表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転生先で最強の元奥さん達?が待っている。~これはハーレムと言って良いのだろうか?~  作者: ユウヒ シンジ
第5章 ラングトン大学 始動編
39/90

大学ライフ 3

タクミ達に危機がせまります。


「カーリー、シロを召喚して。」


「え?良いの?」


僕は大きく頷いて、カーリーに召喚を促す。

それから僕も魔素をコントロールし召喚陣の作成に集中する。

突然、僕とカーリーの前に召喚陣が表れ光輝き出したので、講堂に集まる生徒や教師がざわめき出す。

ほどなくして、それぞれの完成した召喚陣からエルとシロが現れる。

その光景に、近くにいた新院生や生徒達が目を見開き驚いていた。

僕の前にはエルが、カーリーの前にはシロが座る。


『エル、ルゼのところに言ってスカートの中が見えないように防御してあげて。』


『はい、了解いたしました。』


僕のお願いに、エルが素早く動いてルゼの方へと動く。

シロは、カーリーの前に陣取ると、ゆっくりと座り、講堂に集まる生徒や教師の方に睨みをつける。

ちょうどシロの顔がカーリーのスカートの前な重なり、生徒や教師がそちらを見ると、どうしてもシロの今にも襲い掛かろうとしそうな鋭い視線と合ってしまう事になった。

これで、カーリーに視線が行くことは無いだろう。


「タ、タクミはん!」


ルゼの大声に僕は何かあったのかと思い急いで向くと、そこには、エルを胸あたりで抱える姿とそのエルの尻尾がルゼの股間をクルンと挟む形になっていた。


「こ、これはちょっと変えって恥ずかしいですやん!」


確かに。

スカートの中はこれで見えなくなったけど、変えって変な妄想を抱く輩が増えそうだな。


『エル、もう少し考えてあげて。これだとルゼが可哀相だよ。』


『そうですか? それじゃあ少し変えますね。』


そう言ったエルは抱き抱えられていたのを解き、ルゼの肩の上に乗り換えると、体に魔素を取り込み始めた。

すると、エルの白銀に輝く長く美しい尻尾が、ルゼの腰あたりから下へ体に巻き付きながらスルスルと伸び始めた。

膝上あたりで止まった尻尾が、美しい光沢を放つスカートの様に見えた。

女性陣からは感嘆の声が聞こえたが、男性陣からはチッ!とか舌打ちが見えあちらこちらから聞こえて来る。

ルゼも僕の友達だからね。

変な男共の視線に晒されるのは面白くないからね。


「えー、少し手筈とは違いますが、彼らが今年度の新院生だ。一般学生と新入生の諸君は、彼らを目標に精進してもらいたい。」


会長が式の進行を元に戻しはじめた。

それにしてもこの学校の学長は何考えてるんだか。

結構凄い人らしいけど、いっぺん文句の一つでも言ってやるか。


「それでは、新院生を代表して、タクミ・カーヴェルに挨拶をしてもらおう!」


え?!聞いてないぞ!

僕の驚いている顔を見て、会長がニコニコして手招いている。

ああ、またあの会長の個人的な楽しみに付き合わされるのか。

だいたい、進行表では、新院生の代表挨拶は無かったはずなんだ。

僕がぶつぶつと言ってなかなか来ないのを見て、会長が笑顔のまま殺気を出し始めてきた。

はあー判りました。

今行きますから。

半分投げやりに考え、式台の方に向かって歩き出す。

カーリーやルゼはそれを見て、頑張って!と応援してくれるが、この場合会長を止めて欲しかったよ。


そして、会長の直ぐ側まで行くと、会長が横へ移動して僕を式台の前へと促す。

僕が式台の前に立つと、全校生徒が一望出来た。

これは覚悟を決めるしかないか。

あんまり人前でしゃべるのは苦手なんだけどな。

そう思いながら、もう一歩前に出た時だった、講堂に集まる全校生徒は木製の椅子に座っているのだが、今年度の新入生の一番前列に座っていた男の子が、ガタッと勢いよく立ったのだ。

静まり返る講堂に、その音が異様に響いた。


「意義有!」


顔は俯いたままだが、その迫力ある大きな声で、その男の子が怒りを持っていることが判った。


「この新院生への飛び級試験は、会長の私情だけで合否が決まっている! どう考えても適正な試験内容だとは、言い難い! 私は此処に、タクミ・カーヴェルデの合格は会長やその他の教師による不正によるものとし告発を宣言する!」


大講堂の中に響き渡る言葉に、皆が注聴する。

そしてその声は誰かと皆が声の発生する方へと注視しはじめる。

そこにはいるのは、キーザ・ブルド、ブルド辺境伯の次男坊だ。

顔はそのまま俯いたままだが、その迫力は周囲にいる生徒を後ずさせた。


「君、何を言っているんだ。試験の内容に意義を唱えること自体、王国への反抗と見なされますぞ!」


一人の白髪の教師が、キーザに対して言い放つ。


「ハッ!何を言ってるんだ! この私が、試験に落ちて、タクミなんかが合格すること自体が不正の証ではないか! ブルド辺境伯の息子である私が、不合格などありえんのだ!」


言っていることは格好良く聞こえるが、その内容はでたらめだ。

親が辺境伯の称号を持っているからと言って、その子が同等の地位を持っている訳じゃない。

しかも試験の合否は自分の実力が判断されている。

これは決して、武術が強いとか、魔術の長けているだけの話じゃなくて、人柄や性格の事も含めて会長が判断してるんだ。

それが判らない時点で、キーザ君は不合格なんだ。


「私の判断に不服があるなら、実力を上げ、再度挑戦すればいいのだ! 大学の授業が始まったら、いつでも飛び級試験は受けれるのだからな!」


「うるさい!たかだか人間風情が私に口答えをするな!」


ん?なんだか様子がおかしいぞ?

キーザの周りに魔素が大量に集まり始めてるし、今の言葉、嫌な感じがする。

まさか、また魔人が覚醒するのか?

でも、今度は大量の魔素をキーザ君本人が直接取り込んでいて、黒いクリスタルは確認出来ない。


「もういい、私は世界最強の力を手に入れたんだ。これで、会長とタクミをぶちのめしてやる!」


これはやばい!


「会長! ヴェルデ!皆を避難させるんだ!」


ドンドンと魔素を取り込むキーザ。

それと比例して体が大きくなって行く。

これは、ミッシェルの時とは何か違う。

僕は、大きくなって行くキーザを見ながら、背筋に悪寒が走るのを感じていた。

読んでいただいてありがとうございます。

次回もがんばりますのでまた読んでください。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ