表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/1

彼女の19年間

この街はもう4月の中旬に差し掛かろうっていうのに暖かい日差しとは無縁だ。地元から遠く離れた国立大学の教育学部に無事合格できたのはいいが、まだこの街に慣れない。講義を受ける中で最近よく聞く言葉がある。「相手のことを想像して話しなさい。」だ。これは、今後児童と関わる時に自分の当たり前だけで考えるなということらしい。さすがは教育学部だ。将来、教員になることを前提として考えられている。だけど、私はいつも疑問に思う。この言葉を言う教授たちは本当に想像して発言しているのか。私が地元から離れて1人暮らしをしてると知るとあなた達は「そうなのか、山吹君。お母さんが心配してるだろう。」なんて軽々しく口にするじゃないか。当たり前のように家族の話をするじゃないか。少しでも想像したか?軽々しく家族の話をできない人のことを。あんた達は想像しろと言う割に想像しない。当たり前のように両親がいると考え、幸せな家庭を想像する。それは悪いことじゃない。私だって友達と話すときにお母さんはとついつい声をかけてしまう。だけど、常に想像しろと言うなら想像して欲しい。私の19年間を。これから話すことを。それが想像できないことだとしても。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ