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カーリーの災難?2

遅くなり申し訳ありません。投稿致しました。

カーリーは母、ジェナが泊まる宿屋へと向かって王都の路地を歩いていた。

ジェナが冒険者として活躍していた頃からの馴染みの宿屋らしく、王都の中でいえば繁華街より一つ裏に入った住宅が密集している中にあるようだ。

そんあ細い道を迷う事なく進むカーリー。

以前数度、ジェナと王都を訪れた事があった時にも、その宿屋を使っていたので、おおよその記憶で道順を何となく覚えていたことと、カーリーの白狼王を使役していら、獣特有の感というべきか探知能力と云うべきかそういった類の力が強くなっていて、その宿の方向が何となく判ってしまうようだった。

カーリーは迷う事なく歩いていると、細い路地から、少し開けた広場の様なところに出た。

そこには住宅が囲む様になっていて中心には石で出来たリレーフに座るところが作られたベンチが据えられていた。


『シロ、誰か来てるよね?』


唐突にカーリーはシロに念話で確認するように質問する。


『はい、人が5人程、三方向の路地からこちらに向かって歩いて来ます。しかもカーリー様を認識した上で様子を見ながら近づいてます。』


『何だろう? 窃盗? 誘拐? それにしては動きが統率されているようね。』


『はい、何かしら訓練を受けた者のようですね。それに少し嫌な臭いがします。』


『そうなの?』


『はい、これは鬼の臭いですね。ただしそれほど強い者ではありませんが、5人とも同じ臭いがするのは少し気掛かりです。』


『完全に私達が狙いって感じだよね。ここは様子をみよう。向こうがどうでるかそれを確認して次の行動をきめよう。』


『はい。』


シロとの話し合いが終わってほんの少しすると、カーリーが歩いてきた方向から二人の黒ずくめの男が、路地からこの広場に現れた。


「カーリー・マリガン様でいらっしゃいますね?」


その黒ずくめの男?の中性的な声が、カーリーであることを確認してきた。


「あなた達は?」


カーリーはなるべく身構えないように心がけながら、黒ずくめの男に話しかける。


「私共は冒険者組合の者です。ジェナ様よりあなた様をとある場所までお連れするよう承りました。」


深々とお辞儀をする二人の黒ずくめの男達。


「母様がですか?」


「はい。」


「何か渡したい物があるとかで、それが保管してある所にお連れするようにとの事でした。」


淀み無く喋るその姿に不自然なところは無いけど、カーリーは何か引っ掛かるものを感じていた。


「渡したい物ですか? それはどういった物なんでしょうか?」


「それは私どもは聞いてはおりません。」


「そうですか。」


『カーリー様。物凄く胡散臭いですよ。』


『そうね。これだけ鬼の気配が出しといて気付かないとでも思ってるのかしら?』


『どう致しましょう? 殺しますか?』


『私に考えがあるから、そのまま様子だけ伺ってて。それと不信がられるとまずいから、エル様に一言だけ念話しておいてもらえる?』


『はい。了解致しました。それともし危険と察知しましたら勝手にカーリー様をお守り致しますので。』


『その辺は任せます。』


「あのー何か不都合でもありましたでしょうか?」


急に黙ったまま、立ち尽くしてしまったカーリーを不信に思ったのか、一人の黒ずくめの男が聞きてきた。


「あー、ゴメンなさい。ちょっと考えていましたから。取り合えず了解致しました。本当かどうかは疑わしいところですが、もし本当なら母様に殺されますからね。」


「は、は、そんな。何も嘘はございませんよ?」


黒ずくめで顔が解りにくいけど、口がにやけているとカーリーは思えた。


「では、私どもと、ご同行お願いします。」


黒ずくめの二人の男は手を指しだしこちらへと促す様に誘うと、カーリーはそれに乗り二人の男について街の中へと歩き出す。


読んでいただき有り難うございます。

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