表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。
この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。
苦手な方はご注意ください。

ある男の最期を記したノート

作者: 朝久

ああ、だめだ、やっぱり、脱出なんてできっこなかったんだ


これを読んでるお前、そうお前だ


お前はもう手遅れだ


死ぬしかない


死ぬしかないんだ


逃げられない


今、俺がいる部屋の隣で、ヤツがあばれてる


俺は何度も逃げた、チャンスがあれば逃げた


何度も幸運が味方して、ここまでこれたが


それだけだった


(字が震えていて読めない)


アイツはどこまでも追いかけてくる


逃げても逃げても、やつは俺のだいたいの位置がわかるみたいなんだ


こんなことをかいて何の意味があるかはわからないが、(涙か汗でかすれて読めない)


アイツは人の好奇心を利用するんだ


おまえは他人に無関心でいられるか?


隣座ったばぁさんが、突然苦しみ出したらおまえはどうする


助けようなんて考えるな


ヤツはそういう、興味とか、使命感とか…ああ、もうなんでもいい


とにかく、そういった心理を利用するんだ


いいか、もし、ここから出られたら、もしヤツから逃げ切ったら


他人とかかわろうなんて思うな、一切の接触を断って、山奥や無人島で暮らすんだ


ああ、血が止まらない、俺はもうすぐ死ぬ


ヤツがここに入ってくる前に死にたい


(血で濡れて読めない)


デスクにいつの間にかある、だれのかわからないノートとか、それが合図なんだ


俺の時は携帯電話だった、ちょっと画面を確認しようとしたら、おそかった


なんだろうと思っても、ぜったいにさわったり、ひらいたりしちゃだめだ


知らない人から名前をよばれても、返事を、するな


俺の部屋のドアが殴られてる


死にたくない

死にたくない

死にたくない

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 記したものを読んで、怪奇現象に襲われ、それを記して、また別の人間が読む、という恐ろしい無限ループが面白かったです。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ