公爵令嬢争奪真竜対決 11
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読んでいただき感想等お待ちしてます。
暴れる真竜にしがみつきながら、術を行使続けるタクミ。
しかし暴れ続けるのでタクミもだんだんとしがみつけなくなって行く。
「まずい!まだ解呪に時間がかかる! みんな、なんとか真竜の動きを封じてくれ!」
「任せて!!」 「任すのじゃ!!」
カーリーとクロちゃんが同時に返事をして、左右の真竜の足元にそれぞれが立つ。
「「せーの!」」
二人は息を合わせ、足の腱目掛けて思いっ切り蹴りを入れた!
「ドゥッガアアアンン!!!」
蹴り上げられた真竜の両足は宙へと跳ね上がり、大きくバランスを崩すとそのまま仰向けに倒れるはずだった。
しかし真竜は宙に浮かされた体をその体制で留め空中で止まったのだ。
「浮遊術じゃ! このままじゃ直ぐに体制を戻されるぞ!」
クロちゃんが叫ぶと同時に、上空から仰向け状態の真竜の腹目掛けて、カーリーが弾丸の様に突っ込んでいった!
「ドン! ドゥオガーーーーーンンンン!!!!」
カーリーの体当たりの勢いに地面に叩きつけられる真竜。
「良し! カーリーナイス! 今度は私の番!」
ヴェルデは、叩きつけられた真竜目掛けて、魔術を放つ!
「樹縛結界!」
ヴェルデの放った魔術陣が真竜の首下と両足下に現れ、瞬時に蔦が出現すると真竜を地面に縛り付けた。
拘束された真竜は首の蔦を外そうと両手でもがこうとするが、クロちゃんとカーリーが掴まえ体ごとで押さえにかかる。
体ごと地面に押さえ付けられた為、攻撃力の高い尾も自由に動けなくなり、完全にその動きを止めた。
「よし! みんなその体制で維持してくれ!」
タクミがみんなに指示を出していると、体が動かない真竜が大きく口を天空に向け開けたのだ。
そこへ凄まじい魔素が集まり練られる膨大な魔力となっていく。
真竜は大きく膨れ上がった、魔力を体内に凝縮しそれを一気に口から吐き出す!
「竜の雷撃! 真上に打ち出したよ!?」
カーリーの言葉に皆が真竜の口から吐き出される雷撃の柱を見、それから吹き出された上空の先に視線を移した。
「何!? あれ?!」
ヴェルデが叫んだ。
上空に放たれた雷撃が渦を巻き、ひと塊の球体を作り始めていた。
それは吐き出される雷撃を受けて徐々に大きくなって行く。
すると唐突に雷撃を吹き出すのを止めた真竜が一瞬笑ったように見えた。
「グゥウォーーーーーーーーーー!!」
同時に咆哮を上げると、一瞬その雷撃の固まりが縮小したように見えた。
「まずい!! 炎陣!炎燃結界!!」
フラムはその一瞬を見逃さなかった。
「バッ!バリバリバリバリ!!」
その光の球が轟音と共に弾け飛んだ!
それは幾つもの雷の柱を作り、真竜とそれを押さえる奥さん達目掛けて降り注いで来た!
「きゃっ! ちっ!」
真竜を押さえている皆は当然身動きでないので直撃を受けるはずだった。
しかし降り注ぐより一瞬早く、フラムが展開した結界が奥さん達の数メートル先に発現し、その雷撃を受け止めた。
雷撃は容赦なく炎の結界に突き刺さるが、それを吸収するように雷撃を防いで見せた。
「なんとか間に合ったよ。」
フラムは結界を維持しながら、取り合えず攻撃を防げた事に安堵してた。
「ナイスよ! フラム! このまま維持して! タクミ! 後は任せたわよ!」
ヴェルデの声に、タクミが大きく頷く。
「ありがとう! よし!これで一気に解呪するよ!」
『エル!補助お願い!』
『解りました!』
タクミは一呼吸をおいて、さらに光属性の力を強め真竜の奥底に留まる呪縛の術式を探し解析を始めた。
意識をどんどんと集中し、真竜の意識の世界へと入り込んで行く。
『た・・・たす・・け・』
タクミは、声が聞こえたような気がした。
『誰!?』
タクミはさらに意識を集中しさらに奥へと進む。
『タクミ様! あまり深く入りすぎると体と意識が分離してしまいますよ! そうなると、二度とご自分の体に戻れず、この真竜の意識の中に取り残されてしまいます!』
『でも、呪縛の魔術式がかなり意識の奥に刷り込まれているようでなかなか届かないんだ。それに今、誰かの声が聞こえなかった?』
『はい、確かに聞こえました。多分、真竜の意思、心ではないでしょうか。』
『エルもそう思う? この呪縛の術に捕われていた、真竜の意識が僕の力で少し弱まって表に出てきているのかもしれない。』
『だからもう少し奥に踏み入るよ!』
『・・判りました。私も、全力で補助致します!』
『よし!行くよ!!』
タクミは光属性に神核の力を乗せ、声のしただろう方向に意識を集中する。
声が真竜のものなら、そこに呪縛紋の起動術が打ち込まれているはず。
その起動術に神核の力を注ぎ破壊すれば、呪縛の術が解かれる。
そう、思いタクミは一所懸命に探る。
『たす・けて。』
先ほどの声が、先ほどよりも鮮明に聞こえて来た。
『近い?』
『お願い、だ・誰か、私を殺して。』
『何処だ! 応えてくれ! 君を助けてあげる! だから、応えてくれ!』
タクミは必死に呼びかけた。
『だ、れ? 誰かいるの?』
弱々しい声だった。
タクミは何か心に引っ掛かるものを感じたがそれが何かは解らなかった。
とにかく今はこの声の主、真竜の意識を解放してあげないと。
『君は、真竜の心なのか! 姿があるなら見せてくれないか!!』
タクミは必死に周囲を探る。
しかし、声の主の姿は見えない。
じっさいに意識に姿がある訳ではないが、個人のイメージで力あるものは自分の意識を相手に見せる事が出来るのだ。
『だめ、こんな、こんな辱めを受けた姿をお見せする事は出来ません。それより、今私の本体を拘束しているのは貴方のお仲間ですか?』
『ああ、そうだよ。手荒な真似してごめんね。』
『いえ、むしろ好都合です。このまま、私を殺してください!』
弱々しい声だったが、強い意思を感じたタクミだったがその言葉に首を縦に振る事はしなかった。
『僕は、助けに来たんだ。君をこの呪いから必ず助けると思ってここまで来たんだ! だから殺してだなんて言われても絶対に嫌だからね。』
タクミはその声にきっぱりと断る。
『無理です。この結界は悪鬼の作り出した、最上位魔術による呪いなのです。それは神にも等しい力なんです。ここまで来れた貴方は人としては最上なのでしょうが、神にも等しい力を持つ悪鬼の術を破る事は到底出来ないでしょう。』
その言葉は淡々と語られ、何も期待していない事がわかる。
『それなら大丈夫!』
『え?』
その声の主、真竜は、侵入してきた男の子の姿を見ていた。
その男の子は自信満々に大丈夫と言って微笑んでいる。
何だろう?あの笑顔を見ていると凄く安心できる。
『とにかく姿を見せてくれないか? 多分、そこに呪縛紋の起動術があるんだよね。それを僕が壊す!』
『・・・・・・・・・・・・』
声の主からは返答が無い。
だけど否定もして来なかった。
『それにここには僕だけじゃなくて、もっと心強い人もいるから大丈夫だよ。』
『え? もう一人ですか? そうか、何か大きな意思が別にあるとは思ってたんです。』
応えてくれた。
もう一押しか。
『エル!』
『はい。私は、タクミ様に従うもの、神エルカシアです。真竜よ、あなたにも感じられますか? タクミ様は我等、神界が認めたお方なんです。悪鬼にも負けない力を有しています。もちろん私も補助しますので、あなたの呪いを解く事も可能です。しかし、それにはあなたが姿を現してくれないと出来ないのですよ。』
『・・・・・・・・・ エルカシア? 神エルカシアと言いましたか?』
タクミは声の主の声色が変わった事に気づいた。
あれ?何か怒ってないか?
『もう一度お聞きします。今の声の主は、神エルカシアさまでよろしいのでしょうか?』
ありがとうございます。




