大学ライフ 女性達は語る4
大変申し訳ないのですが、女性達は語る3の内容を差し替え、女性達は語る4を追加投稿いたしました。
女性たちは語る3は投稿した後、どうにも構成や話しの進み方がおかしく感じてしまったので変更いたしました。
読んでいただいている方には大変申し訳ありません。
今後は気を付けますので引き続き読んでいただけると幸です。
「そんなに皇太子様のご兄弟って色情魔で人間の屑だったんですね。」
今までじっとヴェルデ達の話を湯舟に浸かりながら聞いていたルゼが半分感心するように頷いていた。
聞かれていたらルゼも不敬罪確定だね。
「ああ、噂の王家不良兄弟ですか。六花亭にくるお客様も時々話してますね。男性客は面白そうに話しますけど、内容を聞くと女の敵の何者でもないですね。」
ルゼの隣で浴槽の縁に座り、その見事なまでのプロポーションをみんなに見せつけていたクロちゃんが働いている六花亭での噂話を思い出して話に続いた。
「まだ、私も働いて数日しかないですけど、あの王家三兄弟の噂は酷いものです。先王妃の子供で甘やかされて育ったせいか、素行が悪く、王族以外の人間をただの道具かペットの様に考えているんじゃないかと話してましたよ。それに、この兄弟に仕えたメイドは、まず間違いなく手ごめにされ、使用人への虐待は当然の如く行われ、平民にはちょっとしたことで直ぐ不敬罪を適用すると言う、存在しないほうが世の為みたいな連中だそうですよ。」
カルディナの話しや巷での噂通りなら、三馬鹿の誰かと結婚すると彼女の身の保障は期待できない。
それは命というより女性としての尊厳の保障がだ。
ヴェルデは改めてカルディナに協力しようと誓うのだがどうやってそれを阻止するのかが解らなかった。
「カルディナ。どうやって婚約破棄させるの? 相手は皇太子を始めとする王族よ? いくら私達にとってタクミが王族よりも大切な存在であっても、対外的にはただの平民でなんの権力も持たない少年なのよ?」
例えばこれが、どこぞの国の王子とかなら話は違うのだろうが。
「それは大丈夫です。今の王妃、セスティナ伯母様に色々画策していただいて、婚約を破棄出来る条件を作っていただきましたの。」
「へー、相変わらず策士だね、セスティナ様は。」
ヴェルデがちょっと懐かしそうに言うのでカルディナは不思議に思った。
「ヴェルデ先生って、伯母様と親しい仲でしたの?」
「うん、まあね。その昔ちょっとお世話になって以来の仲だよ。」
「そうだね、あの時も大変だったよね。」
ヴェルデに次いでフラムも話しに加わって来た。
「お二人ともなんですか。では、伯母様の性格も良くご存知ですよね?」
あーなんか嫌な予感がすると、ヴェルデとフラムが顔を見合わす。
「その条件なんですが、王族、貴族、商人、町人、農民、問わず、国に有益となる存在と認められた者が現れれば、その者を私の夫に迎えるというものです。」
「つまりそれはどういった者を言うのかな?」
「簡単です。勇者です。」
ヴェルデとフラムは、頭を抱えやっぱりと小さく呟いていた。
「勇者って簡単に言うけどね、そんな簡単に活躍して認められるものじゃないんだよ?!」
フラムが珍しく突っ込んでいた。
冒険者をしているフラムにとって、勇者は憧れではあるが、トリプルSクラスの事を言っていて、この300年は不在状態であり、フラムでもまだ自信が無い領域の存在なのだ。
まだ、自信が無いと言うのも凄い事なんだけど。
「その辺りも大丈夫です。教会があるものを準備したそうです。それを倒せば勇者の称号を与えられます。」
「教会って?」
「パデュロス神教会です。裁定と称号の授与もパデュロス教会の大司教がなさるので、王族からの圧力も無縁ですので平等な裁定が可能です。」
カルディナは全く問題ないと言わんばかりに力強く言っているけど、ヴェルデ達にとても簡単に行くようなものでは無い気がしていた。
「はあ、それで、その用意したものって何?」
「それはですねえ・・」
ちょっと勿体振るカルディナ。
「真竜です!」
「バコッ!!」
言うのが早いか、フラムが間髪入れずカルディナ頭を思いっきり小突いていた。
「痛ーい!何するんですかフラム先輩!」
頭を摩りながら、殴ったフラムに文句を言うカルディナだが、フラムの手加減無しの拳に耐えるカルディナも大概に強いんじゃない?
「何って!真竜なんてどこで拾ってきたの!? タクミ君は支援系の方が得意で攻撃系はそんなに強くないのよ? 真竜相手に簡単には勝てないわよ!」
「え?そうなんですか?」
「そうよ。」
「どうしましょう?」
「どうするって言われてもねえ。」
フラムは考える。
けど、だいたい考えるのが苦手なフラムに良い考えが浮かぶはずも無く、自然とヴェルデの方に視線が行ってしまう。
やれやれとヴェルデは肩をすぼめながら、浴槽の縁の上に立つ。
何も隠さず、年齢よりもそうとう下に見える華奢な身体で仁王立ちになる。
横の方では、クロちゃんが、これはこれでなんとも、とか言ってヴェルデを見つめてにやけていた。
クロちゃん本当に女性なの?
「とにかく、こうなった以上、直接本人にどうするか聞いてみましょう!」
ヴェルデの提案に皆一同頷く。
「本当は鬼の件とかも話ししたかったけど、それはまた今度話します。それじゃあ、あがしましょうか。」
ヴェルデの言葉に皆も湯舟から上がる。
「あれ?カーリーは?」
フラムが、カーリーが浴場内に居ないことに気付いた。
「カーリーさんなら、露天の方に行かれましたよ。」
ルゼがカーリーの居場所をフラムに伝えると、そういえば露天風呂があった事を思い出す。
「ヴェルデ、カーリーが露天風呂の方にいったらしいよ?」
「そう言えばあの子、ずっと姿を見てなかったけど、何遊んでいるのかしら? ちょっと見てくるわね。」
そう言い残し、露天風呂のある方へとヴェルデが向かっていった。
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読んでいただいてありがとうございます。
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