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転生先で最強の元奥さん達?が待っている。~これはハーレムと言って良いのだろうか?~  作者: ユウヒ シンジ
第5章 ラングトン大学 始動編
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大学ライフ 7

今年最初の投稿です。


カーリーの身体の筋肉が少し盛り上がり引き締まり出した。

髪の毛もザワザワと逆立つ様に動き出すと、頭の左右上部あたりが盛り上がり始めると、まるで獣の耳の様な形になって行く。

スカートの中も何かモゾモゾと動き出すとスーッと白く長いフサフサのシッポが飛び出す。

その耳とシッポはまるでシロそのものだ。


「カ、カーリー! どうしたの、その姿は!?」


僕が驚いて聞くけど、カーリーには聞こえていないようだ。


「タクミ君を傷付けるような奴は絶対に許せない!!」


その言葉を言い終わるが早いか、一瞬でその姿が僕の目の前からかき消えた。


「ドッゴォオオオ!!!」


凄い音がしたと思ったら、ヴェルデに拘束され動けない鬼のお腹をカーリーが素手で殴りつけていた。

鬼の巨体は、拘束されているにも関わらず宙に浮き、体がくの字に曲がり口からは血の混じった涎が飛び散らせていた。

次の瞬間には、カーリーは同じ場所から消え、苦悶の表情の鬼の頭上に飛び上がっていた。

そこからどうやったのか身体の向きを変え身体を縮め足元に力をためる。

空中なのに何か足場があるようにそれを蹴り、鬼、目掛けて突進していく。


「ドッ!グガアアアグシャ!!!」


腕を突き出し体ごと鬼の頭部に直撃しその勢いのまま、講堂の床へと再度鬼の頭を叩きつける。

今度はさすがにヴェルデの束縛魔術のツタも引きちぎられ、鬼の頭は完全に地面の中に押し込まれてしまう。

土煙が巻き上がる中、カーリーは土に顔を埋め、身体が痙攣する鬼をさらに上から踏み付けさらに力を込める。


「バギッ!!」


何かが砕ける音がし、完全に鬼の動きが止まる。

僕からは、カーリーの後ろ姿しか見えなかったので、表情がどんななのかは解らなかった。

暫く鬼を見下ろしていたが、急に僕の方を振り返ると、その表情は顔がくしゃくしゃになるほど泣いていた。


「タクミくーん!!!」


また、僕の目が追いつけない程の速さで、僕の目の前に立って思いっきり抱き着いて来たかと思ったら、直ぐに僕の腕を取り怪我の様子を見て、さらに泣き出すカーリー。


「どうしよう!タクミ君の腕がボロボロだよ!」


「タクミ!大丈夫なの?!」


ヴェルデも僕の側に駆け寄り心配してくれる。


「ごめん、ちょっと失敗しちゃったよ。」


「そんな事ないよ! 私があの化け物に油断したせいで、タクミ君が大怪我したんだよ! わたし、わたし!!」


少し取り乱し気味のカーリーを僕は怪我した両腕で抱き寄せ、頭を撫でてあげる。

すると頭の上の獣耳がピコピコ動いて可愛らしかった。


『エル、お願い出来る?』


『はい。』


エルの返事と共に、僕の目の前に魔方陣が発生し、エルが姿を現す。


『それじゃあ神聖療術を掛けます。完全に直すのに3、4日掛かりますが、完全に元に戻りますからカーリー様、心配致しませんように。』


エルは、目をつぶり鼻の先を僕の腕に付けると、そこを中心に柔らかい光が溢れ出し腕全体を包み込む。

お?これは凄いな。

細胞の一つ一つがもの凄い勢いで入れ代わってるのが感覚的に解るぞ。


「す、凄いこれが神聖術なの?」


ヴェルデもその術の凄さが解るようで覗き込むように見入っていた。


「タクミさん、ご無事でって言うのは違う様ですが、とりあえず事は納まったようですね。」


クロちゃんも僕の所に駆け寄り無事を確認してくれる。


「それで、これが悪鬼って言ってたけど。」


僕は一度中断していたクロちゃんの話をもう一度確認しようと思い聞いてみた。


「鬼族はそれこそ伝説級の大昔、地上界の頂点を統べる人種となり、その中でも特に力の在るものを悪鬼と呼び、人々は恐れ敬る存在としてこの地上世界に君臨していたそうです。しかしその力に驕り無謀にも神の住まう天上界に戦をしかけたんです。当然、神々の勝利にて終結したんですけど、神々側も相当の損失を出してしまう程の、大戦争だったらしいですよ。ただ勝利と言っても完全に殺す事ができなかったみたいで、神聖結界の封印で、この地の幾つもの場所に分散させ、隠したらしいです。」


治療しながら、クロちゃんの話を聞き、随分大きな話になってきた物だとちょっと呆れてしまった。


「それでこいつは、その封印されていた内の一つで、キーザを依代にして復活したと言う事な訳だ。」


「はい、多分ですが。」


クロちゃんも記憶の断片を基にの予想なので確信までは持てないのだろう。


「わかった有り難うクロちゃん。それにしても、この鬼はどうしたものかな?」


完全に動かなくなった巨漢を見てため息をつくと、それを合図にしたかのようにその巨漢から急激な魔素の流出が起こった。


「どうしたの?これは?」


ヴェルデが驚くと、カーリーもクロちゃんも何が起きたのか解らないようだった。

当然、僕もだけどね。


「タクミ君、みんな無事だったのね。」


そこへグランディール会長がやって来て皆の無事を確認している。

さすがは会長というべきだね。


「それにしても、ヴェルデ先生も凄かったけど、カーリーさんも凄いわね。あの怪物を、一発で撃退してしま・・!??????? あ、あなた、カー、リーさんなの?」


会長は心底驚いてるようだ。

無理もないけどね。


「あ、ごめんなさい。今、解除するから。」


すると、カーリーの身体から、獣耳と尻尾が引っ込み、よく見ると指の爪も伸びていたのが引っ込んで元のカーリーの姿に戻っていった。

その横にはいつのまにかシロの姿があり、カーリーの足元に纏わり付いている。

取り合えずカーリーの事は後で聞くとして、今は魔素が噴き出す鬼の事だ。


皆で鬼の事を観察していると、魔素の流出と比例して身体もどんどん小さくなって元のキーザへと姿を戻っているようだ。

待てよ?これ、まずくないか?

このままキーザの姿に戻って、それが死んでいたら、貴族の子息を殺したとかで僕やカーリーが罰っせられないか?

嫌な事が頭を過ぎる中、エルに僕より先にキーザの治療をするようお願いをした。

今年もがんばりますので読んでやって下さい。

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