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転生先で最強の元奥さん達?が待っている。~これはハーレムと言って良いのだろうか?~  作者: ユウヒ シンジ
第4章 ラングトン大学 試験編
23/90

ラングトン大学 試験編 Ⅶ

第23部投稿いたします。


「ちょっと、あなた達えらく簡単に済ませたわね。」


飽きれ顔のヴェルデと相変わらず穏やかな笑顔を崩さないフラムさんが僕達の所に小走りで近づいてきた。


「は、は、まあミッシェルの事は僕もカーリーも対処法は良く解っているつもりでしたから、大丈夫だとは思ってたんですけど、ここまで簡単に終わるとは正直思ってませんでした。」


「まあ、まだ悪魔の姿は残ってるけど全く動かないし、聖魔術の結界が強力だから問題無いと思うけど・・。」


そう言いながらカーリーの横に座るシロと僕の足元にいるエルの方を交互に見ながら何か言いたそうな表情を僕に投げかけて来た。


「で、説明して貰えるかしら? この白狼は聖獣じゃなくて、神獣だよね?」


「えー?そう見えます? おかしいなあ? 目の錯覚かも知れませんよ?」


ジーーーーーーーーーーーー。


ああ二人の視線が痛いです。


「はい、すみません。この子達は確かに神獣です。先生に嘘を付く事になって申し訳ありませんでした。私の使役している白狼王のシロです。」


カーリーがまずヴェルデ先生に頭を下げて謝罪の言葉をおくった。

多分、勢いあまって神獣化してしまった事を反省して真っ先に謝ったんだろうけど、そのおかげで相手に抵抗する暇を与えず処理出来たんだからそこまで反省しなくてもいいと思うよ。

ただ、先生の顔は驚きを超えて呆れてるようだけど。


「今、白狼王って言ったわよね? あなた達、その意味解ってるの?」


問いただすヴェルデ先生に僕達はゆっくりと頷く。


「その、上位の神獣ですよね?」


僕の答に首を横に振って大きく溜息をつかれてしまった。


「あのね、白狼王って言えば伝説級の神獣で神位、つまり神に一番近い存在なのよ。それをいとも簡単に使役してます、なんて言われても、はい、そうですかとはならないの! 大体、普通の人間が使役出来るはずないの!解る? せめて、そこの白狐程度なら使役してると言っても納得出来るけどね。」


ヴェルデ先生って色々知ってそうだぞ。

誤魔化しきれないか。


『我が主に対して無礼だぞ人間!!』


今度はシロがカーリーを侮辱したと思ってヴェルデを威嚇し始めたよ。


『その上、エルカシア様を白狐程度と侮るなど言語道断!! カーリー様、この者に天罰を降すことを許可出来ませぬか!!』


『だーめ! 私の事を思ってくれるのは嬉しいけど、そんな事でいちいち怒らないの。それにエルカシア様の事まで先生が解る訳がないもの。大目に見てあげてね。』


『カーリー様がそう仰るのであれば、致し方ありません。』


ナイス!カーリー、揉め事は少ない方が良いからね。

で、終わるかと思ったら、今度はフラムさんの様子がおかしい。

顔は笑ってるんだけど、何か異様なプレッシャーを出している様な・と思った瞬間、目の前からフラムさんが消えた!

次にフラムさんを目で捕らえたのは、炎を纏う大剣をエルカシアの首元にあと数ミリ程の所まで剣先を突き付けている姿だった。


『あなた、エルカシアなの? この世界、アイダールの管理神のエルカシアなんですか?!』


危機迫るとはこの事を言うのかと思えた程、フラムさんは怒っているようだった。

僕もカーリーもシロも当のエルカシアも一歩も動けなかった。

ただ者ではないと思っていたけど、カーリーが反応出来ない程とは思ってもみなかった。

でも、何故?

それに念話で対応している、どういう事だ?


『タクミ君、その白狐が管理神エルカシアと言うのは本当なのかしら?』


次はヴェルデ先生も念話に加わって来た。

一体どうなっているんだ?

念話は、その使役獣の主人とか、それに関わりが有って認められる者しか出来ないはずなのに。

ただ、今この時に嘘をついても話が悪くなるばかりだと思い、ヴェルデ先生とフラムさんに打ち明ける事にした。


『はい、この白狐はエルカシアです。数年前までは確かにこの世界の管理神でしたけど、今は土地神として地上に降りて、僕の使役獣として行動しています。』


そう話した途端、フラムさんの剣から吹き出る炎の量が一気に膨れ上がった!

僕もカーリーも熱寒耐性を魔術展開しているから何とかそのままいられるが、普通なら炎に触れなくても熱だけで殺されそうな程の火力だ。


『エルカシア、私達が誰だか解る?』


声は冷静そうに聞こえるがフラムさんの状態と今まで笑っていた顔が無表情になっていることでかえって不気味な恐さを感じれた。


『さ、さあ?どちら様で、したでしょうか?』


エルは、この時の事を後でこう言っていた。


『神様だけど、あ、死んだなこれは、と。』


それにしてもヴェルデ先生とフラムさん、エルカシアが管理神だった事も知ってたし、まさか、ね。

それだったら、先生達の年齢が合わなさ過ぎる。

50才は超えてるはずなんで、こんなに若いわけがないと、思うんだけど・・。

それに何で二人も存在してるんだ?


『へーえ、解らないの?』


僕が現状を何とか把握しようとしている間にもフラムさんのエルへの質問は続いていた。


『あなた、私達を転生する時を間違えたでしょ!! おかげで私が、いえ私達がどれだけ苦労したかわかってるの?!』


『まさか、つむぎさんなんですか?』


『そうよ! やっと思い出したようね!!』


え?つむぎ、だって?

やっぱりそうなのか?

でも、あれ?おかしくないか?でも、つむぎ、なんて名前知ってるのは他には考えられない。


「つむぎ、なのか?」


僕が名前を呼ぶと、フラムさんは今までエルに向けていた大剣をその場に落とし、僕の方をじっと見詰めてきた。

みるみる瞳から大粒の涙があふれ出し、顔をぐしゃぐしゃになりながら泣き始める。


「う、うわー!タクミ君!タクミ君!タクミ君!タクミ君!タクミ君!!タクミ君!!タクミ君!!タクミ君!!タクミ君!!やっと会えたよーーー!!!」


その場にペタンとしゃがみ込み大声で泣き叫ぶフラムいや、つむぎに僕はゆっくりと近づくと膝を付き頭を抱え込むように抱きしめてあげる。


「ごめん、遅くなって。」


今はそれしか言えなかった。

そして抱きしめてあげる事しか出来なか・


「コラーー!!!フラム!!あんたばっか(ずる)いじゃない!!!」


叫ぶ声が聞こえたと思ったら僕目掛けてヴェルデ先生が突っ込んで来た。

慌ててつむぎを抱きしめていた手を解き咄嗟にヴェルデ先生を受け止めてしまった。


「ど、どうしたんですか先生?」


一瞬訳が解らずそう言葉を出してしまったがそういえばヴェルデ先生も・


「先生じゃない!私もつむぎ、だよ! 私だって凄っっっっごく会いたかったんだから!!!」


えーーー~!??なんでヴェルデ先生もつむぎ、なんだ?

訳わからんぞ!


『エル!これはどういう事だ!!』


『私にも、解りません!!』


あー!開き直りやがった。

顔を背けてこっちを見やしない。


でも、どうすんだこれ?

二人の美少女に大泣きされて抱き着かれて、しかも二人とも僕の元奥さんだなんて。

頭を抱え込んで悩み出しそうになっていると、カーリーが僕の前に立ちはだかりヴェルデつむぎとフラムつむぎの間に入り込み強引に僕から二人を剥がしてしまう。

ややこしい。


「何ですか!二人とも! 私のタクミ君に気安く抱き着かないでくれますか!!」


三つ巴でいよいよややこしくなって来たぞ!どうすんだよこれ!


「タクミ!この子、カーリーは神核を持ってないの?」


突然、ヴェルデつむぎが、ああややこしいからヴェルデにしよう。

そのヴェルデが、僕達しか知らないはずの神核の事を聞いてきた。


「う、うん持ってるよ。」


「やっぱり。カーリー、今からあなたに重大な事を話す必要があるの。それには、私達とタクミそしてあなただけで話す必要があるから、白狼王様には少し五感を閉じてもらって欲しいの。」


ヴェルデは僕達が転生者とかそういう話をするつもりなんだろうか?

でも、どうしてシロは聞いちゃダメなんだ?


「解りました。タクミ君や先生達の間に何があるのか教えて貰えるんですね?」


「えーそうよ。」


「解りました。」


『そういう事だからシロ、ちょっとの間ミッシェルとあの黒い固まりを見張っていてくれる?』


『了解致しました。その間私共とカーリー様達の間に障壁を展開し認識疎外しておきます。』


そう言い残し、白は結界内で浄化中のミッシェルの方へ向かい、障壁を展開し終えた。


「じゃあ早速、フラム、やっておしまい!」


どっかの女リーダーみたいな掛け声をヴェルデがしたかと思った瞬間、フラムの異常なスピードをまた体感する事になった。

いつのまにかカーリーの背後に周り羽交い締めにすると術式を展開して両手、両足と腰の所を拘束してしまった。

するとヴェルデも尋常じゃない速さでカーリーの前に立つといきなりただでさえ短めのスカートをおもいっきりたくし上げてしまった。


「きゃあーーーーーー!!」


カーリーも一瞬の事で為す術もなくされるがままになっていた。

僕も予想もしていなかった行動に釘付けになりカーリーの純白のあれをハッキリと見てしまった。


「減るもんじゃないんだから騒がないの。どうせ、認識疎外の術式が服に展開されているんでしょ? だったら実際に接触している私達以外には見えてないんだし、ちょっと確認したいだけよ。」


そう言って強引に何かを探し始めるヴェルデ。

カーリーの股間の方に顔を突っ込み、手で内股の方をまさぐっている様だ、って恥ずかしいぞこれは!

ちょっと堪えられなくなって顔を背けて視線を外してしまう。


「あー!やっぱりあった!」


しばらくすると大声で叫ぶヴェルデの声が聞こえてきた。


「タクミ!もういいよ。説明するからこっちに来てくれないかな。」


一体何があるんだろうか。

さっきまでの恥ずかしい行為が頭から離れない状態で、変な期待みたいな物を感じながら、ヴェルデ達の方を振り向いた。


読んでいただいてありがとうございます。




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