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カーリーの災難?5

投稿いたします。

宜しくお願いします。

「う、ん、んんん・・・・! ここは?!」


「ようやくお目覚めですかな? お嬢さん。」


カーリーは目を覚ますと、まだぼーっとしている頭を軽く振りながら、男の声のする方に視線を向ける。

まだ焦点が合わないのか、霞んで見えていたが注視することでだんだんとその存在がはっきりしてきた。


「あなたは?」


「覚えてあられませんかな? 王城で一度お会いしておりますけどね。」


薄気味悪い笑みを浮かべながら、見下ろすようにしている男性をカーリーはじっくりと眺め観察する。


「あ?!」


「やっと思い出してくれましたか。」


やれやれといった具合に大きく体を左右に振りながらため息をつく男。


「あなたは確か、ローエンさん?」


「そうです。私はこの王国の魔術省で最高責任者を勤めますローエンと申します。」


右手を胸に当て、軽くお辞儀をするローエン。


「あなた?王国の役人さんでしょ? こんなことして良いと思ってるの?」


カーリーが問うと笑みを浮かべたまま、カーリーの方に近づいてきた。

さすがに気味の悪い笑顔で近づかれてので避けようと体を動かそうとするが、手足が何かに引っ張られうまく動くことが出来ない事に気付く。


「!」


「無駄ですよ。あなたが寝ている間に手足を拘束させていただきました。なかなか良い格好ですよ。」


慌ててカーリーは自分の手足の先を確認しようとするが、手足が引っ張られ顔だけしか動かせなかったのではっきりとは判らなかったが、どうも石積みされた壁に固定された金属に鎖で繋がれ大の字のような格好で立たされているようだった。

しかも、上着は脱がされ手甲や防具も全て取り外されているようだった。

これには少し焦るカーリーだったが、上シャツとスカートは脱がされていなかったので少しホッとしたようだ。


「武器とか仕込まれているといけませんから取り外せる物は全て取り外させていただきましたが、何故かシャツとスカートは外せませんでしたね? 何かの結界魔術がかけられているんですかね? この部屋自体魔術結界を施しているので魔術や魔法は発生しないはずなんですが、相当特殊なアイテムのようですね。」


脱がせなかったのが残念だったのか、ローエンは嫌そうな顔をしながらカーリーの全身をくまなく観察するように見続けている。

さすがにこれはカーリーも気持ち悪かったが我慢してローエンを睨みかえした。


「気持ち悪いおじさんですね。この服は母さんが使用してた物だからそこらへんの物とは違うんですよ!」


「なるほどジェナさんの魔装具ですか。それならば納得ですね。あの方は物凄く有名な冒険者ですからね。」


そういうと仕方無いといった感じで一度後ろに下がると改めてカーリーの方に向きなるローエン。


「まあ良いです。あなたを誘拐した事はカルディナ姫に伝わるよう先ほど使者を送りましたので、もうじきこちらに一人で来られると思いますよ。そうすればお二人を拘束してから、自分たちで服を脱いで貰うようにお願いしますから。」


「はあ? なんで自分で脱がなきゃいけないのよ!」


「それは簡単ですよ。どちらかを傷付けていけばどちらともなく、お願いすれば脱いでくれるでしょ?」


カーリーは始めて悪寒を感じた。

こんな気持ち悪い男性がいるのは知識では知っていたが、それが目の前に立たれるとこれだけ気持ち悪いのだと初めて知った。


「さすがに裸にしないと、何を持っているか心配ですしね。それに体の中にも何か隠しているかもしれませんから徹底的に調べてから、生贄としてクドエルド様に送る事が出来ませんからね。」


先ほどよりもさらに強い悪寒を感じながらそれに耐え、カーリーは正面にいるローエンを睨みつける。


「クドエルド? あの鬼の事? あなたはあの鬼の部下なの?」


「はあ? あなたクドエルド様と言いなさい。様ですよ。あの方は悪鬼、そして鬼の世界を再びこの地に蘇らせてくださる鬼の王となられるお方なんですよ。あなたはその鬼の復活の礎として贄として選ばれたんです。光栄に思うことです。」

読んでいただき有り難うございます。

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