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転生先で最強の元奥さん達?が待っている。~これはハーレムと言って良いのだろうか?~  作者: ユウヒ シンジ
第5章 ラングトン大学 始動編
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大学ライフ 4

大講堂にいた、一般学生達は先生達の誘導で外へと避難する。

その他の、教員や院生の生徒は、キーザの周囲を取り囲む様に展開し始める。

さすがに、才能のある子供達があつまった大学だけのことはあるが・・・。


「タクミ君、これは何?キーザ君はいったいどうしてしまったの?!」


会長が僕の隣にやって来て質問してくる。


「あれは、昔、悪魔と呼ばれて人族が封印した種族みたいですね。ただ、入学試験の時に現れた、悪魔とは少し違いますし、実際は悪魔なんていなくて魔人族を人間族が勝手に悪魔にしたて邪悪な存在と言って討伐したらしいですが。」


「それってどういう事!? まさか降魔の厄災と言われた事を言っているの?」


会長が言う降魔の厄災が、クロちゃん達を封印した事なのかは知らないけど、無関係ではなさそうだ。

それより。


「僕はその降魔の厄災と言うのがどういったものかは知りませんが、今はそんな事言ってる場合じゃないです! とにかく、あの魔素の取り込みをなんとか断ち切らないと、とんでもない化け物になりますよ!」


「そ、そうね。幸いこの学校には優秀な教師と生徒がいるし、なんとか・・。」


「判りましたと、言いたいんですが、この相手は通常の物理攻撃は効きませんよ。光属性を持っている者でないと、対抗出来ないと思います。それ以外の人は周辺への影響をできるだけ防ぐ事だけ専念して下さい! 後は、僕達でなんとか対抗してみます。」


僕が失礼とは思ったけど忠告すると、会長がキョトンとした顔になる。


「なんとかするって、しかも僕達って、タクミ君以外に光属性持ちがそんなにいるとは・・・・。」


「いますよ。」


僕は意味深な返答をして前を向く。


『エル、君はルゼを守りながら、神聖結界を建物周囲に展開しておいてくれ。僕たち以外にも人がいるから、あまりエルの力を見せびらかすわけにもいかないからね。それと、転移魔術でクロちゃん呼んで来て。あのキーザに取り憑いているものが魔人なのかどうか判断してもらわないと。』


『わかりました。私は後方支援に徹っしますのでどうか気をつけて下さい。あの、妖気は最初のクロさんの時より大きいですよ。』


『そうだね、気をつけるよ。それじゃあカーリーは、シロと前衛を頼む。』


『了解だよ。もちろんタクミ君のフォロー付きだよね?』


『ああ、勿論僕もカーリーの直ぐ後ろに控えて必ず守るからね。』


僕はカーリーを安心させる為に、自信満々に言い切ると、カーリーが少し顔を赤くしてニッコリと笑ってくれる。


『ヴェルデ!フラムはどうしてる?』


『フラムは無理ね。今日は、ギルドで新人の実地研修に付き合って、この王都の外にいるはずだから。』


『了解、それじゃフラムは無しでヴェルデは中盤で遊撃ね。光も闇も僕から受け取ってるはずだから、精神体の悪魔でも直接攻撃が効くからね。』


『了解、私も何かあったらちゃんと守ってくれる?』


『当たり前だよ。ヴェルデも僕の大事な奥さんなんだから、何があっても守るよ。』


『でえへへへへ。』


変な声出さないでヴェルデ。


「タクミ君、何ずっと黙ってるの?」


「うおっ!」


会長が僕の顔の直ぐ前まで近づいて覗き込んでいたのでびっくりした。

この人も結構天然なのか?

それとも僕がまだ7才だからあまり意識しないのかな?


「と、とにかく、会長はあの周囲にいる院生の指揮をお願いします。」


「ほ、本当にタクミ君だけで行くの?」


「いえ先程もいいましたけど、僕達ですから。」


そう言って微笑んで見せる。

その時だ。

キーザを取り囲んでいた大量の魔素が一瞬で消えた。

しかし、キーザの体はどんどん大きくなり続け、着ている服は破け肌は焦げた様に黒くなって行く。

クロちゃんの時とは全く違うぞ。


僕は嫌な予感を持ちながらも、壇上から直接院生達を飛び越え、キーザの前に降り立つ。


「おい!そこの新入生!そんな所にいたら邪魔だ!どけ!」


一人の院生、たぶんクラス長だろうか?他の院生達を指揮し建物内に五法結界を張り続け、魔素の流入と悪魔の妖気の拡散を防いでいた。


「すみません、そちらはそのまま結界の維持をお願いします。もし、危険になりそうでしたら警告しますので逃げて下さい。」


「な!何を言ってるんだお前は! お前みたいな子供に指図される覚えは無い!!」


まあ当然といえば当然の反応だよね。

そんなやり取りをしていたら、キーザの方から強烈な妖気の塊が、その指揮する先輩院生の方に向けて飛び出してきた。


「くそ!」


その先輩院生は咄嗟に氷結障壁を張り妖気弾とでも言うべきものを防ごうとしたが、その威力が桁違いなのか、殆ど抵抗する事もなく障壁が砕けてしまった。


「!!?!」


先輩院生の男は声が出る間も無くその妖気の塊に飲み込まれてしまうはずだったが、僕が張った光護(こうご)障壁が間に合い、この世から消えるはずの先輩院生は、ちゃんとそこに存在していた。


「はあ、間に合った~。」


「な!何が起こった?」


「先輩、先輩方は申し訳ありませんが結界の外から五方結界の維持に努めて下さい!」


「・・・・・・・・・・・・」


先輩院生の方は、歯を食いしばり僕をただ睨むだけで何も言い返して来ない。


「副会長!ここはタクミ君の言う通りしろ!」


「か、会長?!」


いつの間にか会長が僕と副会長と言われた男性の前に現れた。


「し、しかしこんな子供に、」


「いいから言う通りにしろ! それにさっきの妖気をお前は防げるのか?」


「!!・・・・・・っ!」


「とにかく我々は・・!」


会長の言葉が終わらないうちに、またさっきの妖気の塊が今度は複数こちらに向けて飛び出してきた!

しまった!この数は僕一人では受けきれない!

脳裏に会長達の悲惨な状況が浮かび上がりそうだった。


「ドッン!ガガッ!!グウォーー!!!」


耳に爆音が先に届き、土煙が周囲に撒き散らされる。

その土煙がスーと無くなると、そこには人が立っていた。

カーリーとシロ、そしてヴェルデに、六花亭で働いていたクロちゃん達だった。

読んでいただき有り難うございます。

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