第三話「女の子」
女の子じゃなかったかぁ、、、
未来は残酷だ!
「あからさまに嫌な顔をするんじゃねぇえよ。男で悪かったな。」
そんな顔をしていたらしかった。
「いやはや、シニガミさんを助けてくれてありがとうです!神様も感謝感激だそうです!」
いつの間にやらスマホもって電話してるテンシニバン。
「って、神様スマホできんの?!現代的なんだね?!」
なんとまぁ、神様は、ロリータ系の女子と見た!マカロンを口にほおばりながら電話をしているに違いない。
「ちょっと電話貸してくれ、テンシニバン。俺を助けてくれた礼だ、何かしてやれないか聞きたい。」
なんて男前なんだ!!
しかし、
(BL展開は期待していないんだが・・・・・。男女ともにモテてしまう俺はさすが母の子だ。)
そんなことは決してない。
そして、年齢イコール彼女いない歴だ。
ボーイズラブのBLも人生で経験したことはない。
(自分で言ってて、悲しくなってきたな。)
「分かりました。どうぞ。」
電話を受け取るとなにやらシニガミさんは話し込んでしまったようだ。
「ねぇねぇ、神様って女の子?」
(希望を捨てるんじゃない!俺ぇ!!)
「はい、女の人ですよ?」
テンシニバンは楽しそうに答えた。
うれしさで胸がいっぱいになったとき、
「おい、神様がお前を呼んでる。電話で、転生先を選べるぞ。詳しい話は神様に聞け。」
あと俺は、車になんか轢かれないし、あんなの避けられたんだからな。
だそうだ。
こんな風な男がモテるんだろうなぁ。
女なら惚れているんだろう。
まぁ、男の俺にとってはライバル、宿敵だが・・・・・。
そんな事を思って耳にスマホを近づけた。
「もしもし、神様?」
ちょっとイケメンボイスで話しかける。
やっぱり、女の子には第一印象が大切だ。
しかし、スマホの奥から聞こえてきたのは・・・
「はぁい、神様です。転生先と貴方が望む三つの願いを聞き届けて差し上げましょう。」
おばあちゃんの声だった。
ゆっくりとしたその口調。しわがれた優しい声。
きっと優しい神様に違いない。
(俺って、女の子に会えないんだろうか・・・・幼なじみの___も男だし。)
女の子どこなんだ!!天使や死に神や神様まで違うなら誰が女の子なの?!
そんな悲しい思考が脳裏に流れ込んだとき、テンシニバンと目があった。
シニガミさんはくつくつと笑っているらしかった。
「ねぇ、言ったでしょう?女のヒトですって!(笑)」
語尾の(笑)が無性に腹が立つ。
『女性っていつまでも、お・と・め!なんだから優しくね!りゅーちゃん!』
偉大なる母よ、おばあちゃんは乙女の類に入るのでしょうか?