、故に生まれつきの才で大きく左右する魔術より剣を手に取る傾向にある。おかげで武器や防具が充実している。以前に旅の途中に立ち寄った際に新調した装備はどれも良い物で旅が終わる最後まで身につけていた。できれば国が壊れるような事はしたくない。


「どう遺物を回収するか……」


「滅ぼして奪えばいいと言っているだろう。」


「幾つも相手していたらキリがないだろ。それにその国に住む人まで巻き込みたくない。」


「はっ……大国一つ滅ぼした奴の発言だとは思えないな。」


「勇者やってんだ、人を傷つけたくないと思うのは普通だろ。」


 バラムの言う通り国を滅ぼした奴が言うことではないとは思うが、無関係な人間が蹂躙されるのを許容することはできない。急に全てがなくなる無力さは嫌と言うほど思い知った。それを他人に強制したいとは思わない。ボーデンだけでなく他の国でも大事にせずに終わる事ができれば良いのだがバラムが納得するだろうか。


「……じゃあ……どうする?……話し合いでも試みるの?」


 レーナが俺とバラムの言い合いに割り込むようにそう言ってじっとこちらを見る。レーナはどちらの意見だろうか。たとえ2人の意見と食い違っても無闇矢鱈に国を滅ぼすのは反対だ。俺は勿論、レーナやバラムもボーデンには何の恨みもないはずだ。


「そうだな、まずは話合って見よう。」


「正気か?私達は所謂犯罪者だぞ。」


「わかってる。俺に考えがあるんだ。一度だけ付き合ってくれ、上手くいかなかったらバラムの言う通りにしよう。」


バラムは呆れた様にため息を吐いて不服そうにこちらを見る。視線は痛いが、

承諾という事でよさそうだ。レーナにも確認を取ると何でもいいという返事が来る。とりあえずは国を滅ぼさなくてよさそうだ。


「それで計画だけど、2人に頼みたいことがある。」


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