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転生先で最強の元奥さん達?が待っている。~これはハーレムと言って良いのだろうか?~  作者: ユウヒ シンジ
第5章 ラングトン大学 始動編
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大学ライフ 女性達は語る5

投稿致します。

感想、評価がありましたらお待ちしております。

作品作成の向上の為にも、よろしくお願い致します。

「おーい、カーリー何処にいるの?」


ヴェルデは、室内浴場から出るガラス板で作られた引き戸を引き、室内よりさらに大きな湯舟がある石作りの露天風呂に出て来ていた。

タオルも巻かずに出てきたので、外の空気を身体全体で感じる事ができると室内浴場で火照った身体が心地好く熱を逃がして行ってくれた。

気持ち良くなったヴェルデだがカーリーからは返事が無かった。


「カーリー!お風呂上がるわよ!」


露天風呂の周りは大小様々な石を10メートルくらいの高さまで積み上げて周りを囲う様に作られているので何処かに行くはずもないのだが。


「カーリー!!」


「ハアーイ!ここだよヴェルデ姉様。」


カーリーは、ヴェルデから前世の事を色々聞いてからは、ヴェルデとフラムの事を姉様と呼ぶようになっていた。


「何処よ、ってあんた!何してるの!」


ヴェルデは目を疑った。

タオルを一枚だけ身体に纏っただけの姿で石積みの壁をよじ登っていたのだ。

ちょうど下に居たヴェルデは見上げる格好になってしまい、カーリーの何も付けていないものを目の当たりにしてしまう。


「カ、カーリー!ま、丸見えよ!」


「え?ちゃんと前、隠してるよ?」


「下よ、下!」


「え?ああ本当だ。でも別に姉様に見られても問題無いですよ?」


そう言いながらまだ上に向かって上って行く。

石の淵に足を掛けて登るものだから、足が開いてしまいヴェルデからはとんでもない格好で見えてしまったいた。


「こら!女の子がはしたないわよ! 下りてらっしゃい!」


「えー、でもこの向こうにタクミ君が居るんだよ?」


「え?」


カーリーの言葉に敏感に反応したヴェルデは、今、自分がどんな格好なのかを忘れて石積みの壁に身体能力だけで跳び上がりへばり付いた。

魔力での身体強化をすればこんな壁一発なんだけど、そんな事をすればタクミの魔力探知で直ぐ判ってしまうからだ。


「ほ、本当何でしょうね。」


「本当だよ? 今、エルとシロと一緒に露天風呂に入っているって、シロが教えてくれたもの。」


「そ、そうなんだ。でも、カーリーはどうしてタクミを覗こうと思ったの?」


「え?だって母様が教えてくれたのよ。露天風呂があって男女を分ける壁があればそれを登って異性にアタックするもんだって。」


なんちゅう母親だ、と思いながらもナイス、カーリーのママさんとも思っていた。

ただ、力ずくでのアタックもいいがやはりここは古典に(のっと)って、密かに覗くのがセオリーというものではなかろうか?

ヴェルデはそう思い当たると、どっから出したのか薄い布を取りだし、頭から被ると鼻のところでキュッと結んだ。


「どうしたんですか?その格好?」


「ふっ、これこそ旦那様の全てを覗く時の正装、くノ一(くのいち)スタイルよ。さあ、カーリーもするのよ。」


そう言うと、どこからともなく色違いの布を取りだしカーリーに手渡す。

カーリーは何の疑問も持たずに、同じ様に頭から被って鼻のところで結んだ。


「さあ、行くわよ。」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


一方、隣の露天風呂では、タクミとエルとシロが湯舟に浸かり寛いでいた。


「シロ、まあ先ずは一献。」


「タクミ様に、この様な事をさせて恐縮でございます。」


タクミが陶器で出来た小瓶から、白濁した酒を湯舟に浮かべたお盆の上の大きめの器に注ぎ、シロに勧める。

シロは恐縮しお辞儀をすると、シロの顔が湯の中に埋没してしまった。

タクミがいいよ、いいよとと言って顔を上げさせる。


「では、頂きます。」


今、タクミ達は念話では無く直接声で話ている。

本当は神獣なのだが、隠すために聖獣としているてまえ、会話が出来る事自体が問題になるため普段は念話で、こうして誰もいない時は直接言葉で話していた。

シロはお盆の上の器に注がれたお酒を、舌で器用に舐め取りながら呑み始めた。


「これはなかなかに美味しいですな。よく人がお供えとして我が祠に供えた酒を飲むことはありましたがここまで洗練された物は初めてやもしれません。」


シロはこの酒が気に入ったようだ。

このお酒本当は大学に置いては無い物だが、教職員用という事で厳重に保管されているものをヴェルデが、神獣様にとタクミに渡していたものだった。


「さすがヴェルデだね。後で褒めてあげないといけないな。何か、プレゼントでもしてあげようかな?」


「ゴン!」


「あれ?何か音しなかった?」


「さあ、気のせいでは? それよりタクミ様は呑まないのですか?」


「さすがに、身体年齢が8才じゃあ呑めないよ。あ!遠慮しなくていいからね。呑まなくても、なんかこういう雰囲気久しぶりな気がして楽しいからね。」


タクミは前世での男友達との酒の席を思いだしていた。


奥さんと呑むのも良いけど、男同士で呑む酒はまた違うからね。


「それより、エルは呑まないの?」


タクミの周りを湯舟に身体を浮かせながら時々湯に潜ったりして寛いでいるエルに聞いてみた。


「私は、大丈夫です。結構忙しく楽しんでいますから。」


「?」


タクミは、エルの忙しいという意味が解らなかったがまあ本人が楽しんでいるのなら良いかとスルーする。


こんな役得、堪能するのに忙しくてお酒なんか呑んでいられますか。

こうやって潜れば、タクミ様の全てが・・・


こんな風にエルが楽しんでいる事に気付かないタクミだった。


「シロ、これからもカーリーの事、守ってやってね。出来ればだけど、ヴェルデやフラムの事もお願いしたいんだけど、良いかな?」


「勿論ですとも。言うなれば、カーリー様もヴェルデ様もフラム様も元は同じ人物であった訳ですし、なんら問題はありません。」


シロはタクミの願いを問題ないと快く受けてくれた。


「良かった、これでちょっと安心できるよ。ただ、やっぱりカーリーを一番に守ってやってね。」


「それはどういう事で。」


「いや、別に大切という意味では皆同じくらい大切だから差なんかないけど、ああ見えてカーリーはまだ7才だからね。」

「いくら格闘が強くても前世の記憶が戻っていない分、圧倒的に経験が少ないから、ヴェルデ達と同格に考えるのは危険だと思うんだ。」

「好きな女の子に怪我なんかさせたくないからね。」


「ゴ、ゴン!!」


「あれ?また変な音しなかった?」


「はい、今度はわしにも聞こえましたぞ。」


タクミとシロは音のした方に視線を向け何かあるのかと探しはじめた。

読んでいただいてありがとうございます。


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