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カーリーの災難?3

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『カーリー様からの伝言を白狼王から念話が届きました。』


エルがタクミにカーリーからの伝言だと念話をしてきた。


『伝言? わざわざシロを介して? 一体何だろう?』


『はい、内容はこうです。「ちょっと行って来るので注意しといてね。」 だそうです。』


タクミは、不思議に思ったがその言葉に何かを感じていた。


『う~ん、何か危ない事に首を突っ込んで行きそうな気がするんだけど。』


『可能性は高いですね。その後念話は途切れてこちらからの呼びかけに応じません。それに現時点での居場所が確認出来ません。』


『居場所が判らないって、エルとシロは神と眷属との関係で意思疎通が完璧のはずだと思ったけど?』


『はい、普通ならそれぞれの居場所は同じ世界にいれば解ります。それが確認出来ないんです。まさか神界域に入ったとも思えませんし、故意に閉ざしているとしか思えません。』


『それはどういった可能性があるの?』


『そうですね。私とシロの意思疎通はある一定の聖人核等を持った人間ならそれとなく感知できるので、それを防ぐ為にわざと途絶させている可能性はありますね。』


『つまり、何か良からぬ事に不本意ながら巻き込まれたか、それともわざと巻き込まれたのか判らないが気付かれたく無いので途絶させていると云う事かな?』


『はい、その可能性はありますね。カーリー様が自分の力に過信があればなおのことでしょう。』


僕は少し考えてから、エルに指示を出した。


『取り合えず、追跡可能か確認してもらえる? 何かあった時に直ぐ対応できるようにね。』


『了解しました。』


カーリー、余り無茶しないように頼むよ。

僕が心配していると、それが判ったのかヴェルデ達が僕の方に集まって来てくれた。


「どうかした?タクミ。」


「ん? ああ、ちょっとね。カーリーが行方不明になったかもしれないんだ。」


「えええええ!!」


「タ、タクミ! ちょっと何落ち着いてるのよ!」


ヴェルデが代表して僕にツッコミを入れて来る。


「ゴメン、言い方が悪かった。つまり何かしらのトラブル要素に遭遇して、自分からそのトラブルに首を突っ込んで行ったんじゃないかって事。」


「う、何かカーリーならやりそうな気がする。」


ヴェルデも判っているのでそれ以上騒ぐことは止めてくれた。


「で、どうすんのよ? このまま待つわけ?」


ヴェルデが今後の方針を聴こうと質問してきた。


「まず、僕たちは次何が起こっても良いようにカーリーとの連絡がつくまでは、一緒に居た方が良いと思うので、カーリーが最後に確認出来た場所の近くで宿をとって待機しようと思うんだ。」


「皆で、ですか?」


フラムが再度確認してきた。


「そうだよ? 出来れば城の近くで貴族とかがあまり出入りしていない宿が良いんだけどね。何処か無いかな?」


「あ、それでしたら冒険者ギルドと提携してる宿が幾つかありますけど?」


ギルドの受付嬢で、なんとなく僕達の専属担当になったルイルさんが提案してきた。


「良いですね、それ。全員で7人泊まれるか紹介してもらえますか?」


「早速手配します!」


そう言い残しルイルさんはギルドの応接室を足早に出て行った。


「それで、宿に入る前に、ヴェルデとカルディナにはお願いがあるんだけど、良いかな?」


「何? タクミのお願いなら何だって聞くわよ!」


「わ、私もお役にたつなら何でも致します!」


二人して僕に勢い良く迫ってくる。

いや、そこまで気張らなくても良いんだけどね。


「多分、今回の件はカーリーに誰かが接触して来たんだと思うんだ。そしてその誰かとなると、鬼に関係する者かなって思うんだよね。」


皆が息を合わせて頷いてくる。

何か合唱コンクールの指導をしている指揮者の気分だね。


「で、鬼関連となると今のところ、大学か王家もしくは貴族絡みだと思うんだ。そこでヴェルデには大学へ、カルディナには、お城に行ってもらってそれとなく探ってみて欲しいんだ。」


「わかったわ! なんらかの動きがあったら知らせればいいんだね?」


「そう、お願いできるかな?」


「「もちろんです! よ!」」


二人の返事を聞いて僕は立ち上がる。


「それじゃあ、後の皆はその宿へ移動しようか。」


「でも、タクミ様。全員って過剰戦力じゃないですか? それにこの街から出るという事も考えられますけど大丈夫なんでしょうか?」


ルゼリアが僕に忠告してくれる。

さすが、この中で一番の常識人だ。冷静な判断出来ることはこれからも凄く助かる。


「ありがとう、ルゼリア。忠告ちゃんと考えるよ。ただ多分今回はカーリーを狙ってきたってことは最終的には僕達の事も狙っているんだろうから、僕達が街を出ない限り大丈夫じないかな?」


「解りました。でも全員で事に当たるんですか?」


「まあね、カーリーを狙ったんだそれなりの酬いは受けてもらおうかなってね。」


僕はにこやかに答えた、つもりだったのだけど、皆の顔が少し怖がっているけどどうしたんだろう?

ともかく、僕達は行動に移す事にした。


//////


「今のタクミ君、凄く怖かった。」

「うん、タッ君ってあんな表情もするんだ。」

「たぶん、カーリーさんが狙われた事が相当頭にきてるんじゃないかしら。」

「わらわも、誘拐されたら助けてくれるのかな?」

「それだけ、皆を大切に思ってるってことじゃろ?」


「うん、そうだね。」













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