変態魔王とその娘(ミニスカメイド)が俺の息子を誘惑してくるんだが……
唐突に思い付いた『魔王』のパロです。
時は夜。
漆黒の帳の如き暗闇が包むその森は、不気味な程の静寂に包まれていた。
その静かな森に、地面を蹴る蹄の音が響き渡る。
夜風を切って馬を走らせるのは、玉のような汗を額に滲ませた一人の男性だ。
そして、その男性が必死に抱えるのは、毛布に包まれた息子である。
「息子よ、もう少しの辛抱だ。あと数里ほど馬を走らせれば館に着く」
「……お父さん」
「どうした息子よ。何故そんなに怯えるのだ?」
息子の様子に、父親である男性は怪訝な声でそう尋ねた。
すると、腕の中で息子の少年は口にした。
「お父さんにはあの魔王が見えないの? ピンクのパンティを頭に被って、ニーソを両手に嵌めた魔王の姿が?」
「息子よ、あれは魔王などではない。ただの霧だ。ピンクのパンティとニーソを風に揺らすただの霧だよ」
父親の男性はそう答えたが、息子の耳にはしっかりと魔王の声が聞こえてきた。
魔王は渋い声音で少年に語り掛けた。
「可愛い坊や、ワシと行こう。今ワシについてくれば、このパンティとニーソをセットにして39800円! 39800円で売ってやろう! 更に今回に限り、特別にワシの今身に着けているスポーツブラも坊やにあげよう!」
「要らねえ! 死んでも要らねえよ、お父さん!」
息子の上げた声に、父親は神妙な面持ちで窘める。
「しっ! 静かに! 落ち着きなさい、息子よ。まだあのパンティとニーソが誰の物か解らない!」
「お父さん!?」
唐突な父親の発言に、困惑した息子。
そんな彼に対し、魔王はこれでもかと畳み掛ける。
「坊やよ、ワシと行きたくないのかい? ワシの娘達にはお前の面倒をよくみるように言ってあるぞ? それもメイド服でな!」
「な、なんだってー!」
そう声を上げて反応したのは、まさかの父親の方だった。
「お父さん、お父さん! やっぱり見えるんだね! あの変態魔王とメイド姿の娘が!」
「息子よ、息子よ。ああ、確かに見えるとも。やっぱりミニスカメイドのガーターベルトはエロ過ぎる」
「めっちゃ見えてんじぇねーか、クソ親父!」
さっきまでの見えない発言は何だったのか。
メイドに強烈に食いつく父親。それに対して、一方の息子の反応は芳しくない。
そのことに痺れを切らしたのか、魔王は遂に豹変した。
「ワシはお前が好きだ! 大好きだ! 可愛い姿がたまらない! お前にその気がないのなら力づくだぞ!」
「お父さん、お父さん! 魔王に捕まっちゃったよ! これから僕は酷い目に遇うんだ! エロ同人みたいに!」
父親は恐怖に駆られ、急いで馬を走らせた。
呻く息子を強く抱き、やっとのことで森を抜ける。
そして目的の館に辿り着けば、息子は父親の腕の中でスポーツブラを着用していた。
オマケ
「お父さん! お父さん! 魔王の娘がGカップの胸を自慢げに揺らして迫ってくるよ!」
「違うぞ息子よ。あれはたわわに実ったGカップのビワの実さ」
「Gカップのビワの実!?」